女性活躍・両立支援に積極的に取り組む企業の事例集

厚生労働省

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2021年度

株式会社ニュージェック (サービス業(他に分類されないもの))

誰もが働きやすい職場に向けて、多様な働き方の実現に取り組む

認定マーク

企業プロフィール

設立
1963年
本社所在地
大阪府大阪市
事業内容
サービス業(建設コンサルタント業)
従業員数
735名(うち女性155名)
企業認定・表彰等
えるぼし(認定段階3)

取組内容

女性活躍推進女性採用拡大女性職域拡大女性管理職登用

特徴的な制度・取組など

  • 経営層と女性従業員の意見交換会を定期的に開催。
  • 休暇制度やテレワークの環境を整え、多様な働き方を実現。

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インタビュー

  • 総務本部 働き方改革推進グループ
    グループ統括 依藤 弘志さん
    マネジャー  松田 芳己さん

取組のきっかけ・経緯
女性活躍への建設コンサルタント業界の動き

 人口減少や少子化を背景に人材不足が懸念されている中で、建設業界では男性社会のイメージを払拭するために、女性活躍を積極的に推進する動きがあります。当社もそれら情勢をもとに10年ほど前から女性の積極的な採用を行っています。また、2016年に政府の「すべての女性が輝く社会づくり本部」により、女性活躍推進法に基づき総合評価落札方式等による事業において、ワーク・ライフ・バランス等推進企業をより幅広く加点評価することが定められたことも取組加速の一つです。当社も受注拡大に向けて、えるぼし認定取得のために動き出しました。

具体的な取組の内容
全ての従業員が働きやすい職場づくりを目指す

 全ての従業員が働きやすい職場づくりを目指し、2015年から経営層と女性従業員との意見交換会を継続して実施しています。2019年には社長も出席し、同会での意見を今後の施策検討に反映することとしました。回を重ねるごとに、女性従業員から忌憚のない意見が出るようになり、繰り返し開催することで効果が表れると考えています。
 また、定期採用における女性技術者の増加を目指し、ホームページの会社紹介や採用ページのリニューアルを行いました。当社の建設コンサルタントの業務を理解してもらうため、「自然と人を技術で結ぶ」というキャッチフレーズで、社会と環境を支える仕事であることを表しました。また、女性技術者の座談会やえるぼし認定のマークを掲載し、多くの女性技術者が活躍していることや、多様な働き方が選べる会社であることをアピールしています。
 2020年には、社長方針のもと「働き方改革推進グループ」を設置しました。3か月に一度、社長以下幹部による「働き方改革推進会議」にて、法改正にともなう社内制度の拡充等の検討を行うほか、「働き方改革通信」を発行し、制度や取組を全従業員に周知しています。働きやすい環境整備の一環としてテレワークも進めていますが、「VDI(Virtual Desktop Infrastructure)」を導入し、在宅でもCADや3Dシミュレーション等を含む業務ができるようなシステムを構築しました。

取組の成果・取組を進めたことによる効果等
多様な働き方が可能になり、女性従業員の増加、えるぼし認定3段階目の取得へ

 働き方改革の一環で、年次有給休暇の時間単位休暇取得制度導入、半日休暇取得回数を年間14回から20回まで取得可能とする等の制度拡充を行い、従業員が自身の業務や生活に合わせた働き方を選べるよう環境を整えました。
 また、女性からの応募が増え、採用者に占める女性の割合が5年前の10%から、約40%まで向上しました。近年では、技術職に加え、営業職や事務職にも女性の採用が増えています。さまざまな部署に女性が増えた効果として、「共に働く、共に協力し合う」という雰囲気が醸成されてきました。例えば、以前は出張や残業などを打診する際に、女性に対する過度な配慮があったように思いますが、現在はそのようなことはありません。また、産前産後休業や育児休業による欠員のフォローは、性別にかかわらず上司や同僚が互いに助け合う職場になっています。
 2021年には、えるぼし認定3段階目を取得しました。採用応募者からえるぼし認定について質問を受けることもあります。また、地域の高校から研究発表の題材として取材を受けたこともあり、えるぼし認定への関心度の高さを感じています。
職場の様子

取組を進めるにあたっての工夫・苦労
性別役割分担意識をなくすために

 働き方改革や女性活躍を進める上では、性別役割分担意識をなくすことが重要です。「働き方改革推進会議」などを通じて意識改革に取り組み、幹部の意識が変化し、それが管理職へ、そして全従業員へと浸透してきたと感じています。それにより、長時間労働削減や、男性の育児休業取得促進に対する理解も徐々に進んで来たと思います。
 また、2021年12月には、「仕事と育児の両立支援制度ガイドブック」を作成しました。時系列で「いつ、何の手続きが必要で、どのような制度が利用できるか」等を分かりやすく説明しています。このガイドブックが管理職と部下のコミュニケーションの一助となり、育児休業などが取得しやすい職場環境となることに期待をしています。

今後の課題・展望
さらなるキャリア支援に取り組みたい

 現在の階層別研修は性別にかかわらず同一内容としていますが、今後は女性従業員に対して、管理職を目指すなど高い目標設定のキャリア形成研修を充実させたいと考えています。もちろん個人の考え方によるのですが、女性は管理職を目指すという意識が男性よりも比較的低い傾向にあり、意識改革を図ることが今後の課題です。

従業員の声 制度利用者の声画像

働き方の多様性を示すロールモデルになりたい

国内技術本部 港湾・海岸グループ 港湾計画チーム
牧野 綾さん

管理技術者としてキャリアアップ

 2009年に入社以来、建設コンサルタントとして、港湾の整備事業に係る整備効果検討、港湾計画に関する調査、検討業務に従事しています。2013年に国家資格である建設部門の技術士の資格を取得しました。その後、担当した業務において、2019年に「近畿地方整備局大阪港湾・空港整備事業所優良業務・優良技術者表彰」、2020年に「四国地方整備局優良業務・優良技術者表彰」を受けることができました。港湾計画の策定業務や港湾整備効果を整理・検証する仕事にやりがいを感じています。

夫婦ともに育児休業を取得したことが、キャリアにとって大きなプラスに

 2017年に育児休業を6か月間取得しました。当初、仕事を離れることに不安がありましたが、育児休業中も社内の動向、担当分野の最新の情報、所属部署の業務受注状況など、会社から丁寧な情報共有があったおかげで不安が払拭されました。また、私の育児休業後に、当社に勤務する夫が交代して育児休業を1か月取得したことがとても有意義な経験となりました。仕事から離れ、ブランクが生じることが精神的にどのくらい不安となるかを夫が経験し、理解したことは、私が働き続けることに大きなプラスとなっています。後輩には、国家資格を早めに取得することを勧めたいです。ライフイベントを迎える前に多くの経験を積むことで、性別にかかわらず育児休業が決してキャリアの中断にならないと考えるからです。今後も管理技術者として経験を積み、いろいろな働き方があるということを示すことができればいいと思っています。

(データは取材時点:2021年11月)

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