女性活躍・両立支援に積極的に取り組む企業の事例集

厚生労働省

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2019年度

佐々木化学薬品株式会社 (卸売業、小売業)

介護による離職をなくし、できる限り働き続けられるよう、柔軟性の高い制度を整備

認定マーク

企業プロフィール

設立
1958年
所在地
京都府京都市
事業内容
卸売業(化学薬品の開発・製造・販売等)
従業員数
85人(うち女性24人)
企業認定・表彰等
くるみん認定

取組内容

仕事と育児の両立支援仕事と介護の両立支援テレワーク

特徴的な制度・取組など

  • 介護休暇は有給とし、30分単位で取得可能。
  • 1日最大2時間、3年目以降は会社の承認を得て3か月単位で延長可能な介護短時間勤務制度を導入。
  • 自身のキャリア以外に、仕事と介護の両立や健康等、何でも相談可能なキャリアカウンセリング室を開設。
取組事例ダウンロード 

インタビュー

  • 経営管理部 責任者
    奥田 真至 さん(右)

    経営管理部 総務課
    三原 佳美 さん(左)

取組のきっかけ・経緯
社内検討会の中で両立支援制度のあり方を検討

 当社では、従業員が働き続けやすい職場環境づくりのため、育児と仕事の両立支援については比較的早い段階から取組を進めており、今から20年前には育児休業を取得して働き続ける女性従業員がいました。ワーク・ライフ・バランス推進のための職場環境整備については、従業員代表と総務担当者等で構成する「社内検討会」を設置し、月1回のペースで検討会を開催しており、その中で制度のあり方についても検討を重ねています。 育児短時間勤務制度は、導入当初は子が3歳までとしていましたが、その後小学校1年までとし、現在では小学校3年修了時までと少しずつ見直しを行ってきました。介護については、2014年に親族2名の介護を抱える従業員が、当時93日としていた介護休業日数を消化してしまうという事態が生じたことから、仕事と介護の両立支援制度についても検討を開始しました。その結果、介護休業については従業員に収入面での不安もあることから、できるだけ収入を得ながらあきらめずに働き続けて欲しいという思いで、介護離職をゼロにすることを目指して関連制度の見直しを進めてきました。

具体的な制度の内容
できるだけ働き続けられるよう柔軟な制度設計

 当社では、仕事と介護の両立支援について、できるだけ離職せずに働き続けて欲しいと考えて制度設計をしています。介護休業は法定通りですが、導入当初の介護短時間勤務制度は1日2時間を上限として短縮可能で、利用開始から3年を上限として2回以上の利用を可能としていました。その後2014年10月に制度改定し、3年の期間を過ぎても制度利用が必要な場合は、会社の承認を得る必要はありますが、 3か月単位で延長利用を可能とし利用期間の上限設定は撤廃しました。3年以上制度を利用した従業員はまだいませんが、万一の時のセーフティーネットになれば良いと考えています。また、介護休暇については、日数は法定通り5日ですが有給とし30分単位で利用可能です。以前は半日単位で利用可能でしたが、社内検討会で検討し、より使い勝手を良くするために30分単位としました。
 また、当社では2011年からキャリアカウンセリング室を開設、毎月1回外部のキャリアコンサルタントに依頼し、従業員のキャリア面談の機会を設けています。キャリアカウンセリング室では、従業員のキャリア以外に仕事と家庭の両立、職場の人間関係、健康のこと等も自由に相談できる環境を整えています。また、仕事と介護の両立や介護に係る公的支援等、多様な相談に乗ってもらうことができます。親族の介護については、職場に打ち明けられず一人で抱え込んでしまう人もいますが、キャリアカウンセリング室があることにより悩みを打ち明けることができてストレス軽減や介護に関する制度利用の気づきにも役立っていると感じています。

取組を進める上での工夫や配慮等
周囲の人に知られずに悩みを打ち明けられるように

 キャリアカウンセリング室の利用については、職場の人に知られずに相談をしたい従業員も利用しやすいように配慮しています。キャリア面談は、全従業員を対象に順番に回している枠と、本人の要望や上司や総務課の判断で枠を予約するものの2種類用意しており、従業員側からはどちらの枠で相談に行っているのかわからないのが特徴です。どのようなことでも相談があれば、働き方や制度の利用について柔軟に検討することもできるため、まずは相談しやすい窓口、相談しやすい環境づくりを心掛けています。 

取組による効果等
従業員が安心して働き続けられる環境を整備

 介護については、状況も介護の方法もケースバイケースですが、柔軟な働き方ができるようになったことで継続就業できていると考えています。実際に介護を抱える従業員が仕事と両立しながら働き続けられるようになってきたことが大きな成果だと感じています。働き続けることができても、一人で悩みを抱え込んでストレスをためてしまう従業員が以前はいたと思います。キャリアカウンセリング室の開設により、 悩みの相談やアドバイスを受けられるようになったことで従業員が安心して働き続けられる環境づくりの1つの手段になっていると考えています。
 採用に関して、当社の両立支援の取組に多くの学生が興味を持っていただき、インターンシップの応募者が増加しました。また、取材を受ける機会も増えています。

今後の課題・展望
育児や介護による退職をできる限り防ぐため、施策を検討

 今後、仕事と家庭の両立をしている従業員がより働きやすい職場環境とするため、育児・介護を行う従業員を対象に、テレワークの導入や、失効してしまう年次有給休暇を積み立てて育児や介護など特定の目的のために利用できる制度(積み立て有給休暇)の導入に向け課題をクリアできるよう検討していきます。
 仕事と介護の両立支援については今後、より相談しやすい窓口づくりを進めます。現在仕事と育児の両立支援についてまとめた「育児ハンドブック」はあります。今後は介護版も作成し、定期的に研修を実施することで、誰もが仕事と介護の両立について理解している状態にしていきたいと考えています。従業員が育児や介護等を理由に退職してしまうことをできる限り防ぐため、今後も前向きに対応していきます。

制度利用者の声制度利用者の声画像

職場と上司のサポートにより仕事と介護を両立しています

CS部 京都営業課
片山 寛之さん

まさか自分が、という気持ちで戸惑いました

 私は1997年に当社に入社して以来、倉庫の荷物管理やトラックによる配送等、物流業務全般を担当しています。
 私には障害のある兄がおり、これまでは実家で母が兄の介護をしてきましたが、ある時母が突然入院することとなり、私が兄の介護を行うことになりました。今後のことを考えて、施設への入所を希望しましたが、すぐに空きは見つからないため、当初はデイサービスを利用し朝晩の対応を私が行いました。また、施設に空きがある時にはショートステイを利用しましたが、 空きがない場合や送迎が必要なところは、介護休暇を取得して対応しました。
 それまでは、介護は自分にはあまり関係がないことだと思っていましたが、ある日突然このような事態となり、当時はまさか自分が…という気持ちでいっぱいでした。また、最初は何も知らず、どうすればよいのか全くわからない状態でした。まずは上司に相談したところ、介護休暇制度があり30分単位で利用可能であること、制度を最大限活用して両立して欲しい、ということを伝えてくれました。また、総務課に相談するようにとのアドバイスもいただきました。
 できるだけ仕事に穴はあけたくないと考え、30分単位の介護休暇を工夫して利用しました。また、仕事と介護を両立させるためできる限り周囲にも状況を説明して理解してもらうとともに、頼れるところには頼って何とか乗り切っています。

周囲で困っている人がいたら積極的に協力したい

 使える制度を使わせてもらうことで仕事と介護の両立をしており、環境を整備してくれた会社や理解のある上司、職場に感謝しています。自分の体験から、介護はいつ誰の身にも降りかかる可能性があることが分かったため、今後周囲で困っている人がいたらできる限り協力し、積極的に情報も伝えていきたいと思っています。

(データの取材時点:2019年7月)

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