女性活躍・両立支援に積極的に取り組む企業の事例集

厚生労働省

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2019年度

株式会社丸久 (卸売業、小売業)

女性の活躍に向けて意識改革と制度の両面から取組を進めています

認定マーク

企業プロフィール

設立
2015(創立1954)年
本社所在地
山口県防府市
事業内容
卸売業、小売業(スーパーマーケット)
従業員数
731人(うち女性177人)
企業認定・表彰等
えるぼし(認定段階3)

取組内容

仕事と育児の両立支援女性活躍推進女性採用拡大女性職域拡大女性管理職登用

特徴的な制度・取組など

  • 女性活躍に関する社長のメッセージやワーク・ライフ・バランスに関する制度を直接伝えるため、すべての女性従業員を対象に女性活躍推進大会を開催。
  • 管理職である店長へのステップとして、女性限定で副店長公募制度を実施。
  • 初の女性店長をロールモデルとして積極的に内外に情報発信。

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インタビュー

  • 常務取締役
    人事能力開発部長 兼
    女性活躍推進担当
    國分 辰男 さん

取組のきっかけ・経緯
トップダウンによる女性活躍推進

 当社は、山口県を中心に店舗展開している食品スーパーマーケット事業を主体とする企業です。その事業内容からパートタイムで就業する女性が多い一方、2010年代半ばまで正社員の女性比率は20%であり、管理職もほとんどいませんでした。このため、 社会全体の潮流や、女性従業員が多いにもかかわらず活躍が進んでいない状況を鑑みて、2014年3月の会社の年度方針において女性活躍推進に取り組むことを掲げ、トップダウンで取組を進めることにしました。方針の発表後、人事部に女性活躍推進担当を配置し、その担当者を中心に、女性従業員、店長クラスの管理職、労働組合の組合員等によって構成される人事制度委員会を設置し、女性の活躍を推進するための方策等を検討しました。
 委員会ではまず、女性従業員の意識を把握するため、2014年6月に全女性従業員を対象にアンケート調査を実施しました。アンケートの回収率は76%と高く、また、昇格意識に関する設問では、66%が昇格を希望しており、管理職を希望する人も25%いることが明らかになりました。一方、管理職になるためには、店舗配属の場合、店長を目指す必要がありますが、当時、女性の店長は1名しかいませんでした。このため、女性にも店長を目指してもらうための施策を検討しました。また、女性の活躍推進のためには、ポジティブアクションと両立支援の両面でのサポートが求められることを改めて認識し、両面から取組を進めることとしました。

具体的な制度の内容
女性活躍推進大会やキャリア支援セミナーにより女性従業員の意識を変革

 女性活躍推進の取組を社内に周知するため、2014年11月に女性従業員を対象として、第1回女性活躍推進大会を山口県内4会場で開催し、100名超の女性従業員(対象者の8割以上)が参加しました。冒頭に、会社の方針説明として、社長が自ら女性活躍推進への思いを伝えました。次いで、ワーク・ライフ・バランスに関する会社の福利厚生制度について十分に認知されていないものもあるため、説明を行いました。第2回女性活躍推進大会は2016年6月に山口県内3会場で4回実施し、 141名の女性従業員の参加がありました。この大会でも社長が自ら方針説明を行ったほか、女性店長による事例発表、人事制度の説明などを行いました。大会で実施したアンケートからは、キャリア教育への要望や保育施設設置の要望などが寄せられ、今後の検討課題となっています。
 当社では以前からの傾向として、女性は接客部門、男性は販売部門に多く、男性と女性の配属に偏りがありました。販売部門は商品の仕入れ等、出納管理も行うため、店舗全体の収支管理を行う副店長や店長への昇格もスムーズな傾向がある一方、レジでの接客を中心とする業務では、そのような経験がないため、管理職である店長になることへの心理的なハードルも大きい傾向にありました。このため、主として接客を担当する女性を管理職に登用するためには、まずは副店長として経験を積んでもらうことが望ましいと考え、2015年に女性限定で副店長公募制度を導入しました。公募の結果3名の応募があり、現在は2名が店長、1名が副店長として活躍しています。
 女性のキャリア形成支援のため、2016年11月に外部講師を招聘し、女性のためのキャリア支援セミナーを開催しました。対象者は管理職一歩手前の職位にあり、昇級志向のある女性とし、公募と指名により22名が参加しました。グループワークにおいて、女性がキャリアアップするために必要なことをディスカッションしてもらったところ、制度へのニーズは少ない一方で、上司の理解や職場環境、モチベーションを挙げる声が多かったことから、必要な制度は整備されていると考えていますが、上司の理解や社内環境の醸成は今後の課題として認識しています。また、継続就業に関して女性従業員にヒアリングを行ったところ、育児短時間勤務を長く続けることは仕事へのモチベーションを維持できなくなるため望ましくない一方で、小1の壁が大きい、という声も多く聞かれました。このため、職群転換制度を導入し、子どもが小学校3年生が終了する年の4月まで、又は転換時点から10年以内に社員に復帰することを前提として、本人が希望すればいつでもパートタイム勤務又は契約社員に転換可能とし、また、希望すればいつでも正社員に戻れるようにしました。

取組の成果・取組を進めたことによる効果等
女性管理職比率の向上、職域拡大等によりえるぼし認定 3 段階目を取得

 ポジティブアクションの取組により、現在は店長が5名、本部の管理職が6名で計11名の管理職が活躍しており、女性管理職比率は2016年には3%でしたが、現在は8%まで増加しています。 また、女性の正社員比率についても、新卒採用の女性比率を毎年40%以上とするとともに、パートタイム社員から契約社員、正社員への契約転換を進めており、年によって若干異なりますが、毎年およそ15名程度が契約社員に、20名程度が正社員に昇格しています。職域拡大については、女性の販売部門への配属を30%以上とする目標を掲げていますが、最近は新卒採用者を中心に販売部門を希望する女性が増加しており、目標はほぼ達成しています。これらの取組の結果、2018年7月にえるぼし認定3段階目を取得することができました。

取組を進めるにあたっての工夫・苦労
初の女性店長をロールモデルとして積極的に情報発信

 スーパーマーケットにおいて店長にとって最も大変なことは、店舗の営業時間が長いため、全てを自分でやろうと思うと、労働時間が長時間となってしまう傾向があることです。このため、周囲にもフォローしてもらいながら、任せるところは部下に任せる等の割り切りも必要です。女性にも店長を目指してもらうためには、 女性の店長がどのように仕事と家庭を両立しているのかを具体的に示す必要があるのではないかと考え、当社で最初に店長となった女性にロールモデルとして、積極的に内外に情報発信をしてもらいました。また、第2回女性活躍推進大会では、3人の女性店長に事例発表をしてもらいました。ロールモデルを示すことにより、不安を払しょくし、店長を目指そうという気持ちを高めることができたと考えています。

今後の課題・展望
ワーク・ライフ・バランスへのさらなる理解促進

 育児休業明けや小さい子どもを抱えて就業している女性従業員に活躍してもらうためには、周囲の理解とサポートが不可欠です。これからは、働き続ける女性がさらに活躍できる職場、管理職を目指せる環境を作ることが課題となってきています。そのためには、 ワーク・ライフ・バランスについて、上司の理解、周囲の理解を一層深めていく必要があると考えています。
 また、店舗営業という業種柄や、労働力不足という問題もあり、連続休暇の取得や年次有給休暇取得率の向上も課題となっています。仕事から離れ、心身ともにリフレッシュすることがまた仕事への活力にもなるため、今後、連続休暇を取得しやすい環境づくりを推進していきます。

女性従業員の声制度利用者の声画像

女性の活躍推進のための仕事が
自らのキャリアを考えるきっかけに

経営企画室 広報担当
淺原 朋子さん

女性従業員の働き方のために

 私は、2006年に新卒で入社後、店舗のチェッカー部門に配属され、1年間、レジでの接客を担当しました。その後、2007年5月に人事総務部へ異動となり、主に新卒採用等の業務を担当しました。人事総務部に在籍中の2014年に女性活躍推進の取組が始まり、 当時の上司の下、人事制度委員会を立ち上げ、当社の女性の働き方を考えるという仕事を任されることとなりました。当社の女性従業員の働き方や意識について把握するため、アンケート調査を企画して実施したところ、多くの意見が寄せられ、その後の施策立案にとても役立ちましたし、私自身も学ぶところが多くありました。その後も副店長の公募制度や職群転換制度の企画・導入等に携わりました。それらの業務を通じて、私も管理職になってみたい、と思えるようになりました。

ワーク・ライフ・バランスのとれた管理職を目指して

 2015年6月に経営企画室に異動して広報を担当し、主にマスコミ対応の業務を行っています。新設の部門のため、一から勉強して業務に取り組んでいます。
 今後、ワーク・ライフ・バランスの取れた管理職を目指したいと思いますし、 今の管理職のワーク・ライフ・バランスも推進したいと考えています。そのために、日々の業務の進め方について、改善に取り組んでいます。仕事の量は多いため、ITの力を借りてできるだけ業務効率を高めるようにしています。当社は1分単位で残業管理をしていますが、1分を意識して、働く時間の密度を高め、仕事をしっかりやって、定時に帰るように努めています。定時退社ができる管理職がいれば、女性の管理職も増えてくると思います。ワーク・ライフ・バランスを上手くとりながら、そのような管理職となることを目指して能力を鍛え、より裁量の大きな仕事に関わっていきたいと思っています。

(データの取材時点:2019年9月)

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