女性活躍・両立支援に積極的に取り組む企業の事例集

厚生労働省

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2017年度

株式会社北都銀行 (金融業、保険業)

「できることから始めよう」をモットーに、まずは管理職を対象に業務を限定したテレワーク制度を導入

認定マーク

企業プロフィール

設立
1895年
本社所在地
秋田県秋田市
事業内容
金融業(銀行業)
従業員数
1,524人(うち女性836人)
企業認定・表彰等
くるみん認定、均等・両立推進企業表彰

取組内容

仕事と育児の両立支援テレワークフレックスタイム制男性育児参画事業所内保育施設女性活躍推進

特徴的な制度・取組など

  • 管理職が週1回、1日単位で利用可能なテレワーク制度。
  • 全行員を対象としたフレックスタイム制度。
  • 育児休業は利用開始から5日間を有給化し、男性の育児休業取得を促進。

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インタビュー

  • 人事部 女性活躍推進室 
    室長
    佐藤 千穂子さん

取組のきっかけ・経緯

 当行では、全従業員の能力を最大限に発揮できる企業風土醸成のため、男女問わずイキイキと働きがいを持ち続けられる職場づくりに積極的に取り組んでいます。その中で、仕事と育児や介護等の両立支援に向けて、企業内保育施設の設置や、産休・育休者へのタブレット端末(行内イントラネットと接続可能)の貸与等の取組を進めてきました。また、女性活躍推進に取り組む中で、管理職の理解や意識改革の重要性を認識し、平成27年2月に地銀としては初めて「イクボス企業同盟」に加盟するなど、全管理職イクボス化を目指し取り組んでいます。
  あわせて、長時間労働の防止や自己啓発の推進を目的として、働き方改革を進めており、全行員を対象とするフレックスタイム制の導入や、「チャレンジ7運動」(原則定時退行とし、時間外労働が発生した際は最終退行時刻を19時とする)等の取組を進めています。その一環として、平成29年4月から、テレワーク制度を導入しました。導入前に実施した行員アンケートにおいて、約6割がテレワークは必要であると回答しており、従業員のワーク・ライフ・バランスの向上、非常時における業務継続等を考え、テレワーク制度導入の必要性を感じたことが、導入の大きな後押しとなりました。

具体的な制度の内容

 当行のテレワーク制度は、厚生労働省の「情報通信機器を活用した在宅勤務の適切な導入及び実施のためのガイドライン」に沿う形としており、就業場所は原則として自宅としています。制度導入の初年度である平成29年度は、利用対象者は支店長や副支店長をはじめとする管理職に限定し、週1回、1日単位で利用可能です。 利用に際しては、事前に業務内容を上司に申請し、人事部の承認を得るとともに、都度、人事部から行内イントラネットに接続可能な端末機器を貸与しています。利用当日は、始業時刻、終業時刻、休憩時間を行内イントラネットで所属長及び人事部長に報告することにより労働時間を管理し、翌営業日には勤怠管理のための就業管理システムに入力します。現在は、専用端末から人事管理システムにアクセスし、部下の人事考課や賞与評定、面談記録の作成といった業務が主体となっています。本業務は、毎年4月と10月に行いますが、部下のキャリア形成に関わる非常に重要な業務であり、部下を抱える多くの管理職にとって、集中できる時間を一定時間確保することは課題となっていました。このため、これらの業務を在宅で集中的に行う環境を整備することにより、業務の効率化、生産性の向上等が実現できると考えています。また、今後、テレワークにおける業務範囲及び利用対象者を拡大していくなかで、まずは管理職からその利便性を実感することで、職場における利用促進につながると考えています。
 その他、両立支援において、平成23年4月に県内金融機関としては初めて、企業内保育所を開設しました。定員20名のうち5名分は地域枠として、地域の方にご利用いただいています。育児休業については取得開始日から5日間を有給とし、人事部から対象者とその上司に対して、育休取得にむけた働きかけを行ったことなどにより、平成27年度、28年度は男性の育休取得も100%を達成しています。また、妊娠中、育児休業中及び先輩ママ行員の情報交換の場として「ママ・ドゥ・カフェ」を開催し、育児や復職への不安の払拭を図っています。当初は行員のみを対象としていましたが、平成29年12月に、地方創生包括連携協定を締結している秋田県横手市と合同で異業種交流の「ママ・ドゥ・カフェ」を開催し、非常に好評を得たため、今後も継続したいと考えています。

制度導入による効果等

 当行の両立支援や女性の活躍推進に関する取組が評価され、平成25年度均等・両立推進企業表彰 均等部門秋田労働局長優良賞、平成26年度女性が輝く先進企業表彰 内閣総理大臣賞、平成28年度グッドキャリア企業アワード イノベーション賞、平成29年度パートタイム労働者活躍推進企業表彰 優良賞等、多数の表彰受賞につながっています。また、当行の取組がメディア等に取り上げられる機会も増えたため、当行の取組を知って、当行を志望する学生も増加傾向にあります。
 定期的に実施している行員の満足度調査では、総合満足度は年々上昇傾向にあり、直近3年では特に、上司及び会社に対する評価が大きく上昇しました。

今後の課題・展望

 テレワーク制度については、今後も、業務範囲の拡大、利用対象者の拡大、承認フローの簡略化等について検討を進め、最終的には全行員が利用できる制度にすることで、労働生産性の向上を図るとともに、行員の仕事と育児や介護、病気の治療等との両立を支援したいと考えています。
  また、テレワークをはじめとする働き方改革を進め、ワークとライフの両輪をしっかり回し、ビジネスキャリアとライフキャリアを実現することで、多様な人材がイキイキと活躍する職場を実現したいと考えています。「できることから始めよう」をモットーに、時間や場所にとらわれない柔軟な働き方を実現していくため、今後も取組を進めていきます。

制度利用者の声制度利用者の声画像

自らが率先して利用することで多様な働き方を広めたい

人事部 キャリア支援室 室長
西本 一史さん

テレワーク活用にあたり、業務内容を見える化しました

 私には現在0歳と3歳の子どもがおり、共働きをしています。テレワークについては、業務の効率化、ワークとライフのコーディネートの観点から利用しています。在宅で仕事をすることにより、通勤時間を育児や家事に充てることができますし、子どもと触れ合う時間も確保できます。 また、テレワークを導入したタイミングで、行内イントラにより自分のスケジュール、業務内容を見える化しました。これによって、仕事を人に帰属させることなく、互換性のある業務体制の構築も進めていきたいと考えています。
 今後、テレワークで活用できる業務範囲の拡大に伴い、さらに利用頻度も高めたいと思っています。

まずは管理職が利用することで社内への浸透を図りたい

 テレワークにより、電話応答等で業務を中断することなく、集中して従事できる時間を確保できるため、労働生産性を向上させて仕事を進めることができます。また、出社準備や通勤にかかる時間を育児や家事の時間に使えるため、生活にも充実感が生まれたと感じています。
  さらに、第1子の育児休業を取得した際に、普段体験することがない、平日昼間の地域社会に出ることができて、非常に貴重な経験ができました。さまざまな休暇の活用により、そのような機会が増え、普段会社の中にいるだけでは得られない新たな発想等も得られるのではないか、と思っています。
 男性の育児休業取得についても、テレワークについても、制度の利用によって職場を不在にすることにより、いろいろ迷惑がかかるのではないか、業務が回らないのではないか、というような懸念の声もありましたが、実際に導入してみると、職場内で互いにカバーすることで全く問題は生じませんでした。不在者の業務を他の者がカバーすることで、新たな業務習得機会にもなり、組織全体の成長にもつながっていると考えています。現在当行では、テレワークの利用対象が管理職に限定されていますが、管理職が利用し、その利便性を実感することで、利用対象者が拡大した際には、部下にも積極的に利用を促すようになって欲しいと考えています。
 まずは管理職である私自身が、率先してテレワーク制度をはじめとする新たな制度、仕組みを利用することで、それらの制度利用が当然となる組織にしていきたいと思います。

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