女性活躍・両立支援に積極的に取り組む企業の事例集

厚生労働省

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2019年度

日置電機株式会社 (製造業)

フレックスタイム制、就業時間の繰り上げ・繰り下げ等によりフルタイム勤務の処遇での就業継続をサポートしています

認定マーク

企業プロフィール ※2018年12月時点

設立
1952年
本社所在地
長野県上田市
事業内容
製造業(電気計測器の開発、生産、販売・サービス)
従業員数
892人(うち女性242人)
企業認定・表彰等
くるみん認定、プラチナくるみん認定、えるぼし(認定段階3)

取組内容

仕事と育児の両立支援仕事と介護の両立支援テレワークフレックスタイム制再雇用制度男性育児参画

特徴的な制度・取組など

  • 通算365日、分割取得の上限がない介護休業制度を導入。
  • フレックスタイム制、就業時間の繰り上げ・繰り下げと時間単位の年次有給休暇の組み合わせにより、柔軟な勤務を実現。

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インタビュー

  • 人事部
    人事サービス課長
    赤沼 徹也 さん(右)

    人事部
    人事サービス課 係長
    中澤 秀徳 さん(左)

取組のきっかけ・経緯
育児支援制度とあわせて拡充

 当社では、育児・介護休業法の制定に伴い、1992年に介護休業制度を整備しました。その後、仕事と育児の両立をする従業員が増えてきたことから、仕事と育児の両立支援に関する制度の拡充を進め、それに合わせて介護関連制度も拡充してきました。その後もしばらくは、介護関連制度の利用者はいませんでしたが、数年前に、家族の介護と仕事の両立をする従業員が出たことから、 介護関連制度について改めて見直しを行いました。当社の従業員の平均年齢が上昇してきたことや、定年を65歳まで延長し、最長70歳まで勤務可能としたことから、近年、仕事と介護の両立支援に関するニーズも増加しつつあり、従業員の声も踏まえながら制度のあり方について引き続き検討を進めています。

具体的な制度の内容
フレックスタイム制や就業時間の繰り上げ・繰り下げ等により柔軟な勤務が可能

 介護休業制度は通算365日まで利用可能で、分割取得の上限は設けていません。介護休業中の社会保険料は免除(会社が負担)としています。また、復活年休(失効した年次有給休暇を3年分、最大50日まで積立可能とし、事由を限定して利用できる制度)を家族の介護を目的として利用することも可能です。介護休業制度については、これまでに2名の利用がありました。介護休暇制度は法定通りで、 まだ利用者はいません。介護休暇制度は無給のため、年次有給休暇で対応している従業員が多いと考えています。
 介護のための所定労働時間の短縮等の措置として、①1日の所定労働時間を最大2時間まで短縮できる介護短時間勤務制度、②コアタイムを10時~15時、1週間の所定労働時間を38時間20分とし、清算期間を1か月単位とするフレックスタイム制、③始業時間・終業時間を最大2時間まで繰り上げ・繰り下げできる制度、④時間外労働の免除及び深夜業の制限を導入しており、いずれも、介護理由が消滅するまで、期間の定めなく利用可能です。介護短時間勤務制度の利用者はいませんが、就業時間の繰り上げ・繰り下げやフレックスタイム制の利用者はそれぞれ数名います。特にフレックスタイム制の利用者が多く、6名が利用しています。当社では、年次有給休暇を5日間まで、時間単位で取得可能としていますが、フレックスタイム制と時間単位の年次有給休暇を組み合わせて利用するケースもあります。また、当社には周辺地域に在住している従業員も多いことから、昼休みに一時帰宅して介護をしたり、昼休みに時間単位の年次有給休暇を組み合わせて用事を済ませる従業員もいます。

取組を進める上での工夫や配慮等
できる限りフルタイム勤務の継続を支援

 先が見えない介護においては、できる限り給与を維持しながら働き続けられることが望ましいと考えています。当社の介護休業制度や介護休暇制度は無給であり、介護短時間勤務も短時間とした部分は減額されますが、フレックスタイム制や就業時間の繰り上げ・繰り下げ及び時間単位の年次有給休暇を利用することによって、柔軟な働き方ができるように配慮しています。これらの制度を利用することにより、 給与を維持しながら、仕事と介護を両立させることができます。

取組による効果等
介護を理由とする退職者はゼロ

 これらの制度を導入して以来、介護を理由とした退職者はいません。また、制度利用者からは、特にフレックスタイム制や就業時間の繰り上げ・繰り下げの制度が期間の定めなく利用できることについて、「制度があってとても助かっている」、「ありがたく使わせてもらっている」、というような声が聞かれており、これらの制度の利便性は高いと考えています。 一方、コアタイムをなくして欲しい、介護について先が見えず、この先も働き続けられるか不安、というような声もあり、今後も制度のあり方等については検討していく必要があると考えています。
 また、仕事と育児・介護の両立支援の取組を進めた結果、2018年にくるみん認定を取得しました。これらの取組を見て、新卒採用において、女性からの応募も増加傾向にあります。また、男性の育児参画も進んでおり、男性の育児休業取得率も10%程度と増加傾向にあります。

今後の課題・展望
在宅勤務制度やカムバック制度の導入を検討

 介護や育児と仕事を両立している従業員から、在宅勤務を希望する声があるため、在宅勤務制度の導入について検討を進めています。また、介護や出産・育児等を理由とする離職者を再雇用するようなカムバックの制度についても、導入を検討しています。
 当社の人事制度や福利厚生については、イントラネットに情報を掲載していますが、ほとんどの従業員は自分が必要になるまで、 それらの情報に目を通すことがなく、情報の所在も知らない従業員もいると考えられます。このため、情報の周知について、今後施策を考えたいと思っています。毎月発行する社内報に、育児関連の情報や制度の改定等について掲載していますが、これらの媒体を有効活用して、情報の周知を一層図りたいと考えています。
 介護については、ケースバイケースであり、また先が見通せないこともあり、制度設計が難しいと感じています。今後も従業員からのニーズを踏まえ、制度のあり方について引き続き検討していきたいと思います。

(データの取材時点:2019年8月)

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