女性活躍・両立支援に積極的に取り組む企業の事例集

厚生労働省

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2021年度

株式会社エイト日本技術開発 (サービス業(他に分類されないもの))

介護に関する情報提供で漠然とした不安を払拭

認定マーク

企業プロフィール

設立
1955年
所在地
岡山県岡山市
事業内容
サービス業(総合建設コンサルタント、補償コンサルタント、測量・計量証明・建築・地質及び土壌汚染調査)
従業員数
1,197名(うち女性243名)
企業認定・表彰等
くるみん認定、えるぼし(認定段階3)

取組内容

仕事と介護の両立支援仕事と育児の両立支援女性活躍推進

特徴的な制度・取組など

  • 仕事と介護の両立支援研修で介護に関する不安を払拭
  • 従業員同士の情報共有の場であるコミュニティサイトの立ち上げ

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インタビュー

  • 管理本部 副本部長
    浅沼 加代子さん(左)
    管理本部 人事部 主任
    加藤 利依さん(右)

取組のきっかけ・経緯
女性従業員の増加にともない、働き方改革を開始

 当社は、「価値ある環境を未来に」を合言葉に、国内外の社会インフラ関連事業を手掛けています。土木を専門とする技術者は比較的男性が多く、当社も以前はいわゆる男性社会の文化がありました。また、仕事の質を追及するあまり、長時間労働をする従業員が多い傾向にありました。しかし、近年、女性従業員の増加にともない、多様な働き方やワーク・ライフ・バランスの実現の必要性が出てきたことから、適度な労働時間で安定した品質を確保することを目指し、働き方改革の取組を開始しました。また、働き方改革の一環で、育児や介護に関する制度の見直しや拡充も行いました。男性の育児休業の取得促進に関わる法改正などの動向を受け、育児両立支援を先行して取り組んでいる状況です。

具体的な取組の内容
ワーク・ライフ・バランス委員会の設置で従業員のニーズを把握

 2017年から2018年まで、職場の状況や従業員のニーズを把握するため、ワーク・ライフ・バランス委員会を設置し、ワーキンググループの活動を行いました。ワーク・ライフ・バランス委員会は様々な部署の13名で構成し、全ての従業員が働きやすい職場についてアイデアを出し合い、議論を行いました。この活動から生まれた施策として、2019年のコミュニティサイトの設置があります。コミュニティサイトとは、社内イントラネットに設けた掲示板で、育児や介護に関する情報提供や書き込みを匿名ですることができる仕組みです。設置のきっかけは、当社は女性従業員が少ないため、仕事と育児の両立に関する相談を気軽にできる人が身近にいないというニーズからでした。介護に関する書き込みは、ケアマネジャーからのアドバイスで良かったことや、薬の管理方法、自宅の手すりの設置場所等、介護の経験者ならではの有益な情報が提供されています。2019年以降は、管理本部内の事務局が中心となり、ワーク・ライフ・バランス推進のため、仕事と家庭の両立支援制度の周知や利用促進の取組を進めています。
 具体的な取組としては、2019年に仕事と介護の両立支援研修を開催しました。50代以上の従業員を中心に参加を募りましたが、関心のある従業員は年齢を問わず参加可能としました。研修では、外部講師を招き、介護への心構えや公的サービス等、介護に関する情報提供を行いました。オンラインによる開催で参加者は100名を超え、従業員に介護に関するニーズがあることが分かりました。研修後のアンケートで満足度は86%を超え、「今まで介護について全く知らなかったため漠然とした不安があったが、情報を得ることで気が楽になった」という感想が聞かれました。また、講師の「介護のために仕事を辞めず、働きながら両立することが大切である」という言葉に勇気づけられたという声もありました。

社内外に向けた働き方改革の取組

 2018年に働き方改革宣言を策定し、社内外に公表しました。取組の一環として、建設コンサルタント業界全体で取り組んでいるウィークリースタンスの周知と徹底を行っています。ウィークリースタンスとは、月曜日はノーピリオド(依頼の期限としない)、水曜日はノー残業(定時の帰宅を心掛ける)、金曜日はノーリクエスト(新たな作業を依頼しない)という曜日ごとの作業方針を定めたものです。社内をはじめ、発注者や協力会社の方々にも協力いただけるよう、メールの署名や印刷物等にさりげなく記載し、多くの方の目に触れるような工夫をしています。取組開始当初は、社外の方々にまで協力を求めるのは失礼ではないかという議論もありましたが、社会の働き方改革の機運の高まりもあり、社内外ともに浸透してきたと感じています。また、当社では、水曜日のノー残業デーは就業規則で定められています。10年以上前から継続している取組のため社内に浸透しており、現在も支社ごとにノー残業デーの達成率を把握し、見える化することを続けています。

取組の成果・取組を進めたことによる効果等
2022年4月の改正育児・介護休業法の施行に先駆け、丁寧な育休面談を実施

 介護に関する制度利用は現在のところ多くはありませんが、相談や問い合わせは増えています。介護に関しては潜在的なニーズがあり、実際に直面する前にコミュニティサイトや研修を通じて情報提供をしておくことの意義があると感じています。2022年はコロナ禍で延期していた仕事と介護の両立支援研修を再び開催する予定です。 
 また、育児休業の取得率も上昇傾向にあります。制度の周知のために、オリジナルの「育休取得のためのしおり」を作成し、該当の従業員とその上長に配布しています。また、2022年4月の改正育児・介護休業法の施行に先駆け、育児休業取得促進のための計5回の育休面談(本人と管理部)のスキームを作りました。初回は妊娠を会社に連絡した時に制度の説明を行います。2回目以降は、上長を含めた3者で取得予定期間の確認や、業務の調整について話し合い、それをもとに上長が業務プランを作成します。3回目は育児休業前のタイミングで業務プランの進捗確認、4回目は復職前に復職後の働き方に関する話し合いを行い、5回目は復職後2か月後に困っていることはないか状況を確認します。近年は男性従業員の育児休業取得者も増加し、技術職の男性の取得率は35.5%となっています。中には、9か月間の育児休業を取得した人もおり、社内への浸透が進んでいると感じています。
育休取得のためのしおり

取組を進めるにあたっての工夫・苦労
従業員アンケートからニーズを把握し、今後の取組に活かす

 働き方改革の推進に当たり、ワーク・ライフ・バランス委員会の経験者が各部署で同僚を巻き込みながら、率先して取り組んでいることが好影響をもたらしています。また、従業員が各自で労働時間管理の意識を高めるため、退社予定時刻を表示した「カエル札」を毎日デスクに置く取組を行っています。「カエル札」は全従業員に配布し、業務を効率的に行うためのモチベーションとして活用されています。
 そのほか、2018年から隔年で実施している働き方実態調査アンケートや、2021年に女性従業員を対象として実施したキャリアに関するアンケートの結果から、育児や介護に直面した時の就業継続についての課題を把握しています。今後は従業員のニーズに基づき制度拡充や風土醸成を行っていきたいと考えています。

今後の課題・展望
介護に関する制度の拡充を検討

 今後は介護に関する制度拡充を検討し、制度利用の促進を図りたいと考えています。一つ目は介護休暇を有給化すること、二つ目は制度利用の要件となる要介護認定の基準を緩和すること、三つ目は在宅勤務を可能とする制約の撤廃です。当社の在宅勤務は育児、介護、感染症に関する理由がある場合に可能としていますが、この制約を撤廃し、誰もが在宅勤務を利用できるようにすることで、育児や介護で必要としている従業員も利用しやすくする狙いがあります。
 また、各種社内申請や経費の精算等、間接的な業務に時間を要しているという声を受け、会社全体でDXを進め、部署を横断した効率化を図っていきます。

(データの取材時点:2021年11月)

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