女性活躍・両立支援に積極的に取り組む企業の事例集

厚生労働省

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2018年度

平成30年度 均等・両立推進企業表彰
厚生労働大臣優良賞 ファミリー・フレンドリー企業部門

アフラック生命保険株式会社 (金融業、保険業)

「ダイバーシティ」と「働き方の変革」を経営基本戦略の重点領域として定め、組織・人材基盤を強化。両立支援の各種施策の拡充および全従業員の柔軟な働き方を実践

認定マーク

企業プロフィール

設立
1974年
本社所在地
東京都新宿区
事業内容
生命保険業
従業員数
4,790人(うち女性2,352人)
企業認定・表彰等
くるみん認定、プラチナくるみん認定、えるぼし(認定段階3)、プラチナえるぼし、均等・両立推進企業表彰、イクメン企業アワード、ダイバーシティ経営企業100選 / 新・ダイバーシティ経営企業100選

取組内容

仕事と育児の両立支援仕事と介護の両立支援テレワークフレックスタイム制男性育児参画女性活躍推進女性管理職登用

特徴的な制度・取組など

  • 「ダイバーシティ」と「働き方の変革」を経営基本戦略の重点領域として定め、組織・人材基盤を強化。両立支援の各種施策の拡充および全従業員の柔軟な働き方を実践

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取組の背景と経緯

 アフラック生命保険株式会社は、昭和 49 年に米国の生命保険会社の支店として、日本初となるがん保険を発売し、平成 30 年 4 月に日本法人として新たに営業を開始しました。以前から育児・介護との仕事に関する両立支援制度の拡充に注力してきましたが、女性社員が活躍する風土をさらに進化させるべく、平成 26 年 10 月に「女性の活躍推進プログラム」を策定し、 「指導的立場に占める女性社員の割合を、2020 年末時点で 30% にすること」 及び「ライン長ポストにおける女性比率(女性ライン長比率)を 2025年に 30% にすること、そのマイルストンとして 2020 年に 20 %を目指す」の 2 つの目標を社内外に公表し、取組を開始しました。このプログラムでは 6 つの重点領域を設定しており、このうちの「女性のキャリア開発・育成・登用」、 「多様な働き方の促進」において、従業員の両立支援施策も盛り込んでいます。また、経営基本戦略の一つに「組織・人材基盤の強化」を掲げ、その重点領域として「ダイバーシティ推進」と「アフラック Work SMART (働き方の改革)」を設定し、取組を進めています。

育児・介護関連制度

育児関連制度

 育児休業制度は、事情により最長 2 歳に達する日まで取得可能であり、休業開始の最初の 5 営業日を有給としています。また、男性従業員の育児参画を推進するため、配偶者の出産時に最大 5 営業日以内で有給として取得でき、分割取得もできる「配偶者出産休暇」を整備し、管理職層に対してメッセージを発信する等の取組を進めた結果、平成 29 年には「配偶者出産休暇の取得率を 100% 、 平均取得日数 4 日以上にする」という全社目標を達成しました。一方、過去 3 年間の女性の育児休業取得率はほぼ 100 %であり、育児休業取得後も多くの女性従業員が復職して活躍しています。
 育児短時間勤務制度は、妊娠中から小学校卒業前の子を養育する場合に利用可能であり、申出期間は原則として1か月以上とし、何回でも利用することが可能です。また、同社のシフト勤務制度と併用することもできるため、 20 通りの勤務時間帯から選択可能です。
 さらに、平成 30 年には調布事業所に 2 歳児までを対象とする事業所内託児所を開設し、従業員の早期復職をサポートしています。

介護関連制度

 介護休業制度は、対象家族 1 人につき通算 365 日以内で 1 要介護状態ごとに 3 回まで取得することができます。過去 3 年間で、 10 名が介護休業を取得しており、復職率は 100 %となっています。
 介護短時間勤務制度は、対象家族1人につき、利用開始から 3 年間を限度として、原則 2 回まで使用することが可能で、 1 要介護状態ごとに利用できます。
 同社では、仕事と介護の両立に関して従業員向けの教育研修を実施しており、全従業員必修のe-learning のほか、年 2 回介護セミナーを開催しています。

その他の取組等

 同社では、仕事の進め方を抜本的に見直し、イノベーションを生み出す組織風土を醸成するために「アフラック Work SMART (働き方の改革)」を推進しています。その中で、 「所定外労働時間前年度比10% 削減」、 「有給休暇取得率 70% 以上」、 「配偶者出産休暇取得率 100% 、かつ平均取得日数 4 日以上」、 「全所属員在宅勤務年 1 回以上」等、それぞれ数値目標を設定し、達成状況を管理職の評価に組み入れています。平成 29 年の実績として、所定外労働時間削減率は前年比 16.4 %、有給休暇取得率については、一般従業員が 81.7 %、管理職も 81.4 %となる等、着実に成果が表れています。
 また、 「時間と場所に捉われない働き方」を実現するために、育児や介護等の事由を問わず、全従業員がシフト勤務・フレックスタイム制度等の柔軟な勤務制度を利用することができるほか、全従業員が自宅やサテライトオフィス等を利用して働くことを認めています。さらに、同社では、失効する年次有給休暇を一定程度積み立て、家族の傷病・介護、育児、子の看護などを目的として規定の日数を限度に使用できる「ストック休暇」を導入しています。
 同社は、治療と仕事の両立支援(がん就労支援)にも注力しており、がんを経験した従業員によるコミュニティ「 All Ribbons 」を立ち上げ、がん治療と仕事の両立に悩む従業員のサポート(体験談の公開及び相談窓口の開設)を行っているほか、 「がん・傷病就労支援ハンドブック」の作成、 「がん就労支援プログラム」サイト開設等により情報提供を行っています。

取組上の課題等

 女性従業員の活躍を柱とする「ダイバーシティ推進」の取組を進める上では、女性だけに焦点を当てるのではなく、男性従業員や管理職も含めて意識を変えていく必要がありましたが、他社と合同で実施する「両立座談会」への参加を男性従業員にも呼び掛けることで、次第に男性従業員の参加者も増え、少しずつ従業員の両立に関する意識が変わっていきました。また、全ライン管理職には「イクボス宣言」をしてもらい、その宣言の内容を全社に公開したことや、定期的な「イクボスセミナー」の開催等を通じて、管理職の意識変革にも努めてきました。

今後の展望

 同社は、変化の激しい市場において、組織として持続的な成長を実現するために「活力ある企業風土」の醸成を目指しており、その中で両立支援制度の拡充や、柔軟な働き方を実現する制度の整備等に努めてきました。 これからも「ダイバーシティ推進」と「アフラック Work SMART (働き方の改革)」を両輪で進め、一人ひとりの生産性を向上させることにより、仕事の付加価値を高める一方で、従業員が家族と過ごす時間を増やしたり、自己啓発のための時間を増やす等のワークライフマネジメントができるよう、会社として全力でサポートしたいと考えています。これにより、持続的にイノベーションを創出し、成長し続けることのできる組織づくりをこれからも進めていきます。

受賞企業のコメント

木島取締役
上席常務執行役員

久保取締役
常務執行役員

ダイバーシティ
推進部の皆様

  このたびは、 「均等・両立推進企業表彰 厚生労働大臣優良賞 ファミリー・フレンドリー企業部門」という栄誉ある賞を賜り、大変光栄に存じます。当社が、持続的な成長を続けていくためには、その原動力となる社員の多様性を尊重し、一人ひとりの能力が最大限に発揮される環境をつくることが 重要と考え、 「ダイバーシティ推進」と「アフラック Work SMART 」に取り組んでまいりました。
 ダイバーシティ推進の取組の第一歩として、女性活躍推進に取り組み、両立支援制度や人事制度の充実により、多様な人財が働く環境は整いつつあります。今後は、 「ダイバーシティ」と「アフラック  Work SMART 」の推進をより加速させ、会社の意思決定に関わる女性の管理職・役員を継続的に輩出する仕組みを構築するとともに、多様な社員が一人ひとりの持てる力を最大限に発揮し、新たな価値を創出するイノベーション企業文化の構築につなげていきたいと考えております。

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