女性活躍・両立支援に積極的に取り組む企業の事例集

厚生労働省

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2018年度

株式会社鹿児島銀行 (金融業、保険業)

行員のキャリア継続のため、両立支援制度の拡充、働き方改革を進めています

認定マーク

企業プロフィール

設立
1879年
本社所在地
鹿児島県鹿児島市
事業内容
金融業(普通銀行業務)
従業員数
2,186人(うち女性820人)
企業認定・表彰等
くるみん認定、プラチナくるみん認定、えるぼし(認定段階3)、均等・両立推進企業表彰

取組内容

仕事と育児の両立支援男性育児参画事業所内保育施設女性活躍推進

特徴的な制度・取組など

  • 仕事と育児の両立支援のため、育児休業期間の一部を有給にするなど、法定を上回る基準で制度を整備。
  • 働き方改革の一環で、全部店19時までの完全退行とするとともに、11時間の勤務間インターバル制度を導入し、行員のワーク・ライフ・バランスを推進。

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インタビュー

  • 人事部
    井上 祐未さん

取組のきっかけ・経緯
法施行に合わせ早期に取組を始め、くるみん認定、プラチナくるみん認定を取得

 当行では、1985年の男女雇用機会均等法施行に伴い、男女ともに働きやすい職場環境の整備に着手しました。また、2005年の次世代育成支援対策推進法施行をきっかけとして、育児関連施策の整備を行い、以降、計画期間を2年間として一般事業主行動計画を策定し、 両立支援の取組を進めてきました。両立支援関連の制度を整備するにあたっては、特に必要性が高いと考えられるものは法定を上回る基準で整備することとし、制度の拡充や制度への理解促進、周知広報等に努めてきました。
 これらの取組を進めた結果、 くるみん認定については、認定初年度である2007年から計5回認定を受けており、2017年には鹿児島県内金融機関で初のプラチナくるみん認定を取得しています。

具体的な制度の内容
男性の育児参画を積極的に奨励。19時完全退行を推進

 育児休業制度は、原則として子が1歳になるまで取得可能とし、特別な事情がある場合等には最大2年間取得可能としています。男性の育児参画を促すため、エンゼル休暇として、配偶者が出産した場合、出産から2週間以内に2日間の休暇を取得することを可能としています。また、育児休業についても、 最初の5日間を有給としています。男性の育児参画促進については、2008年頃から、まずは1日の育児休業取得を働きかけており、昨年からは3日間の取得を呼びかけています。対象者本人に人事部門から、できるだけ1年以内に取得するよう連絡し、1年経過後に未取得の場合には、再度働きかけを行っています。これらの取組により、次第に男性行員も育児休業の取得を意識するようになり、2017年度は、女性はもちろんのこと、男性の育児休業取得率も100%となりました。
 育児短時間勤務は、以前は子が小学校就学前まで利用可能でしたが、2016年には行員からの要望を踏まえ、小学校3年生の終了時まで延長しました。育児短時間勤務は何回でも申請・変更可能としています。2016年には、女性行員からの要望への対応や、女性行員のキャリア継続支援のため、事業所内託児所「かぎん保育園ゆめいろ」を開設しました。行員の業務に合わせ、平日は朝7時から開園し、土曜日も要望があれば保育を行っています。
 働き方改革を進め、より働きやすい職場環境を整備するため、2017年から全部店を対象として19時までに完全退行する取組を行っています。お客様のご事情等、特別な場合を除き、19時までに業務が終わらない場合には、翌朝6時から出勤することを可能としています。あわせて、11時間の勤務間インターバル制度を導入しました。また、休暇取得をしやすくするため、年次有給休暇は半日単位で取得可能としています。
 制度拡充とともに、制度は充実していても制度に関する理解が不足している行員がいることから、 管理職研修や階層別研修等において、制度の説明や、部下が妊娠・出産する場合の上司の対応や声掛け等について研修の機会を設け周知啓発も行っています。

制度導入による効果等
県外からも人材を確保

 以前は、結婚や妊娠を機に退職する行員が多かったのですが、両立支援制度を導入し、社内に周知広報を行う取組を進めたことで、結婚、妊娠、出産しても働き続ける女性行員は大幅に増え、女性行員の平均勤続年数は5年前と比較して3年以上伸びました(2018年:12年1か月)。 現在では継続就業から女性のキャリア開発、管理職登用へと取組を進め、30代の役席者も増えています。また、制度利用者が増え、制度の拡充に関する声を踏まえて制度を見直ししたことで、より利用しやすい制度になってきたと考えています。
 こうした取組を通じて、インターンシップ等でも当行の両立支援の取組に関心を抱く学生が多数いますし、出産後も継続して働くことを希望する学生からも興味を持っていただいています。県内だけでなく、県外からも当行を志望する学生が増え、優秀な人材の獲得につながっています。

今後の課題・展望
子どもの学校行事などへの参加を積極的にサポート

育児と仕事の両立支援制度については、利用者が増えるにつれ、制度を利用することが普通のこととなりつつありますが、未だ制度利用を躊躇するような声も聞かれるため、管理職等を対象として、一層の周知啓発を進めていきます。 また、男性の育児参画について、有給の育児休業に留まらず、子どもの病気や学校行事等の際にも休暇取得しやすくなるよう、積極的にサポートをしていきたいと考えています。
 当行では、連続休暇、シーズン休暇等、まとまった休暇は比較的取りやすいのですが、子どもの授業参観やPTA等、 単発・短時間の学校行事等に参加するための制度に対する要望も多いことから、今後、検討を進めていきます。

制度利用者の声制度利用者の声画像

子どもが生まれても働き続けられる環境があるから、当行を選びました

本店営業部 店頭サービス課
増山 奈緒さん

事業所内託児所ができて良かった

 当行には2011年に入行し、2014年に結婚、同年に妊娠しました。双子であったため、病院からの指導もあり、産前休暇の期間より少し早目に、年次有給休暇の積立休暇を利用して休暇を取得しました。その後、育児休業を1年半取得し、職場復帰しました。 私自身は、以前から子どもが生まれても働き続けたいと考えており、当行がくるみん認定を取得していることも知っていたため、当行を志望しました。また、入行後も配属された支店では育児休業取得者や育児短時間勤務制度を利用している先輩方が多く、育児関連制度を利用しやすい環境であると感じていたため、安心して休業を取得することができました。
 育児休業取得後は、元の職場に育児短時間勤務制度を利用して復帰しました。当時の勤務地は自宅から遠く、通勤に1時間程度かかっていました。また、復帰直後は子どもが体調を崩し、保育園から呼び出されることも頻繁にあり、通勤時間は負担になっていました。ちょうどその頃、間もなく当行が本店近くに事業所内託児所を開設する、という話があり、私自身も同じタイミングで自宅に近い本店に異動になったため、2016年10月の事業所内託児所開設時より、託児所を利用し続けています。勤務時間は8:40~16:40とし、1日の所定労働時間を7時間とする育児短時間勤務をしています。事業所内託児所は、お盆等の期間も開設しているなど銀行の勤務時間に合わせて開設しているので、大変助かっています。

育児も家事も夫婦で分担

 最近は、働き方改革により19時完全退行になったことで、当行に勤務する夫も19時に帰宅するようになり、家族で夕飯を食べられるようになりました。お風呂も子どもと一緒に入ってもらえるため、家族の時間が増えて嬉しく思っています。
  子どもの出産時には、夫は2日間のエンゼル休暇を取得しており、その後も3か月に1回取得するシーズン休暇は夫婦で日程を工夫して取得することにより、子どもの健診等も分担して行っています。
  今は夫婦ともに同じ地域で勤務しているため、家事も育児も分担できていますが、夫は鹿児島市以外の転勤の可能性があるため、そうなった場合のことを考えると若干不安もあります。そのような時のため、在宅勤務等、多様な働き方が可能となっているとより望ましいと思います。

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