女性活躍・両立支援に積極的に取り組む企業の事例集

厚生労働省

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2019年度

株式会社リビングイワイ (電気・ガス・熱供給・水道業)

男性中心の営業部門に積極的に女性を登用
お客様に寄り添うことで社会的価値の高い会社を目指しています

認定マーク

企業プロフィール

設立
1992年
本社所在地
奈良県奈良市
事業内容
電気・ガス・熱供給・水道業(大阪ガス(株)委託業務(開栓・閉栓・機器修理等)、ガス機器販売・施工、リフォーム等)
従業員数
35人(うち女性14人)
企業認定・表彰等

取組内容

仕事と育児の両立支援女性活躍推進女性採用拡大女性職域拡大

特徴的な制度・取組など

  • 昼休みを含め3時間まで中抜けできる中抜け休憩制度や子どもを連れた出勤を可能にすることで仕事と家庭の両立を支援。
  • 男性中心の営業部門に女性を積極的に配置することで女性従業員の業務の幅を拡大。

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インタビュー

  • 代表取締役社長
    岩井 麻利子 さん(右)

    店頭受付事務
    北添 頼里子 さん(左)

取組のきっかけ・経緯
男性中心の職場から、女性が活躍できる職場にしたい

 当社は、大阪ガスのサービスショップとして、ガス機器販売・修理・施工、キッチンのリフォーム等を行っています。いわゆる男性社会であった業界で、当社も以前は従業員のほぼ全員が男性でした。他社の女性社長から、女性の能力の高さや採用の効果について話を聞く機会が多く、当社でも女性を積極的に採用し、活躍の場を広げていきたいと考えていました。また、私自身、3人の子育てをしながら仕事を続けてきた経験から、 誰もが働き続けやすい職場環境づくりも進めたいと考えていました。このため、4年前に私が経営に加わるようになったことをきっかけに、それまで男性のみだった営業部門において女性の採用を積極的に進めるとともに、働きやすい職場づくりに取り組みました。
 以前は、営業や設備関連は男性、事務は女性、となっていましたが、コンロや給湯器などの点検は必要な研修を受ければ男女の別なく可能な業務ですし、業務上、お客様のキッチンなどに入ることから、女性の方が安心できるし話しやすい、というお客様もいらっしゃいます。実際、女性の営業担当がご訪問すると、驚かれることもありますが、同じ目線で話が聞けて良かった、話がしやすい、というように喜んでいただくケースも多くあります。
 2018年に当社の女性従業員が「S-1グランプリ」(大阪ガスのサービスショップが参加する営業担当者の提案力を競う大会)に女性として初めて参加した際には、周囲から大きな反響がありました。彼女が決勝まで進んだこともあり、他のサービスショップからも女性の採用や育成について照会を受ける機会が増え、同業他社の女性活躍推進のきっかけにもなったのではないかと思っています。

具体的な制度の内容
継続就業を可能とするため柔軟な運用により仕事と育児・介護の両立を支援

 以前、女性の離職理由の多くが子育てによるものであったため、まずは働き続けやすい職場環境整備に取り組みました。子どもの学校行事や通院、子どもとの食事等のちょっとした用事を済ませるため、休憩時間を、昼休みを含めて最大3時間まで延長できる中抜け休憩制度を導入しています。また、子どもの夏休みや冬休み等の期間に、子どもを同伴しての出勤も認めています。子どもが学校から事務所に立ち寄り、終業時刻まで事務所内で待っていたり、日曜日に子どもを事務所に連れてきて、 営業先に出向くこともあります。このような取組は従業員のご家族にも大変好評です。働き続けることが大切であると考えているため、育児や介護等の理由で遅刻や早退をせざるを得ない場合にも、柔軟に対応し、勤務時間帯をずらすなど、運用でカバーしています。
 また、女性にさまざまな分野で活躍して欲しいと考え、職域拡大に取り組んでいます。営業職において女性の採用を積極的に進めたほか、事務職として採用した女性が前職での経験から話し合いをして、営業職に就いたケースもあります。現在は4名の営業職の女性が活躍しており、最近では、新卒で営業を希望する女性も増えています。

取組の成果・取組を進めたことによる効果等
職場の雰囲気が変わり従業員の満足度が向上。女性の新卒応募者も増加

 女性の採用を増やし営業職に女性を配置したことに対して、周囲の男性従業員はとても協力的です。高所での作業や重い機器の運搬等の際に積極的にサポートしてくれています。 職場環境の変化について、従業員の満足度は向上していますし、取引先からも社内の雰囲気が良くなった、と評価いただいています。
 採用面では、女性の応募者が増えており、2019年度は営業職の新卒応募者数は男性よりも女性の方が多くなりました。男性の応募者の中で、志望理由に当社の女性活躍推進の取組を挙げている方がおり、女性が働きやすい環境は、男性にとっても魅力的なのだと改めて認識する機会となりました。

取組を進めるにあたっての工夫・苦労
柔軟な配置転換により業務の幅が広がる

 当社初の営業職の女性は、リフォーム部門での採用でした。その後、本人の希望や、経歴、適性などを考慮し、営業部門へ配置転換し、業務経験を積んだ後、現在はまたリフォーム部門を担当しています。複数の業務を経験することにより、今までとは違う視点で業務を遂行できるようになり、本人の能力発揮にも役立っていると思います。事務職の女性がガス機器取り扱いの研修を受講するようにして、営業の知識を習得してもらっています。さまざまな職種を担当することで、新しい発想や業務の効率化につながると考えています。

今後の課題・展望
地域、社会に貢献できる会社にしたい

 当社はかつて残業体質でしたが、私が社長に就任してからは、できるだけ早く帰るように業務の見直しや効率化を進めています。以前より早く帰る習慣が定着してきましたが、もっと残業を減らしていきたいと考えています。  これまでは営業部門に女性を増やす取組を進めてきましたが、今後は施工部門にも女性を増やしていきたいと考えています。また、事務部門には男性を登用したいと考えています。全ての部署に男女を配置することで従業員同士が助け合い、高め合いながら、お客様のご要望に対し、より柔軟できめ細やかな対応ができるようになると良いと考えています。
 当社は、地域密着型の企業であり、現在、パートタイムの女性が中心となってフリーペーパー「わいわい通信」を隔月で発行するとともに、地域の住民の方を対象に、サロンや手芸教室を企画・開催しています。今後も、地域のお客様にも従業員にも幸せになっていただける、社会的価値のある会社を目指して取組を進めていきます。

女性従業員の声制度利用者の声画像

別部門での業務経験により、ご提案の幅が広がりました

お客様担当
インテリアコーディネーター
田中 里佳さん

リフォーム部門での採用後、営業部門へ異動営業のロールプレイング大会にも挑戦

 私は、前職で住宅・建築業界で働いた経験があり、2015年に当社のリフォーム部門に応募し、採用されました。その後、営業部門に配属されることになり、当初は不安もありましたが、 社長の後押しもあったため頑張ってみようと思いました。周囲の方々の協力も得ながら3年間、ガス機器の点検業務や営業に従事し、現在はまたリフォーム部門の所属に戻りましたが、このときの知識や経験は現在のリフォームの業務にも役立っています。ガス機器の知識があることで、業務の幅が広がり、お客様にもより良いご提案ができるようになりました。
 2018年に、大阪ガスの「S-1グランプリ」に参加しましたが、女性の参加者は私1人しかいなかったため周囲から注目されるようになり、他のサービスショップからも大きな反響がありました。

いつかは長期の休暇を取得できるよう働き方を考えたい

 現在は、リフォームチームのリーダーとして、担当業務についての知識や経験をより深めていきたいと思っています。また、営業部門のメンバーと連携を取りながら、より効率的に業務を進めていきたい と考えています。以前、ガスの警報器の取替えで私が困っているときには営業部門の担当者が駆けつけてくれました。逆に、営業部門の担当からリフォームの業務を紹介されることもあります。従業員がお互いに助け合いながら、お客様へのより良いサービスの提供を心掛けています。
 また、業務だけでなく、自分の夢の実現などプライベートも充実させていきたいと考えており、いつかは3か月くらいかけて世界を旅行したいと思っています。そのためには、長期休暇を取得しても周囲のメンバーに負担がかからないよう、働き方について考えていくことが大切だと思っています。

(データの取材時点:2019年7月)

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