女性活躍・両立支援に積極的に取り組む企業の事例集

厚生労働省

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2023年度

株式会社読売エージェンシー (学術研究、専門・技術サービス業)

えるぼし認定の取得を機に新卒採用での女性応募者が増加 女性管理職比率の向上に向けて取組を継続

認定マーク

企業プロフィール

設立
1936年
本社所在地
東京都千代田区
事業内容
広告業(広告代理業務、各種催し物の企画業務など)
従業員数
121人(うち女性46人)
企業認定・表彰等
くるみん認定、プラチナくるみん認定、えるぼし(認定段階3)、プラチナえるぼし

取組内容

女性活躍推進女性管理職登用女性職域拡大

特徴的な制度・取組など

  • 男女の管理職・女性従業員向けに、女性の積極的登用に関するアンケートを実施
  • アンケート結果をもとに課題を抽出し役員会に提言
  • 自治体の研修動画を活用してキャリア形成支援研修を実施

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インタビュー

  • 法務・コンプライアンス室長
    丸山 卓さん

取組のきっかけ・経緯
経営層の後押しを得てえるぼし認定を申請・取得

 当社では、2017年に女性活躍推進の取組を開始しました。ちょうど、女性活躍推進法が施行された後のことです。法律について調べていく中でえるぼし認定のことを知り、認定取得の検討を始めました。女性管理職比率や男女別の採用における競争倍率など、えるぼしの3段階目の認定基準を満たしていたため、認定申請を行おうということになり、役員会にて認定検討の説明を行ったところ、「ぜひ進めよう」ということで了承を得ました。

 当時すでに、新卒採用人数は男女ほぼ同数であり、女性についても男性と同じように採用することが、経営層を含め、社内で定着していました。

具体的な取組の内容

従業員向けアンケートにより目標達成に向けての課題を抽出

 取組の目標として、女性管理職比率を20%以上にすること、女性の副部長が1名以上になることを掲げました。従業員がどのような意識を持っているのか、目標達成に当たっての課題を抽出し、施策に反映するため、2018年1~2月に、男女の管理職および副部長以下の女性従業員を対象に、女性の積極的な管理職登用に関するアンケートを実施しました。

 アンケートの結果、男女の管理職・女性従業員のいずれにおいても「男性中心の職場である」との認識がみられました。これらの結果を踏まえ、女性の積極的登用を意識的に行っていく必要があることなどを役員会で報告・提言しました。

 育児関連では、出産・育児により仕事が続けられないと感じている従業員は少数でしたが、育児をしながら働くことに不安を感じている人もいました。こうした不安を解消するため、育児のための短時間勤務(子どもが中学校に入学するまで)、時差勤務(始業・終業時間の繰上げ・繰下げ)、在宅勤務などの制度を導入しています。また、現在一部部署に導入しているフレックスタイム制を、2024年4月から全社に拡大する予定です。育児休業からの復帰に際しては、復職前に総務部長、労務担当、所属部門の部長とで面談を行い、復職後の働き方・ビジョンなど本人の意向を確認したうえで、復帰場所を決定するようにしています。

 このほかに、女性が不安なく働ける環境を整えるため、生理・不妊治療や更年期症状などの際に利用可能な女性休暇なども導入しています。


自治体の研修動画を活用してキャリア形成支援研修を実施

 女性従業員向けに、隔年でキャリア形成支援研修を実施しています(直近では2021年、2023年に実施)。2021年の研修では、大阪市が実施した、女性が働き続けることに関する研修動画を了承を得て使用し、若手の女性従業員向けの研修を行いました。2023年は、東京都の研修動画を使用し、女性従業員全員を対象に、管理職やさらにその上のリーダーになるに当たってのマインドをどのように手に入れるかといったテーマでの研修を実施しました。今後も継続的に実施していきたいと思っています。

取組の成果・取組を進めたことによる効果等
新卒採用における女性応募者の増加

 えるぼし認定を取得してから、新卒採用応募における女性の割合が増え、2018年度以降は男性よりも女性の採用数の方が多くなっています。その結果、従業員の女性割合も、2017年は30%だったのが、現在では38%まで増加しました。40歳未満の若手では、男性25%に対し女性75%と、女性のほうが3倍多くなっています。こうした中で、今では女性の活躍は当然のことという意識が定着しています。

 女性従業員からも、女性の意見・提案がきちんと認められる環境になっている、仕事をする上での自信を持てる環境になっているといった声が聞かれています。

今後の課題・展望
女性管理職比率の伸びを加速させる取組を

 若手の女性従業員は増えてきているものの、女性管理職比率の伸びがまだ鈍いと感じています。女性管理職比率20%以上という目標をまだ達成できていない状況です。ただ、2017年度と比べ、副課長・主任級の女性比率は32%から52%へ、主査・一般従業員では56%から81%に上昇しており、今後は課長職の女性比率が伸びてくると期待しています。

 2018年の社内アンケート調査では、男性中心の職場であるとの認識がみられましたが、再度アンケートを実施したいと考えています。女性管理職比率の伸びを加速させるような取組を含め、目標達成に向け、取組を継続・推進していきます。

従業員の声 制度利用者の声画像

女性としての意見・提案が伝えやすい環境になり、
仕事をする上での自信を持てるようになりました

総務部長
井上 典子さん

当社で初めての女性営業職として入社。
上司の言葉に励まされ、育児休業を取得後に復職

 私が新卒で入社してから31年が経ちました。広告の販売・提案をする営業職として採用されたのですが、当時の営業現場は男性が主体で、私を含めた3人が、女性として初めての営業職に就きました。それから子どもが生まれるまでの10年間、営業部に在籍しました。

 当時はまだ、出産に伴う退職は当たり前という雰囲気でしたが、上司の「これからの時代、子どもを持つ女性も働いていく時代だろう。できる限りのサポートをするので復帰してみないか」という言葉に励まされ、復職することを決めました。まだ制度もなかったため、厚生労働省や東京都にも相談しながら、育児休業を取得しました。

 復職後は元の部署に戻る心づもりだったのですが、子どもを育てながら営業現場に戻ることは難しいだろうとの周囲の意見もあり、管理部門に異動することとなりました。

 その後、もう一人子どもが生まれ、しばらくは子育てをしながら伝票処理を行う業務管理を担当し、昨年総務部に異動しました。

若い女性従業員たちのためにも、
女性管理職として道を開いていきたい

 女性としての意見・提案が伝えやすい環境が整ってきており、大きな変化を感じます。以前は女性が仕事の話をしづらかったようなところもありましたが、最近は「女性だから」「男性だから」という意識がなくなり、より働きやすい環境になりました。当社は、女性も第一線で活躍している会社だと思います。

 私が管理部門で副部長になったとき、後輩の女性従業員に、「私たちもそれを目指していいんですね」と言われました。子育てとの両立で私自身も不安に感じていたところがあったのですが、祝福の言葉を受け、彼女たちにとっての道を開いていかなければならないと感じました。

 管理職になると、より自分の意見を会社に伝えていくことができます。もしチャンスが巡ってくれば、より自分のイメージしている働きやすい環境、女性に限らず皆さんが活躍できる環境づくりの力添えができればと考えています。

(データの取材時点:2023年12月)

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