女性活躍・両立支援に積極的に取り組む企業の事例集

厚生労働省

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2017年度

平成29年度 均等・両立推進企業表彰
厚生労働大臣優良賞 ファミリー・フレンドリー企業部門

日本ガイシ株式会社 (製造業)

両立支援制度の拡充と従業員への情報提供の両面から丁寧な取組を展開。育児・介護・疾病治療の3本柱で両立支援制度を整備し、従業員の活躍を支援

認定マーク

企業プロフィール

設立
1919年
本社所在地
愛知県名古屋市
事業内容
がいし、各種産業用セラミック製品の製造・販売
従業員数
4,416人(うち女性553人)
企業認定・表彰等
くるみん認定、プラチナくるみん認定、えるぼし(認定段階3)、均等・両立推進企業表彰

取組内容

仕事と育児の両立支援仕事と介護の両立支援男性育児参画女性活躍推進

特徴的な制度・取組など

  • 両立支援制度の拡充と従業員への情報提供の両面から丁寧な取組を展開。育児・介護・疾病治療の3本柱で両立支援制度を整備し、従業員の活躍を支援

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取組の背景と経緯

 日本ガイシ株式会社は、愛知県名古屋市に本社を置く、がいしや自動車排ガス浄化用をはじめとする各種産業用セラミックス製品を製造・販売するメーカーです。同社の両立支援に関する取組は、すべての従業員がキャリア継続をあきらめることなく活躍できる会社を目指して、仕事と「育児」・「介護」・「疾病治療」の両立支援という3本の柱で推進しています。 これらの3本の柱を推進するにあたって、それぞれのテーマに関連する人事制度の拡充といったハード面の整備だけでなく、従業員への情報提供や相談体制の整備といったソフト面の整備も合わせて推進していることが特徴です。
 現在は、平成26年に設置されたワーク・ライフ・バランス推進チームが中心となり、上記の3本柱のほか、ダイバーシティや女性活躍等の取組を推進しています。特に、平成28年度以降、女性従業員のキャリアアップを促進するために、育休からの早期復職支援のほか、女性従業員を部下に持つ管理職を対象とした意識啓発のための研修等を実施しています。

育児・介護関連制度

育児関連制度

 育児休業制度は、子が1歳に達する月度の末日まで取得可能であり、保育園に入園できないといった特別な事情がある場合には、最長で2歳に達するまで取得することができます。男性従業員の育児参画を推進するため、育児休職制度として、子の生後8週間以内に限り、未使用の年次有給休暇の積立分(上限35日)を利用することができます。平成28年度は、男性従業員による育児関連休暇制度 (育児休業、育児休職、配偶者出産時の特別有給休暇)の利用率は約8割でした。一方、育児休業を取得する女性従業員の復職率はほぼ100%を維持するなど、辞めることなく働き続けるといった社内風土も醸成されています。
 育児短時間勤務制度は、子が小学校4年生になる4月度末まで利用可能であり、所定労働時間を6時間又は7時間から選択可能です。また、始業・終業時間については、6時間勤務の場合には4パターンから、7時間勤務を選択した場合には3パターンの中から選択できるため、個人の事情に合わせて柔軟な働き方を選択することができます。平成28年度は56名がこの制度を利用しました。

介護関連制度

 介護休業制度は要介護者1名に対して最大1年間、通算して1年以内であれば3回まで分割して取得することができます。平成27〜29年度の3年間では、女性従業員1名が介護休業制度を利用し、復職しています。介護短時間勤務制度は最長3年間、分割利用する場合は3年間のうち2回まで利用可能で、育児短時間勤務制度と同様に、6時間又は7時間のいずれかを選択でき、始業・終業時間も6時間勤務の場合は4パターンから、7時間勤務の場合は3パターンから選択することができるほか、週3日勤務も選択可能です。

その他の取組等

 育児休業取得者に対してキャリアの早期再開を応援し、活躍を促進するため、早期復職支援策を導入しています。首都圏勤務者を対象としてスムーズな職場復帰をサポートする保活コンシェルジュ(外部サービス)、 認可外保育所やベビーシッターに預けて復職した場合に、費用の一部を補助する認可外保育所等費用補助(子が11か月未満の場合、子が1歳到達後の3月末日までの利用料が対象)、子が11か月未満に復職した場合の早期復職支援一時金の支給(10万円)を制度化しました。
 介護に関しては、同社が実施したアンケートにて、仕事と介護を両立する従業員が最も必要としているのは「情報」であることが明らかとなったことから、全従業員に対して「私と家族の介護ハンドブック」を配付するとともに、人事部による介護説明会も各地で実施しています。また、家族が要介護認定を受けた場合は介護支援一時金(15万円)を支給し、介護休業中は介護休業支援金(5万円/月)を支給することにより、従業員の経済面での不安も軽減しています。
 その他、がんや脳卒中等の反復・継続して治療が必要な疾病を抱える従業員が退職することなく仕事と治療の両立ができるよう、対象となる従業員に対して、短時間勤務制度、週3日勤務制度、現業向けフレックス勤務制度等を整備したほか、本人・主治医・産業医・会社で情報共有するフォロー体制も整備しています。

取組上の課題等

 育児休業を取得した従業員の復職状況はほぼ100%であり、就業継続の面での課題はありませんが、育児休業から復職し、育児と仕事を両立しながらキャリアアップを実現できるための取組をより一層推進することが重要であると考えています。
  また、介護や疾病治療との両立については、本人が周囲に事情を話すのをためらう傾向にあるため、従業員からのニーズが顕在化しにくいことが課題です。このような課題に対して、アンケートや従業員との面談等を通じて、現場で働く従業員が「今、何に一番困っているのか」を把握しながら、制度を設計することが重要であると考えています。

今後の展望

 これまでも制度を導入する際には、従業員のニーズを捉えて人事制度の企画・設計をしてきましたが、これからも引き続き従業員のニーズを第一に考え、取組を推進していきます。まずは、現在トライアル中の在宅勤務制度やテレワークの導入によるワークスタイルの変革を目標に、さまざまな従業員が活躍できる職場づくりをしていきたいと考えています。そして、現在、社長主導で推進している働き方改革、「本質の追求活動」を通じて、無駄の削減と生産性の向上を目指して全社で力を合わせて取組を進めます。

受賞企業のコメント

取締役会長
浜本 英嗣

 この度は、栄えある賞にご選出頂きまして、誠にありがとうございます。
 日本ガイシ株式会社は、従業員一人ひとりが能力を発揮でき、持続的成長を続ける企業を目指し、各種の取組を進めております。
  その一環として、「育児」 「介護」 「疾病治療」の三本柱による両立支援を通じ、多様な人材が自らの能力を発揮する機会の提供や長く働き続ける制度・環境の実現を目指し、ハード面・ソフト面双方からの取組を進めております。
 両立支援の取組を通じて、ライフイベントを迎えた従業員に限らず、様々な事情がある従業員をサポートするという意識がより一層社内で定着することにより、真に従業員が安心して働ける会社、効率的に働くことができる会社、そして持続的に発展できる会社が実現されると考えています。
 今回の受賞を励みに、この取組をさらに加速してまいります。

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