女性活躍・両立支援に積極的に取り組む企業の事例集

厚生労働省

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2016年度

平成28年度 均等・両立推進企業表彰
厚生労働大臣優良賞 ファミリー・フレンドリー企業部門

株式会社リコー (製造業)

育児や介護がキャリア形成にひびかないよう、評価体系を見直すとともに、
多様な働き方ができる環境を整備し、さまざまな立場にある人材の活躍を支援

認定マーク

企業プロフィール

設立
1936年
本社所在地
東京都中央区
事業内容
事務機器・光学機器・半導体等の製造、販売
従業員数
12,510人(うち女性1,922人)
企業認定・表彰等
くるみん認定、プラチナくるみん認定、えるぼし(認定段階3)、均等・両立推進企業表彰、イクメン企業アワード、ダイバーシティ経営企業100選 / 新・ダイバーシティ経営企業100選

取組内容

仕事と育児の両立支援仕事と介護の両立支援テレワークフレックスタイム制妊娠中の労働者支援男性育児参画女性活躍推進

特徴的な制度・取組など

  • 育児や介護がキャリア形成にひびかないよう、評価体系を見直すとともに、多様な働き方ができる環境を整備し、さまざまな立場にある人材の活躍を支援

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取組の背景と経緯

 同社は、男女雇用機会均等法が施行される1985年より以前から、新卒採用は男女ともに総合職のみであり、男性も女性も活躍できる企業文化が構築されていました。また、育児介護休業法施行前の平成2年に、 育児休業制度と短時間勤務制度を導入し、仕事と育児の両立支援に取り組んできました。これらの取組の結果、平成12年頃には、両立支援制度の利用率及び育児休業からの復職率はほぼ100%となりました。このため、育児と仕事を両立している従業員がより活躍できる環境を整備するため、例えば、フルタイム復帰にチャレンジし、難しい場合は短時間勤務制度を利用できるような仕組みにし、また、子の看護休暇の取得限度日数の見直しなどの制度の改定を行い、以降も従業員のニーズや制度利用状況の実態を踏まえて、必要に応じて制度の見直しを行っています。
 比較的早い段階からの両立支援制度の導入及び制度定着の取組により、平成2年の終わりには8年程度あった男性従業員と女性従業員の平均勤続年数の差は年々縮まっており、平成27年には男性18.1年に対して女性は18.2年と逆転し、男女ともに働き続けやすい環境が整備されています。近年は、男女ともに働き続けて活躍できる両立支援のあり方を検討し、男性の育児参画、育児休業取得促進の取組に注力しています。

育児・介護関連制度

育児関連制度

 育児休業は子の満2歳の誕生日が属する月の末日まで取得可能です。男性の育児休業取得促進のため、育児休業期間が3か月以内の場合、最初の10日間を有給としています。 平成27年度の育児休業取得率は男性が30.1%、女性が97.5%となっており、男性の平均休業日数は22.8日となっています。
 育児短時間勤務は子が小学校3年生修了時まで利用可能で、1日の労働時間は5・6・7時間から選べ、勤務時間と勤務時間帯の組み合わせにより全27パターンから働き方選択可能です。育児のためのシフト勤務及びフレックスタイム制度については、子が小学校6年生修了時まで利用可能となっています。

介護関連制度

 介護休業は、対象家族1人につき通算2年間取得可能であり、何回でも取得することができます。過去3年間(平成25~27年度)に男性9名、女性6名が取得しています。
 介護短時間勤務制度は、育児短時間勤務制度と同様に、1日の労働時間は5・6・7時間から選べ、勤務時間と勤務時間帯の組み合わせにより全27パターンから働き方選択可能です。また、介護状況に応じて、介護のためのシフト勤務及びフレックスタイム制度が利用可能です。

その他の取組等

 育児休業や介護休業による休業期間中の人事評価が昇給、昇格において不利に働くことがないよう、休業期間をカウントせず、休業前と復職後の人事評価を考慮して昇格・昇給査定を行うキャリアリカバリー策を平成15年に導入しました。 これにより、仕事と育児を両立させている女性管理職も増えてきました。また、短時間勤務者の評価についても、実労働時間を100として業務の功績を評価することにより、評価においてフルタイム勤務者と差が生じない形に見直しています。
 また、失効年次有給休暇を最大20日まで積み立て、子の看護、家族の介護、妊娠期の母性保護及び妊娠中の配偶者支援、感染症による学級閉鎖に伴う子の世話、不妊治療、私傷病、ボランティア活動の事由で取得可能な支援休暇を導入しています。
 在宅勤務制度については、育児(子が小学校3年生まで)及び家族の介護の事由により、月5日間を上限として利用可能です(部分的な在宅勤務は上記事由がない場合でも利用可能)。
 同社では、男性従業員の育児参画促進のため、マネージャーを対象としたワーク・ライフマネジメントセミナーを毎年実施しています。また、配偶者の出産時には、上司と本人に両立支援関連制度を紹介する両立支援コミュニケーションガイドブックとガイドラインを配付するとともに、2年以内の育児休業取得計画策定を促すメールを送信しています。また、働き方改革のため、20時以降の残業を原則禁止としており、週2日ノー残業デーも実施しています。

取組上の課題等

 女性従業員の育児休業取得率はほぼ100%となっており、男性の育児参画も進む中、育児休業の取得や仕事と育児の両立が、従業員の活躍を阻害する要因にならないよう、検討を重ねてきました。 その結果、育児休職期間がその後の昇進・昇格に不利にならないようにキャリアリカバリー策を導入したほか、復帰直後から成果を上げやすいように育児休業者に復帰支援セミナーを開催したり、上司に対して、育児休業明けの従業員に対してどのように仕事を割り振るか伝えるとともに、上司と本人のための「コミュニケーションガイドライン」を配付したりする等の取組を行っています。今後も、育児や介護と仕事を両立する従業員がより活躍できるような仕組みを考えていきます。

今後の展望

 リコーグループ全体で、ダイバーシティとワークライフ・マネジメントの推進を一層強化していきたいと考えています。ワークライフ・マネジメントについては、在宅勤務の展開等のワークスタイル変革や、効率的な働き方の実現に向けて、 取組を進めていきます。また、従業員の意識調査の結果から、多くの従業員が将来介護に関する不安を感じていることが明らかとなったため、仕事と介護の両立支援について、多様な支援を検討していく予定です。さらに、男性、女性、外国の方など、さまざまな人が一層活躍できるよう、ダイバーシティを向上させるとともに、ダイバーシティの実現により企業競争力を強化できるような仕組みについて考えていきます。

受賞企業のコメント

理事
コーポレート統括本部
人事総務統括センター所長
藤本 恭一郎

 このたびは、栄えある賞に選出頂き、誠にありがとうございます。 株式会社リコーでは、ダイバーシティとワークライフ・マネジメントの推進を、人を活かす施策としてだけではなく、そこから一段高め、 企業競争力の源泉となる価値創造につなげていくよう考え取組を進めています。これまでの取組成果を評価頂き、大変嬉しく思います。
 リコーでは、育児や介護と仕事の両立を充実させるだけでなく、多様な人材が生産性を高めながら知の創造を実現していきたいと考えております。そのためにも、社員1人ひとりが仕事と生活を自らマネジメントし、やりがいを持って活躍することができるよう、新たな働き方を可能とする取組を始めています。
 今後も更に取組を強化し、働き方改革を一層加速させるとともに、これからも顧客価値を創造し続けて参ります。

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