女性活躍・両立支援に積極的に取り組む企業の事例集

厚生労働省

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2016年度

株式会社千葉銀行 (金融業、保険業)

男性の育児参画を促進し、全職員が仕事と家庭を両立させ、
活躍できる職場づくりに注力しています。

認定マーク

企業プロフィール

設立
1943年
本社所在地
千葉県千葉市
事業内容
銀行・保険業(普通銀行業務)
従業員数
4,280人(うち女性1,732人)
企業認定・表彰等
くるみん認定、プラチナくるみん認定、えるぼし(認定段階3)、プラチナえるぼし、均等・両立推進企業表彰、イクメン企業アワード、ダイバーシティ経営企業100選 / 新・ダイバーシティ経営企業100選、100選プライム

取組内容

仕事と育児の両立支援男性育児参画女性活躍推進女性職域拡大女性管理職登用

特徴的な制度・取組など

  • 男性の育児参画を積極的に推進。男性職員が育児休業の取得計画を策定するとともに、自分が育児にどのように関わるのかを職場に宣言し、これを職場全体で応援する取組「仕事も育児も!!すてきなパパ宣言」を実施。
  • ダイバーシティ推進、女性活躍推進には「管理職の役割こそが鍵となる!」という考えのもと、イクボス推進に注力。

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インタビュー

  • ダイバーシティ推進部
    調査役
    山本 悠介さん

取組のきっかけ・経緯

 当行は昭和61年に全国の銀行で初めて女性を支店長に登用するなど、比較的早い時期から女性の活躍に取り組んできました。その後、平成17年の次世代育成支援対策推進法の施行を機に、本格的に女性活躍推進に取り組み始め、現在ではダイバーシティ推進を持続的成長のための経営戦略と位置付け、平成26年に「ダイバーシティ行動宣言」を策定・公表するなど、女性活躍からダイバーシティへと取組を広げています。

子育て中の従業員を支援するための取組・制度等

 職場における女性の活躍を進めていく上で欠かせないのが、男性の育児参画と時間外労働の削減です。男性の育児参画では、「仕事も育児も!!すてきなパパ宣言」を実施しています。配偶者の出産を控えている男性が、育児休業の取得計画を策定するとともに、自分が育児にどのように関わるのかを職場に宣言し、これを職場全体で応援する取組みです。また、「ちばぎんイクメンハンドブック」や産後うつをテーマにした「新米パパのサポートブック」を策定したほか、 イクメン先輩行員との意見交換会「イクメン・イクママセミナー」を開催するなど、様々な角度から男性の育児参画を推進しています。
 時間外労働の削減では、平成25年に「業務効率化及び早帰り推進委員会」を設置し、全店から寄せられた1,300件を超える業務効率化の提言をもとに、業務プロセスを抜本的に見直しました。あわせて勤務形態の柔軟化にも取り組み、自己選択により始・終業時間をフレキシブルに変更できるセレクト勤務制度や半日単位の振替休日制度を導入してきました。平成28年10月には働き方改革推進部を立ち上げ、ITの更なる活用、時間や場所に捉われない柔軟な働き方の拡充に取り組んでいきます。
 イクボス推進に関する取組では、平成27年10月に副支店長を対象にイクボスセミナーを実施し、その後も係長や支店長代理、新任支店長など、各階層にイクボス講義を実施するなど、イクボスの意識浸透を図っています。部下の家族状況を把握したマネジメントを実践し、チーム全体の力を高めつつ、各人が希望する働き方や制度利用ができるような職場づくりに努めています。
 また、職場単位でのダイバーシティ推進の取組も進めています。全職場でダイバーシティ推進勉強会を実施し、その中で仕事と介護の両立を取り上げたほか、職場ごとに所属長をダイバーシティ推進統括責任者、男女1名ずつをダイバーシティ推進リーダーに任命したうえで、職場ごとに「私の職場のダイバーシティ宣言」を策定し、一人一人がダイバーシティを「自分事」として考えるための意識づけを行いました。

制度導入による効果等

 こうした取組の結果、「仕事も育児も!!すてきなパパ宣言」の提出率は100%となり、男性の育児休業取得率も平成27年度61.6%まで上昇しました。営業店の平均時間外労働は、業務効率化及び早帰り推進委員会を設置した2年前に比べ、月5時間程度削減されました。
  また、女性の積極登用、男女ともに働きやすい職場づくりを進めた結果、女性の活躍する領域も増えました。部長や支店長、副支店長など、様々な女性管理職が活躍するようになったほか、以前は男性が中心だった渉外業務でも、現在155名の女性渉外担当者が活躍し、実績を上げています(平成28年8月末時点)。職員の意識改革も進んでおり、毎年実施する職員の意識調査では、8割近い職員が千葉銀行は男性だけでなく女性も活躍できる会社であると回答しています。
また、当行の取組が評価され、賞をいただいたり、メディア等に掲載されたことにより、男女問わず優秀な人材が集まりやすくなりました。

今後の課題・展望

 両立支援制度の整備に伴い、女性は出産、育児といったライフイベントを迎えても働き続けられるようになりました。今後は、「子育て中の女性がごく普通に活躍し、男女ともに働きがいを持って、キャリアを築いていくことのできる銀行」にしていくことが重要だと考えています。
 例えば、育児休業明けの不安解消、スムーズな職場復帰の観点から、復帰3か月前から週に数日、数時間で慣らし勤務のできる「育児のための短日勤務制度」を導入しました。 また、育児休業期間中の集合研修への参加時の交通費、託児費用の補助のほか、育児休業者向けの業務別勉強会も実施しています。また、制度の柔軟性についても検討していきます。直近では、小1の壁に対応すべく、育児のための短時間勤務制度を小学校1年生の間2か月間利用できるようにしました。
 約10年前に始めた両立支援の取組は、女性の活躍推進を主目的としたものでしたが、ここ数年で、子育て中の女性のみならず全職員がワークとライフを両立させ、かつ活躍できるための取組へと変貌しています。今後もトップ主導の取組と職場単位での取組を両輪で進め、多様な価値観を有し、創造性あふれる強固な組織を目指していきたいと思います。

制度利用者の声制度利用者の声画像

効率的な働き方を意識し、仕事と育児の両立を頑張っています

コンプライアンス部企画グループ 係長
和知 裕さん

育児休業を取得した契機・経緯

 私は平成19年に入行し、平成24年に長女が、平成27年に長男が生まれています。長男が誕生した時に、妻が里帰り出産から戻ってくるタイミングで5日間の育児休業を取得し、出産祝金が支給されました。育児休業中は、子どもをお風呂に入れたり、おむつ替え、寝かしつけなどの一通りの育児と、家事全般を行いました。1週間じっくり育児に関わったことで、その後の育児参画への自信を持つことができました。なお、第1子が生まれた時にも休暇を取得しましたが、 当時は男性が育児休業を取得することは当行ではそれほど一般的でなかったので、育児休業ではなく5日間の連続休暇(年次有給休暇)を取得しました。しかし、ここ数年で社内の意識が変わり、職場全体で育児をしている人を応援しようという雰囲気が醸成され、男性も育児休業を取得しやすくなったと思います。特に、平成26年に出産祝金制度ができ、子どもが生まれる前には男性も育児休業計画を提出するなど、会社全体の取組として男性の育児参画を推進している雰囲気があったので、スムーズに育児休業を取得することができました。

※出産祝金は5日間以上の育児休業を取得した場合に男女にかかわらず支給される。

これから育児をする方へのメッセージ

 子どもが生まれたら、ぜひ男女問わず積極的かつ主体的に育児に関わって欲しいと思います。また、男性はできる限り早い段階で育児休業を取得した方が、妻との育児スキルの差が広がりすぎず、その後の育児に参画しやすくなると思います。 私は、妻と育児や家事を分担しているため、できる限り19時前には退社するように心がけています。そのために、毎日終業時間を意識した時間管理や、限られた時間で集中して働くことを一層意識するようになりました。 また、スケジュールや業務の段取りを部内で共有することで、全員が効率的に仕事をできるようになっています。仕事と育児の両立は女性だけの問題ではなく、男性も当事者であるという社内の理解があるので、今後も引き続き、育児も仕事も頑張っていきたいと思います。

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