女性活躍・両立支援に積極的に取り組む企業の事例集

厚生労働省

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2018年度

平成30年度 均等・両立推進企業表彰
厚生労働大臣優良賞 ファミリー・フレンドリー企業部門

社会福祉法人平鹿悠真会 (医療、福祉)

職員が仕事と育児・介護を両立しながら安心して働けるよう、現場での課題や職員からの要望に対して丁寧に対応。すべての職員が働きやすい職場環境整備を推進

認定マーク

企業プロフィール

設立
2014年
本社所在地
秋田県横手市
事業内容
介護施設サービス業、在宅介護サービス業
従業員数
34人(うち女性24人)
企業認定・表彰等
くるみん認定、えるぼし(認定段階3)、均等・両立推進企業表彰、ユースエール認定

取組内容

仕事と育児の両立支援仕事と介護の両立支援男性育児参画事業所内保育施設

特徴的な制度・取組など

  • 職員が仕事と育児・介護を両立しながら安心して働けるよう、現場での課題や職員からの要望に対して丁寧に対応。
  • すべての職員が働きやすい職場環境整備を推進

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取組の背景と経緯

 社会福祉法人平鹿悠真会は、秋田県横手市にて特別養護老人ホームの運営や、居宅介護支援事業等を展開しています。同法人は、 「介護の質を向上させるためには、介護の現場で働く職員がのびのびと働ける環境を整備することが重要である」という理事長の考えのもと、設立当初から職員の仕事と育児の両立支援や、全職員が安心して働ける職場づくりを目指し、 各種取組を展開してきました。同法人では、施設長が主催し、毎月開催される部門長会議において、施設に入居されている方の状況を報告するだけではなく、職員の休暇取得状況や、日々働いている中で気づいた課題点等についても議論しており、報告された課題に対して就業規則を見直す等の措置を適宜実施しています。これまでの取組として、子育て中の職員から「子どもの急な病気に対応できるようにしてほしい」との声を受け、勤続年数に応じて子の看護休暇を有給化し、時間単位で取得できるように制度変更する等、職員が働きやすく、休暇を取得しやすい職場づくりを積極的に進めています。

育児・介護関連制度

育児関連制度

  育児休業制度は、原則として、子が満 2 歳に達するまでを限度として取得可能です。平成 27 年度から平成 29 年度の間に、男性職員 1 名が取得し、取得率は50% でした。一方、女性職員も同期間に毎年 2 名が育児休業を取得しており、取得率及び育児休業後の復職率は 100 %となっています。
 育児短時間勤務制度は、小学校就学の始期に達するまで、 所定労働時間を 9 時から 16 時の 6 時間で勤務することができます。平成 29 年度に 3 名が育児短時間制度を利用しました。
 同法人では、育児休業中の職員がスムーズに職場復帰できるように、 職場に関する情報を育児休業中の職員に送付するほか、職員用ページに法人の両立支援制度等の情報を掲載しています。また、産休・育休前、復職前、職場復帰 2 か月後に施設長及び上司が本人と面談をすることで、働き方や職場における要望を聞くようにしています。施設長からは、要望を聞くだけではなく、同法人の多様な勤務制度についても面談を通じて復職者に紹介しています。

介護関連制度

 介護休業制度は、対象家族 1 人につき、原則として、通算 95 日間の範囲で 5 回まで取得することができます
介護短時間勤務制度は、対象家族 1 人当たり、利用開始日から 3 年の間で、 3 回までの範囲内で所定労働時間を 9 時から 16 時の 6 時間に短縮して勤務することができます。

その他の取組等

 同法人では、介護現場で働く職員が安心して働くことができ、休暇を取得しやすい職場づくりを目指しており、子どもの突発的な病気やケガ等に柔軟に対応できるように、平成 28 年 6 月に、子の看護休暇および家族の介護休暇を勤続 年数に応じて有給とし、さらに時間単位で取得できるようにしました。また、同法人の理事長が運営する、隣接する法人と共同で、事業所内託児施設を経営しています。この事業所内託児施設では、夜勤で働く介護職員も子どもを預けることができるように 24 時間保育を行っています。さらに、保育料に応じて補助を支給することで、子どもを預けて働く職員の経済的負担を軽減しています。 同法人は育児と仕事を両立している職員への環境整備を進める一方で、その他の職員にも、不平等感を感じることなく、モチベーション高く働いて欲しいと考え、平成 28 年 6 月に利用目的を問わない「多目的休暇」 (特別休暇)を創設しました。この「多目的休暇」は勤続年数に応じて最大 4 日付与されます。
 同法人では、職員の勤務状況を把握するために、定期的に「勤務に関するアンケート」を実施し、現場における課題や要望を抽出する取組を継続して行っています。そこで抽出された現場における課題や要望について、毎月の部門長会議で取り上げ、職員が仕事と育児や介護の両立がよりしやすくなるように、就業規則の見直し等を、スピード感をもって実施しています。

取組上の課題等

 同法人では、日頃から職員が互いの家庭環境を理解し合い、協力体制を築けるように、 「子育て懇談会」を開催したり、職員の子どもを職場に招待して職場体験をしてもらう「子どもお仕事参観日」等の取組を実施することで、職場が円滑に回るように工夫しています。また、 「勤務に関するアンケート」だけではなく、施設長をはじめとする理事自らが介護現場に近いところに入り込み、職員一人ひとりと頻繁にコミュニケーションをとることで、職員の抱える悩みや不満、働く上での課題や要望等を把握するように努めています。

今後の展望

 同法人では、職員の 7 割が女性であり、また、 20 代~ 40 代の職員が8割以上を占めています。育児と仕事を両立している職員は多く、今後も育児休業の取得等によってしばらく介護現場の人手不足が続くことが見込まれます。 しかし、これまでの取組の成果として、全職員がお互いの家庭環境を理解し、お互いに協力し合う職場の風土が醸成され、職員同士の良好な関係も構築されてきているため、今後も職員同士が協力し合うことにより、乗り切ることができると考えています。
 これから介護業界を取り巻く環境はますます厳しくなることが予想されておりますが、引き続き職員が日頃感じている職場での課題や要望について丁寧に拾いあげ、それを解決することで、全職員が一丸となって働きやすい職場環境づくりに努めていきます。

受賞企業のコメント

平鹿悠真会の皆様

 この度は、厚生労働大臣優良賞という名誉ある賞をいただき、大変光栄に存じます。開設以来の様々な取組を評価していただけたこと、また職場の活性化につながる機会を与えていただけたことに重ねて感謝申し上げます。 福祉施設を運営している当法人は「働きやすい環境でなければ良いケアはできない」という考えのもと、子育てと家庭の両立支援を中心に、 「勤続年数に応じた子の看護休暇」や「勤続年数に応じた多目的休暇」をはじめとした法定を上回る育児・介護制度を打ち出し、育児休業中の復帰への不安を解消できるよう複数の面談や会議録の送付等を行い、スムーズな復帰を支援してきました。今後もさらに取組を推進し、働きやすい環境を整えることで、良質なケアの実践とすべての職員が“いきいき”と働けるような魅力ある職場づくりを目指してまいります。

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