女性活躍・両立支援に積極的に取り組む企業の事例集

厚生労働省

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2018年度

鹿児島製茶株式会社 (製造業)

誰もが長く働き続けることができるよう、多様な人材が働きやすい職場環境づくりを進めています

認定マーク

企業プロフィール

設立
1947年
本社所在地
鹿児島県鹿児島市
事業内容
製造・卸小売業(お茶の製造・販売)
従業員数
117人(うち女性61人)
企業認定・表彰等
くるみん認定、プラチナくるみん認定

取組内容

仕事と育児の両立支援男性育児参画短時間正社員制度

特徴的な制度・取組など

  • 短時間正社員制度により、繁閑期を問わず勤務時間を固定して勤務。
  • 時間単位で取得可能な看護休暇制度(有給)により、子どもの急な体調不良等にも柔軟に対応可能。
  • 閑散期に毎週木曜日のノー残業デーやメモリアル休暇、リフレッシュ休暇等を導入し、働きやすい職場環境を整備。

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インタビュー

  • 取締役 事務本部長
    岩松 聡さん

取組のきっかけ・経緯
女性従業員の離職防止の取組がきっかけ

 以前、当社では女性従業員は結婚または妊娠を機に退職するのが通例でした。一定年数勤務してキャリアを積んだ女性従業員が離職してしまうことは大きな問題と考え、2011年から、女性従業員が妊娠・出産しても働き続けられる環境の整備に着手しました。 当社では、お茶の収穫等の時期に合わせて業務を行う必要があり、繁閑の差が非常に大きいため、1年単位の変形労働時間制を導入していますが、育児中の従業員は、保育園等の時間から、業務の繁閑にかかわらず、勤務時間を固定する必要がある方もいることから、法定の育児短時間勤務制度に加え、短時間正社員制度を導入しました。
 また、国の施策等を見ていると、女性も活躍できる環境整備や、長時間労働を是正する動きがあったことから、それらの動向を踏まえて法律で規定されるより前に、早め早めに取り組んでいこうと考え、労働局等から情報提供いただく先進企業の取組等も参考にしながら、当社に必要な施策を検討して導入していきました。これらの取組の結果、2012年に初めてくるみん認定を取得することができました。また、プラチナくるみんについても、鹿児島労働局からアドバイスを受けながら取組を進めた結果、鹿児島県内で第1号として、2016年に認定を受けました。
 近年は、「鹿児島県女性活躍推進会議」の女性ワーキンググループに参加し、そこで収集した情報の中から、当社に必要であると考えた施策を積極的に導入し、女性活躍推進の取組も進めています。

具体的な制度の内容
子育て中の社員が幅広く利用できる短時間勤務制度を整備

 育児中の従業員の就業継続を支援するため、法定の育児短時間勤務制度に加え、短時間正社員制度を導入しています。短時間正社員の勤務時間は、6時間や7時間等、本人の希望で決めています。育児短時間勤務制度は子が就学前まで利用可能ですが、短時間正社員制度は期間を定めていないため、子どもが小学生になっても、利用することが可能です。 当社では、グループ会社を含め、これまでに5名が利用しています。
 子の看護休暇は取得対象や日数は法定通りですが、有給とし、かつ、時間単位で取得可能としており、子どもの通院や急な呼び出し等にも利用しやすい制度となっています。年次有給休暇も時間単位で取得可能としており、子どもの学校行事等にも利用しやすくなっています。
 また、従業員が働きやすい環境を整備するため、当社の始業・終業時間や営業日となる土日祝日にあわせた保育時間の設定があり、延長保育で夕食提供のある保育園と契約したり、福利厚生として提携の保養所を設定したりしています。閑散期の毎週木曜日をノー残業デーとしているほか、年次有給休暇をより取得しやすくするため、半期に1回のメモリアル休暇(年休から拠出)、年に1回のリフレッシュ休暇(定休2日に加え、3日間を休暇とすることで連続休暇とするもの。3日間は年休の中から拠出)を設定しています。
 さらに、社長がトップダウンで進めている姿勢を示すため、2017年10月に「鹿児島市イクボス推進同盟」に加盟し、イクボス宣言を行い、翌11月には社長自らが5日間の育児休業を取得しました。2012年には、初めて男性従業員の育児休業取得者が出ており、社内の意識も変わりつつあります。その後も男性従業員への育児参画を促すため、子供が生まれた従業員には総務から直接育児休業取得を働きかけています。

制度導入による効果等
外国籍の社員も入社。人材の多様化により、業績も向上

 くるみん認定、プラチナくるみん認定の取得等により、新聞、テレビ、雑誌等、多方面で取り上げていただく機会が増えました。これらの結果、昨年度当社を志望した学生のうち半数は、当社を志望した理由として、女性も出産後も働き続けられることや、働きやすさを挙げていました。 多くの学生が当社を志望してくれたため、優秀な人材を集めることができています。昨年度は日本の大学に留学していたスウェーデン人学生も当社の社員となりました。近年、お茶のマーケットも国内から海外に広がりつつあるため、多様な人材が活躍することの重要性が高まっていると感じています。商品の企画・開発に女性が関わることにより、今までにない発想の商品が誕生し、人気商品となっているものもあります。人材の多様化により、企業の業績にもつながっていると考えています。
 また、くるみん、プラチナくるみん認定を取得したことで、労働環境に関して、管理職をはじめとして、社内の意識も非常に高まりました。

今後の課題・展望
社員への制度周知が重要

 今まで、関連制度の導入、拡充に努めてきましたが、制度は導入するだけでは不十分であり、運用も重要であると考えています。導入時には、社内報に掲載したり、研修を行ったりして周知広報を行いましたが、社内にしっかりと定着させるため、今後も定期的に発信することも必要であると感じています。

制度利用者の声制度利用者の声画像

短時間正社員制度を利用し、仕事と育児を両立しています

総務部 課内代理
小濵 愛里さん(右)

営業戦略部 課内代理(グラフィックデザイナー)
福元 美鈴さん(左)

より働きやすい職場作りを進めていきたい(小濵さん)

 私は2011年9月にパートタイム社員として入社しました。当時、第3子が誕生して半年後でしたが、上の子どもが保育園を継続利用するためには、生後半年以内に就労する必要があったことから、自宅からも保育園からも近い当社を選びました。 それまでの職場では、産前産後休業や育児休業を取得することが難しかったため、妊娠した都度、離職し、子が誕生してから、仕事を探すことを繰り返していました。
 当初は6時間勤務でしたが、短時間正社員制度が導入され、会社から声をかけていただいたことから、正社員登用試験を受け、7時間勤務の短時間正社員になりました。その後、2015年に第4子を妊娠・出産しましたが、産前産後休業、育児休業が取得できたため、子どもを出産しても次の仕事のことを考える不安がなく、本当によかったと思っています。
 また、パートタイム社員だった時には、子どもの体調不良や学校行事等で休むとその分、お給料も減ってしまいましたが、正社員になってからは、そのような心配もなく、収入が安定しました。
 今は総務の仕事をしており、人事関連制度にも携わるようになっていることから、今後は、自分の育児の体験も踏まえて、例えば子の看護休暇の対象を小学生まで延長したり、子どもの学校行事等にも利用可能な休暇制度を検討したり、というように、より働きやすい環境整備について積極的に取り組んでいきたいと考えています。
 ※小濵さんは2018年3月付で管理職(課内代理)に昇格。

職場の理解とサポートに感謝しています(福元さん)

 私は2009年9月に入社しました。2011年12月末から、第1子の産前産後休暇を取得し、2月に出産しました。ちょうど、2011年に当社が仕事と育児の両立支援に注力しはじめ、特に妊娠を機に離職することのないように取組を進めていたことから、産休取得の第1号として、皆さんに歓迎していただきました。 2013年4月に復職し、そのタイミングで7時間勤務の短時間正社員となりました。その後、2014年6月〜2017年12月にかけて第2子・第3子を出産し、産前産後休業、育児休業を取得し、復職しています。第3子の妊娠が分かった時には育児休業取得が3度目ともなると報告しづらい面もありましたが、職場に妊娠を伝えたら、皆さんから「おめでとう」と温かく声を掛けていただいたため、安心して産前休業に入ることができました。復職の際も、小濵さんから、「慣らし保育の時期は年休を時間単位で取得し、早めに帰った方が子どもも親もスムーズですよ」とアドバイスをいただき、緩やかに職場復帰をさせていただくことができました。子どもの体調不良や学校行事等でお休みをいただくことも多いのですが、職場の皆さんにはいつも温かくサポートしていただいており、働き続けやすい環境が整っていると感じています。
 ※福元さんは2018年9月付で管理職(課内代理)に昇格。

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