女性活躍・両立支援に積極的に取り組む企業の事例集

厚生労働省

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2019年度

クリロン化成株式会社 (製造業)

男女を問わず人材育成を経営の根幹と考えています

認定マーク

企業プロフィール

設立
1960年
所在地
大阪府大阪市
事業内容
製造業(共押出し多層フィルムの製造・販売)
従業員数
253人(うち女性106人)
企業認定・表彰等

取組内容

仕事と育児の両立支援女性活躍推進女性職域拡大女性管理職登用

特徴的な制度・取組など

  • 個人の具体的な事案への対応を進める中で、早期復職支援や時間単位有給休暇制度等、多くの両立支援制度を早くから制度化。
  • パート社員の個人の社会保険料を会社が負担し、意欲あるパート社員による会社への貢献を後押し。
  • 性別・年齢を問わず、本人の希望と上長の推薦を受けて、会社が昇格チャレンジャーに認定し、自ら設定した目標をもとに昇格を審査するチャレンジ昇格制度を1993年から導入。
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インタビュー

  • 人材部 主任
    福田 真美子 さん

取組のきっかけ・経緯
きっかけは個人の事案でも、ひとたび制度化されれば制度として公平に運用

 当社の最初の育児休業取得者は1992年。当時の女性従業員の出産に合わせて、20年以上前から、自然な流れとして、女性の活躍と仕事と育児の両立支援に取り組んできました。社員一人が会社全体に与える影響が大きい中小企業において、一人ひとりの社員の能力向上を図り、キャリアを積んで会社に長く定着、 貢献してもらうことは、重要な経営課題の1つです。当社では、男女を問わない人材育成が経営の根幹であり、育児と仕事の両立は女性だけの問題ではなく、会社や社会そのものの問題だと考えています。そこで社員がさまざまな事情を抱えていても、能力を発揮・活躍できる制度を創り出してきました。
 当社の制度は、制度ありきで導入されたものではなく、社員個人に生じた具体的な問題を上長に相談する中で、社員のニーズ、当人の能力、貢献の実績、将来の貢献の可能性などを考え合わせて対応を進め、それを制度として確立してきたものです。きっかけは個人の具体的な事案への対処であっても、制度化が望ましい内容であれば公平に運用できる制度としてきました。

具体的な制度の内容
育休を職務見直しの機会と捉えて職務再編、さまざまな制度で早期職場復帰を支援

 当社では、2000年の技術職従業員の育児休業取得をきっかけに、従業員の休業を職務を見直す機会と捉えて、産前産後休業前に、職務再編を行っています。具体的には、当該従業員が担当している職務を棚卸しした「職務分析表」を作成し、職務内容の難易度やその職務への投入時間を整理します。この職務分析表をベースに、部門内部での職務の再編を検討するとともに、洗い出された職務のうち、営業や管理部門など、他の部門が担当できる職務を見える化します。こうした分析をもとに、会社全体での職務再編を行ったうえで、 派遣社員の補充採用などの実施を検討します。育児休業を取得する社員は、全員が職務分析表を作成しており、所属部門だけでなく、会社全体で業務を改善できる機会として活用しています。
 子どもが1歳になる前に、できるだけ早期に職場復帰したいと希望していた社員の事例では、復帰すると保育料がかかる上に短時間勤務にならざるを得ない一方、早期復帰により、国からの公的補助である育児休業給付金を受け取れなくなるため、復帰への経済負担が大きいと相談を受けました。会社としては、欠員を補充するため派遣社員を採用することを考えれば、業務に精通する従業員に早期に職場復帰してもらった方が良いのです。そこで、子どもが1歳になるまでに従業員が職場復帰した場合、基礎給の50%(育児休業を取得していた場合、育児休業給付金として支給される相当額)を毎月の給与に上乗せして支給することで早期復帰における金銭的負担をなくしました。
 その他、2004年には、従業員からの声をもとに、子どもの急な病気等で遅刻・早退する場合、1日の有給休暇取得で対応せずに時間給での給与カットをできるようにし、その後2012年には、全従業員を対象とした、「時間単位年次有給休暇制度」として制度化しています。会社側と本人で両者がwin-winの関係で働くことができれば貢献度も上がると考えています。

取組の成果・取組を進めたことによる効果等
出産・育児を理由とする離職なし、多くの女性技術職が活躍しています

 当社では、近年、出産・育児を理由とする離職はなく、勤続年数は延びています。現在、女性従業員の育児休業取得率は100%で、過去3年間、育児休業からの復職後の離職はありません。また、現在、21名の技術職社員(正社員、契約社員、パート社員)が従事していますが、そのうち女性が14名となっており、多くの女性が技術職として活躍しています。会社の近くに住んでいて、パート社員を経て契約社員となり、10年以上のキャリアを積んでいる女性従業員もいます。
 パート社員として働いている場合、年収が130万円を超えると、社会保険料を支払う必要がありますが、社会保険料は収入の1割程度となるため、これが壁となって働く時間を増やさない人もいます。当社としては、経験と知識を持っているパート社員が働けない時間分、新たな人を補充するよりも、その方に働いていただき、成長してもらうことが大切だと考えています。パート社員の能力を活かし、もっと働きたいという意欲のあるパート社員について、社会保険料分を時給に上乗せして支払うことで、会社への貢献を後押しする支援制度「130万円の壁補助制度」を導入しています。こうした取組が、結果として女性従業員の活躍にもつながっています。

取組を進めるにあたっての工夫・苦労
チャレンジ昇格制度や社内資格制度を通じて人材マネジメント

 昇格制度として、当社では、当人の希望と上長の推薦を受けて、会社が当人を昇格チャレンジャーに認定し、チャレンジ目標を定め、その目標達成状況を評価して、昇格を審査する「チャレンジ昇格制度」を導入しています。1993年から、現在の課長級以下の職責者、男性38名、女性18名は、全てこのチャレンジ昇格制度による昇格者です。 また、資格給を給与に上乗せする社内資格制度(生産技能、情報技能、応対技能等の技能別、初級~上級のレベル別に資格給を規定)を設けていますが、チャレンジ昇格制度において、指定した資格の中級以上の取得を合格要件にするなど、制度をリンクさせて、従業員個人の能力向上を図っています。このような性別を問わない人材マネジメントの取組を通じて、一人ひとりが成長し、能力に見合った手当が支給され、誰もがいきいきと働ける企業風土、環境づくりに努めています。

今後の課題・展望
女性の活躍だけが独り歩きせず、本当に必要な取組を進めていきたい

 女性が長く働き続けるためには、女性の活躍推進ばかりでは実現できないと考えています。会社として、社会として、男性の働き方改革にも取り組んで欲しいと思っています。その意味で、女性の活躍だけが独り歩きせず、本当に必要な制度作りや取組を進めていきたいと考えています。今ある制度の活用を引き続き進め、実務に即した資格制度の設計や役に立つ研修の企画、更に若手の昇格制度への積極的チャレンジを促していきたいです。

女性従業員の声制度利用者の声画像

自分の要望が時間単位年次有給休暇制度導入のきっかけになりました

経営管理部 納期管理課
高杉 みずえさん

短時間勤務の後、変則時間勤務を活用し、今年からフルタイム勤務に

 私は2010年1月に入社し、2人目の出産のときに、当社で1年間育児休業を取得し復帰しました。これまで時間単位の年次有給休暇と短時間勤務制度を活用し、子どもが小学校に入学した今年から、フルタイム勤務をしています。
 入社した当初、1人目の子どもがまだ小さく、何度も保育所から呼び出しがありましたが、入社当初で有給休暇の日数も限られており、また当時は半日単位でしか有給休暇が取れませんでした。 総務部に時間単位での減給を相談し、個別事案として認めていただいたのですが、ちょうど2010年の労働基準法改正により、時間単位での有給休暇の仕組みが導入できることが分かり、自分の声がきっかけとなって、2012年に全社での時間単位年次有給休暇制度の導入につながりました。
 2人目の出産後は短時間勤務制度も活用させていただき、1時間半の短縮から1時間の短縮へと徐々に勤務時間を延ばしていき、今年からフルタイム勤務に移行しています。本来の勤務時間は8:45~17:30ですが、8:15~17:00と勤務時間を30分繰り上げる変則時間勤務を認めていただき、フルタイム勤務を実現することができました。

生産性や効率性を意識し、時間短縮を心がけています

 日々の業務の中では、生産性向上や効率性を重視し、フォームを変更したり、不要なものをなくしたりするなど、時間の短縮を心がけています。短時間勤務には負い目も感じていましたが、結果で返したいという気持ちで仕事に取り組んでいました。同じ職場に子育て中の女性もおり、お互いに相手のことを考えながら仕事ができる、恵まれた環境に感謝しています。現在は、開発営業部も兼務し、当社製品の米国での新たな販売展開を担当し、英語や米国市場について学んでいます。チャレンジ昇格制度にもゆくゆくは挑戦したいと考えています。

(データの取材時点:2019年6月)

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