女性活躍・両立支援に積極的に取り組む企業の事例集

厚生労働省

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2018年度

株式会社エノモト (製造業)

従業員が「幸せを実感できる会社」とするための取組

認定マーク

企業プロフィール

設立
1967年
本社所在地
山梨県上野原市
事業内容
製造業(リードフレーム、コネクタ用部品等の設計・製作)
従業員数
514人(うち女性78人)
企業認定・表彰等
くるみん認定、プラチナくるみん認定

取組内容

仕事と育児の両立支援男性育児参画

特徴的な制度・取組など

  • 男性従業員の育児、家事参画を促進するため、育児休業を5日間有給化し、連続5日取得する制度を導入。
  • 失効年休を最大40日まで積み立て、育児目的、子の介護、家族の介護等に有給扱いとして利用可能な積立休暇制度を導入。
  • 出退時にICカードをかざすと残りの有給休暇日数や残業時間が表示される、見える化の取組により、年休取得と所定外労働時間削減を促進。

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インタビュー

  • 経営管理グループ 経営企画部
    人事課 課長
    矢島 和久さん

取組のきっかけ・経緯
男性の育児参画を促す制度導入と研修に注力し、県内初のプラチナくるみん認定取得

 当社では、男性従業員も仕事と家庭をしっかり両立させることができるようにすることを目的に、両立支援の取組を始めました。 当社は、既に仕事と育児を両立させている女性従業員もいることから、2011年に、男性の育児参画を目的として、育児休業5日間を有給扱いにしました。2018年1月には、小学校3年生に達するまでの子がいる従業員は、幼稚園・保育園や小学校等の行事への参加のため、 1年間に5日間、子が2人以上であれば10日間取得可能とする育児目的休暇を導入しました。同年4月には、この育児目的休暇と、子の看護休暇、家族の介護休暇、10日以上の私傷病について、失効した年休の積立(上限40日間)を利用可能とし、 有給とする積立休暇制度を導入しています。積立休暇は半日単位で取得可能としています。
 併せて、制度を生きたものとするためには、制度を導入するだけでなく、利用しやすい職場環境を整備することが重要であると考え、 「能力発揮・信頼を大切にした働きやすい職場づくり研修」を実施しました。まず経営層・管理職に対して、社会環境は以前とは大きく変わってきており、男性も女性も仕事と家庭の両立が不可欠であり、管理職自身も意識改革が必要であることを伝えた上で、真に生産性の高い職場とするために、 どのようにしたら従業員同士の信頼性を構築できるか、ということを考える研修を実施しました。次いで、全拠点の従業員に対して、職場環境をより良いものとしていくために、いかにして互いの信頼関係を築いていけば良いかを考える研修を行いました。
 これらの取組により、従業員同士、お互いを気遣うことができる職場風土が醸成されたと考えています。また、これらの取組が評価され、2018年6月、山梨県内初のプラチナくるみん認定を取得しました。

具体的な制度の内容
育児休業は5日間連続で取得。年休取得、所定外労働時間削減に注力

 育児休業については、5日間を有給とし、事情にかかわらず、子が2歳になるまで取得可能としています。土日を含めると7日間は連続した休みとなるため、まとまった時間を家族と過ごすことができ、育児や家事にしっかり携わることができると考えています。 従業員への周知のため、社内報への掲載、社内ポスター掲示のほか、対象者の上司、ご家族と本人に対して、育児休業取得に関する案内を送付しています。これらの取組により、男性の育児休業取得率は概ね6割で推移しています(2017年度は66%)。
 子の看護休暇は、子が小学校3年生に達するまで、1年間に10日間、子が2人以上の場合には15日間まで、半日単位で取得可能です。積立休暇を利用すれば、有給とすることが可能です。
 従業員のワーク・ライフ・バランスを推進するため、年次有給休暇の取得促進及び所定外労働時間削減にも注力しています。 年次有給休暇は1時間単位で取得可能であり、通院や子の学校行事等の家族の都合による早退や中抜けにも利用しやすい制度としています。年休の取得状況は部署単位、課単位で集計して社内に通知し、取得状況の芳しくない部署には取得を呼びかけています。 これらの取組により、2017年度の年休取得率は56.8%となっています。所定外労働時間削減の取組については、勤怠状況をICカードで管理しており、残業時間は1分単位で計上されます。タイムレコーダーにICカードをかざすと、残業時間や有給休暇の残日数が確認できるようになっています。 さらに、各人の所定外労働時間の状況は週単位で上長及び人事担当にアラートとして表示されるため、メンバーの残業状況を互いに見える化し、働き方を把握しております。これらの取組によって、2017年度の月平均所定外労働時間は14時間となり、前年度比で約1割減少しました。

制度導入による効果等
従業員同士、「お互い様」という精神が浸透

 全従業員を対象とした研修をはじめとする各種の取組により、従業員同士が互いを思いやる風土が醸成され、「お互い様」という精神がしっかり根付いてきたと感じています。また、男性の育児休業取得もすっかり定着し、男女問わず、育児や家族のために休暇を取得することも一般的なこととなりました。 年休取得促進の取組も行っていることから、皆が月1日程度は年休を活用することが普通であり、各種の制度も利用しやすい雰囲気が醸成されています。
 プラチナくるみん認定の取得に伴い、地域のテレビ放送や新聞に掲載されたこともあり、職場見学に来た学生からも、福利厚生が充実している、 職場の雰囲気が良い等の声を聞くことが増えました。さらに、プラチナくるみんマークを全従業員の名刺に入れたことで、従業員からも「このような認定を取得している企業に勤めていることは誇らしい」というようなポジティブな声が聞かれ、従業員のモチベーションアップにもつながっていると感じています。

今後の課題・展望
従業員が幸せを実感できる会社に

 当社は経営理念の中で、「経営の中心は人」を掲げており、その実現のため、これからも、従業員が幸せを実感できる会社にしていきたいと考えています。
 また、積立休暇制度については、まだ導入したばかりであるため、積立日数が上限を超えるケースはありませんが、 今後年数が経過するにつれ、上限に達する従業員も出てくると考えているため、時機を見て、その上限日数を検討していきたいと考えています。

制度利用者の声制度利用者の声画像

とても働きやすく、仕事と育児の両立がしやすい会社です

事業開発グループ 営業部 営業2課 第1係
望月 涼太さん

いろいろな経験ができたあっという間の7日間でした

 私は、2017年4月に、第3子の誕生に合わせて5日間の育児休業を取得しました。誕生した日から土日を含めて7日間、家族とともに過ごしました。妻の入院中は、朝ご飯を作り、上の子ども2人を保育園に送迎し、入院中の妻と赤ちゃんを見舞って必要なものを届け、市役所や病院等に必要書類を提出し、 6日目に妻と赤ちゃんの退院に付き添い、あっという間の7日間でした。
 妻の入院中に、日頃妻が担当してきた育児、家事全般を経験したことで、妻の大変さを改めて認識しました。また、保育園の先生や他の保護者とも話をすることができて、とても良い機会になりました。育児休業の制度については、 以前から社内報等で知っていたため、前もって上司に相談したところ、快く承諾していただけたため、安心して育児休業を取得することができました。まとまった休みを取ることができて、非常にありがたかったと感じています。
 積立年休制度については、まだ失効年休がないため使用していませんが、 年休を使って、子どもの遠足や発表会等に参加しています。年休を積極的に取得するように、上司が働きかけてくれるため、休暇取得もスムーズです。

家族との時間がしっかり確保できています

 私は2016年にこの会社に中途入社しましたが、特に、両立支援の取組が手厚く、休暇取得についても、上司や同僚が声をかけてくれるため、とても働きやすい会社であると感じています。3人の子どもはいずれもまだ小さく、体調を崩すこともよくありますが、年休が半日単位や時間単位で取得できるため、 妻と分担して半日ずつ子どものケアをすることが可能で、仕事と家庭の両立がしやすい会社だと感じています。子どもの入園式、卒園式等の大切なイベントにも参加できて、家族との時間もしっかり確保できています。

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