女性活躍・両立支援に積極的に取り組む企業の事例集

厚生労働省

女性の活躍推進・両立支援総合サイトトップ > 女性活躍・両立支援事例集トップ(事例検索) > 企業事例

2018年度

日本アイ・ビー・エム株式会社 (情報通信業)

充実した両立支援制度と多様な働き方の導入により、育児・介護 とキャリアの両立を実現

認定マーク

企業プロフィール

設立
1937年
本社所在地
東京都中央区
事業内容
情報通信業(情報システムに関わる製品、サービスの提供)
従業員数
21,500人(うち女性従業員比率23%)
企業認定・表彰等
くるみん認定、えるぼし(認定段階3)、均等・両立推進企業表彰

取組内容

仕事と育児の両立支援テレワークフレックスタイム制事業所内保育施設女性活躍推進女性管理職登用

特徴的な制度・取組など

  • 早くから積極的に両立支援制度を導入。
  • 在宅勤務、フレックス短時間勤務等、柔軟な働き方を可能とする制度により、キャリアを停滞させることなく仕事と育児・介護の両立をサポート。

データベース・両立支援のひろばを見る

取組事例ダウンロード 

インタビュー

  • 人事 ダイバーシティ企画 部長
    梅田 恵さん (左)

    人事 ダイバーシティ
    伊奈 恵美子さん
    (右、制度利用者)

    ※good aging yells代表 松中権氏(中央)とLGBTフレンドリーな職場を称える「PRIDE指標」の表彰式にて。ゴールド認定およびベストプラクティス賞を受賞。(2018年10月11日撮影)

取組のきっかけ・経緯
女性従業員自身が必要な施策を検討

 当社は男女雇用機会均等法の施行に先駆け、1960年代から専門職を担う女性を積極的に採用してきました。そして、採用、育成した従業員が出産や育児等を理由に離職してしまうことのないよう、 育児・介護休業法制定以前の1985年に育児休業制度を導入し、1987年には子が2歳まで取得可能とし、男女ともに長く働き続けられる職場環境の整備を進めてきました。しかし、1997年に米国IBM(本社)からの要請により女性の活躍度を調べたところ、男性と比較して管理職比率等が低く、女性の活躍は進んでいないことが明らかになりました。このため、女性従業員のキャリア課題について、女性自身が考えて、その解決策を見つけていくため、1998年に従業員で構成するJapan Women’s Council(JWC)を立ち上げました。JWCでは、女性従業員のキャリア形成と働き方の課題を分析し、その解決策について、経営層に提言し、取組を進めており、現在は第7期目に突入しています。以前は、育児休業を長期間取得したことにより、新しい技術に後れをとってしまったり、長期間短時間勤務を続けることによりキャリア形成が停滞してしまったり、というような課題もありましたが、在宅勤務(1999年導入)、短時間勤務(2001年導入)やフレックス短時間勤務(2010年導入)等により柔軟な働き方を可能とするとともに、働いた時間ではなく、アウトプットを評価することを徹底させることにより、育児や介護と仕事を両立させることは個人のキャリア形成において乗り越えられる壁となってきました。当社では、従業員がよりパフォーマンス高く働くために必要な施策として、各種の両立支援制度や多様な働き方の選択肢を提供しています。働きながら子育てをするということは特別なことではなく、子どもがいても、プロ意識を持って質の高い成果を出す、という点で他の従業員との違いはないと考えています。
 法の施行に先駆けた先進的な両立支援の取組やJWCの活動成果等が高く評価され、2010年に「均等・両立推進企業表彰」厚生労働大臣最優良賞を受賞しました。また、2007年、2009年、2013年、2015年にくるみん認定を取得しています。

具体的な制度の内容
働く時間、場所の制約を最小限に

 産後休暇は法定通りですが、産前休暇は予定日の7週間前から取得可能としています。育児休業制度は導入当初の1987年から、子が満2歳まで取得可能です。介護休職は1年間を上限とし、定められた期間の中であれば、回数の上限なく再取得も可能です。
  短時間勤務制度は通常勤務の60%又は80%の労働時間とする制度であり、1日の所定労働時間を4.5時間又は6時間とする形態と、1週間の勤務日数を3日又は4日とする形態から選択可能です。対象者は育児・介護・身体の障害等の事由のある従業員とし、育児の場合には、子が中学校1年生まで利用可能です。
 フレックス短時間勤務は、通常勤務の60%又は80%の労働時間から選択可能で1か月単位で清算します。対象者は短時間勤務制度の適用者のうち、係長格以上で過去2年の業績が一定以上である場合のみとなります。近年はグローバルの業務も増えており、海外とは時差があることから、在宅勤務と組み合わせることにより、早めの時間に一度退社した後、夜間に電話会議をする、というような働き方をしている従業員もいます。
 子の看護休暇、家族の介護休暇は年間最大10日間まで利用可能です(有給)。また、事業所内保育所を東京、千葉に計2か所開設しています。8:30~20:00まで(申請があれば7:30~)開設しており、一時預かりも受け付けています。
 多様な働き方を支えるツールとして、それぞれの従業員のスケジュール、現在どのようなステータスであるか(勤務中、離席中、電話可能等)等が表示されるイントラネットとインスタントメッセージ機能を整備しています。

制度導入による効果等
育児・介護とキャリアの両立が普通のことに

 両立支援制度の整備と、多様な働き方を実現する制度及びツールの導入により、特に女性従業員の離職率は大きく改善し、キャリア継続やデザインがしやすくなりました。 今では、一般職のみならず、部下を持つ管理職や役員級の女性の1/3以上がワーキングマザーとなっており、特別なことではなくなっています。管理職に占める女性の割合も、JWCが発足した1998年時点では1.8%であったのが、15%(2017年)まで増加しました。
 また、在宅勤務やフレックス短時間勤務等により、自由度の高い働き方が可能であるため、育児休業を長期間取得する従業員は減少傾向にあり、中には、育児休業は取得せずに職場復帰するケースもあります。
 均等・両立推進企業表彰への応募や、くるみん認定の取得については、自社の取組や成果が客観的にどのように評価されるのかを検証したいと考えて挑戦しました。社外から評価いただけたことにより、対外はもちろんのこと、当社の従業員に対しても、当社の取組について再認識してもらえたと考えています。くるみん認定については、当社の育児中の従業員からも、当社が仕事と育児の両立を支援しているというメッセージが伝わったと、反響がありました。また、学生に対してもアピールとなり、当社に関心を持っていただく機会となったと考えています。

今後の課題・展望
多様な価値観を認め合えるように

 働き方の多様化が進み、在宅勤務やモバイルでの勤務が主流となってきたことにより、従業員同士の直接的なコミュニケーションの機会が減りました。また、幅広い年齢層が勤務することで、世代間の価値観のギャップも大きくなり、これらのギャップを互いに認め合うようなダイバーシティの考え方が必要になっていると感じています。 働き方、子育ての仕方、家族の在り方等において多様な価値観がある中、世代に注目したダイバーシティについて、従業員に考える機会や参考となる情報を示していきたいと考えています。ダイバーシティの取組は、有能な人材を確保するために不可欠であり、イノベーションを生み出し続けるためにも、多様な人材に長く勤めてもらえるよう、これからも取組を進めていきたいと考えています。
 また、当社の両立支援制度や福利厚生について、イントラネットに情報掲載していますが、掲載しているだけでは、従業員への周知広報としては不十分であるため、より効果的な情報発信について検討しています。

制度利用者の声

無理や気負いなく、キャリアを積み重ねていきたい

人事 ダイバーシティ
伊奈 恵美子さん

キャリアと育児を両立させている先輩方を参考に

 私は、当社が、女性が出産、育児を経てもキャリアを構築できる会社であると思い、当社に入社しました。入社当時、執行役員として活躍している女性がおり、男女ともに活躍できる会社であると感じていました。また、上海に駐在していた時に、3人子どもがいる女性の先輩が、 一番下のお子さんを連れて駐在しており、周囲にもそのような方がたくさんいたので、キャリアと育児を両立させることは当然のことと考えてきました。
 入社してから現在までに3人の子どもが生まれ、それぞれ育児休業を取得した後、フルタイムで復職しています。第1子、第2子は比較的丈夫であったため、子どもが体調を崩すようなことはあまりなかったのですが、第3子は復職当初、少し病気がちであったため、病児保育や看護休暇を利用したり、病院に立ち寄ってから出社したり、ということもありました。ですが、在宅勤務制度やフレックスタイム制により、柔軟な働き方ができるため、仕事と育児を両立しながら、働き続けることが出来ています。また、業務の都合で夕方に業務が入ってしまった時には、事業所内保育所の一時預かりで20時まで預けて勤務したこともありました。

仕事と育児の両立は特別なことではない

 仕事と育児の両立は、確かに大変な面もありますが、周囲の先輩方や同僚に育児中の方も多く、自分だけが特別なことをしている、というような気負いはありません。育児をしているから何かをセーブしたり、特別な無理をしたりすることはなく、 他の従業員と同様、普通に働いていると思っています。これからも、自分なりの働き方でキャリアを重ねていきたいと考えています。

PAGE TOP