女性活躍・両立支援に積極的に取り組む企業の事例集

厚生労働省

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2016年度

大東建託株式会社 (建設業)

女性従業員が活躍するステージを広げるため、幅広い両立支援の取組に力を入れています

認定マーク

企業プロフィール

設立
1974年
本社所在地
東京都港区
事業内容
建設業
従業員数
8,883人(うち女性1,725人)
企業認定・表彰等
くるみん認定

取組内容

仕事と育児の両立支援妊娠中の労働者支援男性育児参画女性活躍推進女性職域拡大

特徴的な制度・取組など

  • 法定有給休暇のほか、独自の特別休暇を導入し、全従業員があらゆる場面で家族のために休暇を取得できる体制づくり
  • 継続して活躍できる環境を整えることを目的に提案等を行う活動組織「いろどりLAB(ラボ)」や、闊達な組織風土醸成を目的に従業員からメンバーを公募し、現場からの声を吸い上げ提案等を行う活動組織「PRESO-RES(パソリス)」を始動

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インタビュー

  • ダイバーシティ推進部
    担当
    水戸川 くるみさん

取組のきっかけ・経緯

 当社は、男性従業員が全体の9割近くを占めていますが、女性活躍推進に対する機運が高まってきたこともあり、営業職をはじめ建設現場に女性を配置する取組を行ってきました。2015年4月には人事総務部(当時)にダイバーシティ推進課を新設し、ライフイベントと仕事を両立できる制度の拡充を進めています。

 取組を行う中で2019年4月、女性をはじめとした全ての従業員が継続して活躍できる環境を整え、企業の持続的な成長に繋げることを目的に「いろどりLAB(ラボ)」プロジェクトを立ち上げました。「活き活きと長く働ける(働きたいと思える)企業」「それぞれの働き方、キャリアを実現できる企業」の2点を目指すべき姿としています。女性に限らず、様々な人が働く上でライフイベントは避けて通れません。人生の節目を、継続就業の障害ではなく通過点ととらえ、キャリアを長期的に築ける環境整備の一環として不妊治療・育児(休業取得後の復職支援)・看護・介護の両立支援制度の拡充を図っています。

子育て中の従業員を支援するため取組・制度等

 「いろどりLAB(ラボ)」は、社内の様々な部署、役職の女性従業員12名で構成し、従業員の声をもとに社内制度の拡充を図るための全社的な取組です。当社では、2014年にマタニティ休業・短時間勤務制度を導入していましたが、さらに、検査や治療による通院及び体調不良による休養を目的として、年次有給休暇とは別に年5日間の休暇(有給)を取得できる不妊治療休暇・マタニティ休暇と、妊娠が判明するまで最長3年休業(無給)できる不妊治療休業を加えました。また、看護休暇(年次有給休暇と別に、けが・病気時の子の世話や予防接種等のために子1人につき5日間の有給休暇取得可能)と小学校3年生までの育児短時間勤務(最大1.5時間/日の勤務時間短縮の勤務時間短縮が可能)制度が利用できる対象期間を中学校卒業まで延長し、家庭事情や多様な働き方のニーズに対応できるようにしました。

 取得しやすくすることを目的にこれらの休暇を「家族休暇」と呼称し、いずれもマタニティ休暇を除いて男女問わず取得可能です。全従業員が安心して休めるように休暇を取りやすい環境を整備しました。

 また、全従業員に向けて毎月「ダイバーシティ通信」を配信する他、アンコンシャスバイアスや女性活躍、LGBTQ等をテーマにした動画視聴によるダイバーシティ研修を定期的に行う中で、社内意識改革と組織風土の醸成を図っています。

制度導入による効果等

 家族休暇をはじめとする福利厚生制度の充実と、女性管理職を養成する「女性育成プログラム」を通じて、スキルや女性従業員の長期的なキャリア形成を促す機会を創出することができています。同プログラムの外部講師を招いての研修では、女性同士が悩みを共有しながら多様なキャリアの在り方を学ぶことで、参加者の内9割の従業員が「前向きな意識変化があった」と回答しています。

 利用実績としては、当社の男性育児休業取得率は100%を達成しており、当たり前に取得するものという意識が浸透し、家族休暇においても、毎月数十名程度の男女従業員が活用しています。

 また、不妊治療休暇の導入によって当社の「社会課題への対応を目の当たりにして、会社への今後の期待値が高まった」という男性従業員の意見もありました。全従業員に向けた「仕事だけでなく人生を応援していく」というメッセージがエンゲージメントにつながっていると感じています。

今後の課題・展望等

 今後は「制度利用者目標数値の設定が妥当か・利用したい人が休暇を活用できているか」といった必要な休暇や制度を整えていくための把握と検証が課題です。当社は、単なる就業継続ではなく「活き活きと長く働ける(働きたいと思える)企業」を実現するために、従業員が積極的に声を上げて現場目線での提案できるボトムアップ施策「PERSO-RES(パソリス)」にも力を入れています。引き続き、コミュニケーションの場を創出しながら、必要に応じて現制度をブラッシュアップしていきたいと考えています。

 建設業という業種柄、男性従業員が全体の80%を占めるので、あくまで大きな括りとして男女同等のための女性支援策は必要だと感じます。「女性育成プログラム」は、昇進をハードルに感じる女性従業員が様々な教育を経て、役員や管理職の役割を理解したうえでキャリアの選択肢の1つとして管理職を当たり前に考えられるようになることを目的としています。3年後の女性管理職数の目標を設定して計画的に育成する「クォータ制」を導入し、役員をメンバーとする女性活躍推進委員会を設置し、本人と上職に対し研修を実施して意識改革を行うなど、時代とニーズに沿いながら取組を止めないことが大切だと考えます。

 ボトムアップ施策や育成体制は導入したばかりですが、過去の両立支援制度を活用しながら、女性に限らず全従業員が「ずっとここに。十人十色を活かせる企業に。」という、「いろどりLAB(ラボ)」のスローガン実現を目指していきます。

制度利用者の声 制度利用者の声画像

子育て中の女性への配慮が詰まった制度が整備されて
非常に助かっています

事業戦略室
チーフ
池田 真弓さん

法定有給休暇+αの家族休暇は、子育て中の従業員にとって本当にありがたいです

 私は2014年に産前産後休業・育児休業を取得し、翌年から時短勤務で復職しました。そして、上司や同僚の理解協力を得ながら、子供が3歳になるまでは業務量を調整してもらいました。

 2018年9月、建築営業職のサポート業務の担当になったタイミングでフルタイム勤務に変更し、2020年には、新たな事業や商品・サービスを従業員の提案によって生み出す社内ベンチャー制度「ミライノベーター」の選考にチャレンジしました。

 子どもが小学生になった頃は発熱や急病が多かったので、看護と通院のために1時間単位で家族休暇を利用しました。1人で子どもを育てている身としては、長期休暇が必要になる場合の保険として年次有給休暇を残したまま、特別休暇制度を利用できるというのはとてもありがたいです。また、事前に周囲には自分の置かれた環境を伝えた上で、できること・できる時間を知っていただき、業務分担やスケジューリングの協力を仰ぎながら、時間内で最大効率を上げるよう努めています。

キャリアアップの研修を通して世の中の様々なことを吸収できました

 新入社員だった頃に社外研修を受ける機会をいただきました。それまでは、自社内のコミュニティと業務知識しかありませんでしたが、研修でロジカルシンキングや企画書の作り方などを教わり、また社外の方の意見や取り組みを聞くことで視野が広がりました。

 また、「PERSO-RES(パソリス)」で行っているような社員が抱える悩みに共感し、それを自分たちで解決していくというボトムアップ精神にとても感銘を受けました。そのような取組の中で女性が輝き、仕事をする平日も、家族や自分のために使う休日も、どちらも充実して笑顔が溢れる会社になればいいなと心から願います。

 「ダイバーシティ研修」を通じて、これからも多様性を認め合い、みんなで力を合わせて社会に貢献したいと考えます。

掲載年度:2016年度(2023年2月更新)

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