女性活躍・両立支援に積極的に取り組む企業の事例集

厚生労働省

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2018年度

平成30年度 均等・両立推進企業表彰
厚生労働大臣優良賞 ファミリー・フレンドリー企業部門

株式会社千葉銀行 (金融業、保険業)

復職のための充実したサポートと、男性職員の積極的な育児参画の呼びかけにより、
仕事と家庭の両立支援に取り組む。業界や地域とのネットワークづくりにも力を入れる

認定マーク

企業プロフィール

設立
1943年
本社所在地
千葉県千葉市
事業内容
普通銀行業務
従業員数
7,217人(うち女性4,187人)
企業認定・表彰等
くるみん認定、プラチナくるみん認定、えるぼし(認定段階3)、プラチナえるぼし、均等・両立推進企業表彰、イクメン企業アワード、ダイバーシティ経営企業100選 / 新・ダイバーシティ経営企業100選、100選プライム

取組内容

仕事と育児の両立支援仕事と介護の両立支援テレワークフレックスタイム制男性育児参画事業所内保育施設

特徴的な制度・取組など

  • 復職のための充実したサポートと、男性職員の積極的な育児参画の呼びかけにより、仕事と家庭の両立支援に取り組む。
  • 業界や地域とのネットワークづくりにも力を入れる

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取組の背景と経緯

 株式会社千葉銀行は、千葉県を主要な地盤とする金融機関です。同行では、以前から女性が多く勤務していましたが、今後、男女とも同じように働き続け、活躍すべきと考え、平成 17 年に女性活躍推進の基本方針「女性いきいきキャリアアップ宣言」を策定・公表しました。平成 25 年には内閣府「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」 発足に現頭取が携わり、女性の活躍支援に本格的に着手しました。そして、平成 27 年に「ダイバーシティ行動宣言」を策定・公表するとともに、女性管理職登用の数値目標も策定しました。
 ダイバーシティの推進にあたっては、本部(ダイバーシティ推進部、人材育成部、経営企画部)と意識改革検討部会、キャリア検討部会及び両立支援検討部会の 3 部会からなる「ダイバーシティ推進委員会」が連携し、ダイバーシティ推進に関する施策を検討・実施しています。また、本部室・営業店の全部署にダイバーシティ推進統括責任者と推進リーダーを設置し、各種施策の浸透を図っています。

育児・介護関連制度

育児関連制度

  育児休業制度は、子が満 2 歳(特別な事情がある場合は満 3 歳)に達する月の末日まで取得可能で、育児休業開始後の 5 日間を有給としています。積立休暇を利用することにより、さらに 5 営業日を有給とすることができます。 育児短時間勤務制度は、①子が満 3 歳に達する月の末日まで、②小学校 1 年生の子について、 2か月を上限に 1 か月ごとに分割して利用可能です。
 男性の育児参画を促進するため、平成 26 年 9 月から、配偶者が出産予定の男性職員に「仕事も育児も!!すてきなパパ宣言」 (仕事と育児の両立計画、配偶者出産休暇、育児休業の取得予定等の行動宣言)の策定を義務付け、職場全体で男性の育児参画を応援しています。育児休業を 5 日以上取得した場合、祝金 5 万円(第 2 子 10 万円、第 3 子~ 30 万円)を支給します。さらに、 「イクメンハンドブック」、 「新米パパのサポートブック(産後うつ等をテーマとした内容)」、 「仕事と育児の両立支援ハンドブック(管理職向け)」等のガイドブックを作成、配布しています。これらの取組により、過去 3 年間の育児休業取得率は男性が約 70 %、女性は 100 %となっています。
 育児休業からのスムーズな職場復帰を促すため、平成 26 年より育児休業中の職員を対象とした慣らし勤務「育児のための短日勤務制度」を導入し、育児休業中に 1 日 6 時間、月 12 日の範囲内で勤務可能としています(時給制)。加えて、 「職場復帰応援セミナー」、「ちばぎんママの会(小 1 の壁対応)」等を開催し、仕事と育児の両立への不安を解消するための取組を進めています。また、職員の早期復職支援を目的に、事業所内保育所を 3 施設設置しています。さらに、育児関連費用補助制度により、延長保育、病児保育等の費用について、実費の半額を補助(上限 1 万円 / 月)しています。
 子の看護休暇は、日数は法定通りで、子が中学校就学前まで半日単位で取得可能であり、有給としています。

介護関連制度

 介護休業制度は、対象家族 1 名につき、通算 1 年間以内の期間で 3 回まで分割取得可能としています。仕事と介護の両立支援に対する理解を深めるため、「仕事と介護の両立支援セミナー」を毎年開催するとともに、仕事と介護の両立支援ガイドブック、両立応援ハンドブック(管理職用)を整備し、情報の提供に努めています。

その他の取組等

働き方改革の一環で、始業時間を 6 : 30 ~ 11 : 45の間で、 15 分単位で選択できる時差出勤制度「セレクト勤務」を導入しています。 「フレックスタイム制度」、 「テレワーク制度」については、本部の一部部署で導入しています。
  出産・育児・介護・忌引き等により急な欠員が生じた場合の助勤要員を大型の営業店に配置する「勤務支援要員制度(お助け隊)」を平成 29 年 9 月から一部のエリアで導入しており、今後、対象地域を順次拡大する予定です。
 自行の取組を、業界や地域にも展開すべく、地方銀行協会員全 64 行の頭取が参加する「輝く女性の活躍を加速する地銀頭取の会」や千葉県の産・官・学のリーダーが参加する「輝く女性の活躍を加速するちばのリーダーの会」の発足を呼びかけ、業界や地域とのネットワークづくりにも注力しています。

取組上の課題等

 以前は、出産や育児を理由とする離職者が女性職員の中に一定数存在し、男性の育児参画も進んでいませんでした。しかし、トップダウンによって、強力にダイバーシティ推進の取組やイクボスの取組等を進めるとともに、関連制度の拡充及び周知広報に努めた結果、育児休業からの復職や、男性の育児参画も当たり前のこととなっています。また、行内の推進体制として、本部室・営業店の全部署にダイバーシティ推進統括責任者と推進リーダーを設置し、定期的に会合を持つことで、行内の意識醸成にも成功しています。

今後の展望

 近年、銀行業界を取り巻く環境は目まぐるしく変化しており、異業種の参入や IT 化、お客さまニーズの多様化等、従来以上に変化に柔軟に対応し、新しい視点や多様性を認める会社に変化することが求められています。このため、同行では昨年 10 月、全職員を総合職とし、 コースによる職務や昇進の制限を撤廃し、転居を伴う異動の有無のみを違いとして男女問わずさまざまな業務にチャレンジできる仕組みを整えました。今後は事務やサポート的な業務を減らし、渉外や企画等の業務に就く職員を増やしていく予定です。
 また、仕事と育児の両立支援には注力してきましたが、今後は男女問わず、介護との両立が必要になる職員の増加も見込まれます。これらの職員が仕事との両立や将来のキャリア形成に不安を感じることなく、働き甲斐を持って活躍、チャレンジできるよう、制度だけではなく、意識や環境を整えていく必要があると考えています。

受賞企業のコメント

取締役常務執行役員
稲村 幸仁

 この度は厚生労働大臣優良賞を賜りましたこと、誠にありがとうございます。これまで一つ一つ地道に取り組んできた事をご評価いただき、大変光栄に存じます。
 弊行では、 「全ての職員が輝く働き方改革の実現」を経営課題の一つに位置付けて、 役職員一丸でダイバーシティ推進に取り組んでおり、仕事と育児・介護との両立支援もこの目的を達成するための手段の一つだと考えています。
 両立支援につきましては、ただ制度を作り、使えれば良いという事では無く、 「制度を上手く活用してさまざまな制約のある職員にも確りとその能力を発揮してもらう」事が必要であると感じております。そのためには継続して意識改革や環境整備を行なっていかなければならず、ダイバーシティ推進に終わりはありません。今回の受賞を励みに、今後も働きがいのある職場作りに一層取り組んで参ります。

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