女性活躍・両立支援に積極的に取り組む企業の事例集

厚生労働省

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2016年度

平成28年度 均等・両立推進企業表彰
厚生労働大臣優良賞 均等推進企業部門

株式会社池田泉州銀行 (金融業、保険業)

ダイバーシティ&インクルージョン実現に向けて

認定マーク

企業プロフィール

設立
1951年
本社所在地
大阪府大阪市
事業内容
普通銀行業
従業員数
3,768 人(うち女性1,958 人)
企業認定・表彰等
くるみん認定、プラチナくるみん認定、えるぼし(認定段階3)、均等・両立推進企業表彰

取組内容

女性活躍推進女性採用拡大女性職域拡大女性管理職登用

特徴的な制度・取組など

  • ダイバーシティ&インクルージョン実現に向けて

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インタビュー

  • 人事部 次長
    千々和 昌輝さん(左)

    人事部 調査役
    井上 智香子さん(右)

取組みのきっかけ・経緯

 2010年5月の合併後より、男女とも総合職での採用を行ってきましたが、企業としての今後の成長には、採用面だけでなく女性活躍を推し進めることが不可欠であるといった意識から、「女性の活躍支援」「多様な人材が活躍するための風土醸成」「仕事と家庭の両立支援」を軸とした様々な取組みを企画・実施してきました。

 そして2021年5月に公表した「第5次中期経営計画」において、池田泉州銀行は、労働人口の減少やグローバル化の進展等、社会構造や経済環境が大きく変化する中、今後とも多様な人材が活躍できる企業となるべく、ダイバーシティ&インクルージョンの実現を掲げています。

取組みの内容

 女性の活躍支援として、2013年度から『女性リーダー研修』、2017年度から『ダイバーシティメンタリングプログラム』を実施しています。後者取組みは、役員や部店長をメンター、将来の女性部店長・次長候補者をメンティとし、相談や助言による相互の成長を目的として行っているものです。

 D&I実現のためには経営層や管理職層の「深い理解」と「実践」が不可欠であるという考え方のもと、2013年度より様々なテーマで経営層・管理職を対象とした研修を実施しています。2021年には「アンコンシャス・バイアス」をテーマとした研修を実施しました。

 また、多様な考え方やライフスタイルについて職員同士の相互理解が深まることを目的とし、当行のD&Iに関する取組みや情報について社内イントラにて『ダイバーシティ・ニュース』を定期的に配信しています。ジェンダーフリーの観点から2021年11月には制服を刷新し、男女関係無く営業店の職員全員が同じカラーブレザーを着用するなど、様々な観点からの風土醸成を図っています。

 仕事と家庭の両立支援においては、出産前から育児休業復帰後まで、それぞれ同じ立場の行員が集まる機会として、2014年度より『復帰応援ミーティング』を開催しています。銀行からの情報提供、参加者同士の情報交換、先輩行員の体験談などを通して、自身の両立方法やキャリア形成について考える機会としており、現在までにのべ1,900名を超える職員が参加しました。産休育休中も、会社との繋がりを感じてもらえるよう、育休者向けメール『はぴ☆マム』にて、職場復帰に向けた準備情報や当行取組み、セミナーの案内などを定期的に配信しています。お子さま誕生の際には、ママ行員へ『プランニングダイアリー』を、パパ行員へ『PAPA’S HAND BOOK』を、頭取直筆のお祝いメッセージカードとともに贈呈しています。『プランニングダイアリー』は手帳機能の他、夫婦で考える事項や先輩ママ行員からのアドバイスなど、『PAPA’S HAND BOOK』は当行の育休制度やパパに知っておいてほしい情報など多数のコンテンツが盛り込まれた当行オリジナルのものになります。

 当行には事業所内保育施設はありませんが、積極的に企業主導型保育所との提携を進めるなど、職場復帰に向けた支援を行っています。

制度導入による効果

 女性の活躍支援や風土醸成のための取組みを実施してきたことで、2022年3月末時点で、管理職に占める女性の割合が21.6%まで上昇。また仕事と家庭の両立支援に取り組むことで、育児休業取得率は男性44.9%、女性100%となっています。特に女性の活躍支援として実施している『ダイバーシティメンタリングプログラム』においては、メンティのうち約半数が参加当時から昇格し、部店長・次長として活躍しています。参加者からは「自分には無理だと決めつけていたが、メンターとの面談を経て気持ちが前向きになった」「自分が今後どうありたいのか悩んでいたが、制度を通じてやるべきことが少しずつ明確になり行動に移すことができている」など、前向きにキャリアを考える声が多く挙がっており、プログラム導入の効果を実感しています。

 また、『復帰応援ミーティング』の一部として開催している『プレパパママミーティング』の参加者からは、「先輩パパからのアドバイスがとても参考になった」「使える制度について改めてしっかりと確認することができた」「同じ立場の方とお話することができ、前向きな気持ちになった」といった声が挙がっており、仕事と家庭の両立支援として職員のためになっていることを喜ばしく感じます。

 2022年10月より当行独自の『産後パパ育休』を制定し、これまで以上に男性の育児を支援したいと考えています。2022年4月に製作した『育児休業の手引き』には、会社の想いや育休制度概要、自身または配偶者の妊娠が分かってからのスケジュールなどを記載し、会社全体で男女とも育児休業取得率100%に向けた風土醸成を図っています。

今後の課題・展望

 現在当行では、女性活躍推進のメルクマールとして2027年3月末までに①管理職に占める女性の割合を30%以上とする、②男女とも育児休業取得率を100%とする、という2つの目標を掲げています。上記で紹介した取組みに加え、例えば『アンコンシャス・バイアス研修』の継続実施や『復帰応援ミーティング』の拡充、キャリアチェンジ支援の実施など、今後も様々な目線での新たな施策やイベントを実施することで、目標達成に向けて邁進していきたいと考えています。

 女性の活躍支援、多様な人材が活躍するための風土醸成、仕事と家庭の両立支援等を通して、「働きがいのある誇れる職場」を作りあげることで企業価値を向上させ、お客さまにより質の高い金融サービスの提供を図ってまいります。

制度利用者の声 制度利用者の声画像

課長代理 担当:営業
所 高広さん(夫)

課長代理 担当:営業
所 春子さん(妻)

所 高広さん

不安もありましたが、育児休業を取得してよかったです

 以前から子どもが生まれたら育休を取りたいという思いが漠然とあった中、とあるTVドラマの中で「日本の男性には、育児は義務であり、させられていると思う人が多いが、アメリカでは育児をすることは父親の権利だと考える」「子どもを奥さんの付属品だと思っていませんか?だから『手伝う』とか『参加している』という言葉が出てくる」という趣旨のセリフがありました。男性の育休取得はまだ少数派でしたが、育児を『サポートする』という発想ではなく、主体的に取り組みたいと思い、育休取得に一歩踏み出すきっかけになりました。長期不在で迷惑をかけることにならないか不安でしたが、育休取得を支店長が全面的にバックアップしてくださったので、約2週間、心置きなく取得することができたように思います。

 また、子どもが生まれる前に『プレパパママミーティング』に参加しました。出産から復帰までのスケジュールや保育所の手続等の説明があり、とても参考になりました。

 育休中については、普段は子どもと過ごせるのは平日の夜と土日だけなので、長い時間を子どもと過ごすことができて良かったです。やはり一人で家事をしながら育児をするのは大変だと改めて思いました。思うようにいかないことも多々ありますが、イライラしたりせず心を穏やかにコントロールすることが大事だなと思っています。家事の分担は夫婦で考え、家事も育児も主体的に取り組むようにしています。

 今後も夫婦で協力し合い、家庭と仕事をうまく両立していきたいです。将来もし家族が増えることがあれば、また育休を取得したいと思います。

所 春子さん

夫婦で育児休業を取得 将来に向けてキャリアアップも

 共働き家庭が主流となっている今、個人的には男性の育児取得は当然のものと考えていました。ただ、未だ男性の育休取得率は低いことや、キャリアへの影響、支店へ迷惑がかかるのではという不安がある中、主人が周りからのサポートを得て取得に踏み切れたことは本当に良かったと思います。初めての育児、初めての育休からの職場復帰で不安が大きかったので、私が職場復帰のタイミングで主人が育休を取得したことによって、安心して仕事に取り組むことができました。

 0歳で保育園に預けたこともあり、まだ食事の際は補助が必要です。そのため朝に機嫌が悪く、朝ごはんを食べ進めてくれなかったり自分の準備をしているときにずっと泣いていると、用意に時間がかなりかかってしまうことがあります。そういう時も、日によって朝ごはんの補助をする担当を変えたり、夫婦のどちらかがあやしたりしながら準備するなどして乗り越えています。保育園への送り迎えは朝夕で分担し、帰宅後の家事・育児も、私が食事担当、主人が洗濯担当、食器洗いは手の空いているほう、子どものお風呂や寝かしつけは1日ごとに交代など、ある程度の担当を決めて片方に負担がかからないように心がけています。

 初めての出産・育児を経験して一番大変だったのは、新生児期~10か月くらいまででした。もし今後家族が増えることがあれば、今回のように職場復帰のタイミングではなく、もう少し早いタイミングでの育休取得をしてもらおうと思っています。

 また、自身のキャリアについては、将来的には支店長を目指しています。育児をしながらでもキャリアアップを目指すには、夫婦の協力が必須です。男性の育休取得は子どもを持つ女性のキャリアアップにもつながると思っています。


平成28年度 均等・両立推進企業表彰
厚生労働大臣優良賞 均等推進企業部門
(2023年2月更新)

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