女性活躍・両立支援に積極的に取り組む企業の事例集

厚生労働省

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2016年度

株式会社タカラトミー (製造業)

子どもたちに夢を届けるおもちゃをつくるために、いきいきと働ける環境を整備しています。

認定マーク

企業プロフィール

設立
1953年
本社所在地
東京都葛飾区
事業内容
製造業(玩具等の企画・製造・販売)
従業員数
568人(うち女性241人※2023年9月30日現在)
企業認定・表彰等
くるみん認定、えるぼし(認定段階3)

取組内容

仕事と育児の両立支援テレワークフレックスタイム制妊娠中の労働者支援女性活躍推進

特徴的な制度・取組など

  • テレワーク勤務(トライアル)の実施 ※2024年4月本格導入を予定
  • スーパーフレックスタイム制度を導入
  • 「ファミリーデー」の実施

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インタビュー


  • 連結総務人事室 人事部 D&I推進課

両立支援の取組のきっかけ

 タカラトミーグループでは、ワーク・ライフ・バランスを推進することで、個人及び組織が最大限の付加価値を生み出し、さまざまなライフステージにある人がイキイキと安心して働き続けることができる職場環境を目指しています。

 子どもも大人も笑顔になる多種多様なおもちゃやワクワクするような新しい発想は、従業員一人ひとりの個性やスキル、そして多様な価値観を尊重するチームワークから生み出されます。タカラトミーグループでは、従業員の人権や労働安全衛生に配慮し、一人ひとりが自分らしさを大切にしながら最大限の能力を発揮し、成長し続けられるよう、働き方改革に取り組んでいます。

出産や育児・介護に配慮した両立支援制度

 当社では、2014年に導入した在宅勤務制度を見直し、2023年4月からトライアルとしてテレワーク制度を実施しています。これまでの在宅勤務制度は、対象者が育児・介護中の従業員に限られており、使用頻度を原則週1回までとし自宅のみで勤務可能としていましたが、テレワーク制度に移行してからは、全従業員が原則週3回までテレワークを可能とし、育児・介護中の従業員や傷病療養者及び業務に支障をきたさない場合は週4回以上のテレワークも可能としました。また、自宅以外の場所での勤務も可能になりました。2024年4月に制度の本格的な導入を予定しています。

 また、当社は2023年4月からスーパーフレックスタイム制度を導入しました。これまで存在したコアタイムを撤廃し、フレキシブルタイムを5:00~22:00の間まで拡大したことで、より自由度の高い働き方ができるようになりました。

 その他の取組として、従業員のご家族を招き職場見学や仕事体験をしていただく「ファミリーデー」というイベントを年に1回、夏休み期間に実施しています。このイベントは、日頃従業員を支えてくださっているご家族に、職場への理解を深めていただくとともに、上司や同僚との交流を図り、従業員同士が互いの家庭状況を理解することで『働きやすく、家族を大切にする職場の雰囲気づくり』を目指しています。

 従業員のロールモデルの参考となるような施策として、管理職の座談会を実施し、育児休業経験のある女性管理職や育児中の男性管理職等さまざまなバックグラウンドを持つ管理職の働き方を発信したり、男性従業員の育児休業取得を促進することを目的に、育児休業取得者の体験談を社内掲示するといった取組も行っています。さらには、有給休暇の取得促進を目的として、年次有給休暇のうち5日を予め計画して取得するリフレッシュ休暇制度や、従業員自身や家族の記念日に取得できるアニバーサリー休暇制度も導入しています。また、「毎年度、従業員の過半数が年10日以上の有給休暇を取得する」といった目標を掲げるなど、さまざまな取組を実施することで従業員のワーク・ライフ・バランス実現の推進に努めています。

取組の成果

 テレワーク制度のトライアル導入及びスーパーフレックスタイム制度の導入後、社内アンケートを実施したところ、テレワーク制度については、約7割が週2~3回テレワークを利用していると回答し、育児や介護中の従業員については週4回以上利用している従業員もみられました。また、スーパーフレックスタイム制度については、導入前と導入後の働きやすさに関する質問において、約7割弱が「良くなった」または「やや良くなった」と回答しており、保護者会など子どもの行事に顔を出しやすいといった声や、スーパーフレックスタイム制度とテレワーク制度の掛け合わせのおかげで家庭も仕事も両立しやすくなったという声があがりました。この他にも、通勤時間がなくなり趣味などのプライベートの時間を確保できたり、早朝から働くことで早起きになり健康になったという声もあり、育児や介護中の従業員以外の従業員にとってもワーク・ライフ・バランスの実現につながり、多様な価値観を認める環境づくりが推進されていると考えています。

今後の課題等

 当社の女性管理職比率は15%(2023年10月1日時点)ですが、2025年度末には20%を目指しています。今後も引き続き女性の活躍を推進し、女性管理職の登用や、育児をしながらキャリアアップできる環境の整備に取り組んでいきたいと考えています。また、男女問わず、育児の経験は当社の生業であるおもちゃづくりに活かされるため、男性従業員の育児休業取得や育児参画についても、引き続き推進していきたいと考えています。

 また、仕事と育児を支援する制度については整備が進み、社内で浸透・定着していると感じている一方で、介護についてはまだ関連制度の利用実績がほとんどなく、相談に乗ることができる経験者も少ないといった課題があります。介護に関わる従業員は年々増えることが見込まれるため、重要な課題であると考えています。

制度利用者の声 制度利用者の声画像

子どもの成長に合わせて、
働き方をその時々で変化・進化し、
自分も一緒に成長していきたい

ファッションエンターテイメント事業室
ファッションエンターテイメント事業部
マーケティング課係長
佐藤 翠さん

出産前の診察や定期健診は失効有給休暇を活用

 2020年の年末、私は東京から大分へ里帰り出産のため帰省したのですが、当時はコロナ禍で帰省後2週間の自宅待機期間が必要であり、さらに出産予定日の2週間前に帝王切開予定だったため早めの診察が必要となり、失効有給休暇を活用しました。失効有給休暇は、失効した年次有給休暇を、妊娠中の定期健診や通院、体調不良等のために利用ができる制度であり、最大60日まで積立が可能です。私は娘が1歳10か月の時に仕事に復帰しましたが、月に一度は数日間熱を出して休みをもらっているため、妊娠中の検診を失効有給休暇でカバーでき、年次有給休暇を残しておけたことはとても大きかったです。


テレワーク制度や時短勤務制度、スーパーフレックスタイム制度をフル活用することで仕事と育児の両立を図っています

 仕事と育児の両立は、想像以上に大変で、朝は食事に1時間かかる娘の相手をしながら出勤準備と片付けに洗濯、夕方はキッチンにいると「抱っこして」と目に涙を浮かべ訴えてくる娘との戦いで、毎日一分一秒を惜しみながら、時に家の中を小走りしながら、一日を過ごしています。そのため、テレワーク制度、短時間勤務制度(5.5時間勤務)、スーパーフレックスタイム制度がとても助かっています。子どもの体調不良で保育園からお迎え要請の電話があることもしばしばで、一日の勤務時間が短くなってしまう日が毎月出てしまいます。以前は定時勤務で不就労時間が給与から控除されてしまい、「子ども優先、しょうがないこと」と自分を納得させていましたが、現在は翌月までに不足時間を補えばよいスーパーフレックスタイム制度に変更となったため、「よし別の日に頑張るぞ!」という気持ちになれます。またテレワークを併用することで通勤時間が省かれるので、プラスαで仕事時間が捻出できますし、「仕事の補填」という意味合いだけでなく、省かれる通勤時間を子どもとの遊び時間に充てることもできます。通勤時に使う体力とエネルギーを別のことに使えると一日の終わりの疲れ方が大きく異なりますし、有事の際にすぐ保育園まで迎えに行ける距離にいる、という安心感もあります。良いことづくしです。


育児に対する職場の理解と協力が心強いです

 職場復帰後に心強かったのは、上司や同僚など職場の理解です。子どもが熱を出した時も「何かやることありますか?」「大丈夫?心配だね」「お子さん優先で!」と、皆がそう言ってサポートしてくれるので、安心して娘と向き合うことができました。

 その雰囲気は、ファミリーデーでさらに色濃く感じました。娘が2歳半の時に参加したファミリーデーで、職場のメンバーが微笑ましいまなざしで娘と接してくれたことです。交換してくれた名刺を娘が握りしめてぐちゃっとしてしまってもニコニコし、「バイバーイ」と上司に言ってしまっても「バイバーイ」と笑顔で返してくれたり、ちょっと私が席を外した間に、人見知りの娘を同僚がみていてくれ、シール貼りやお絵描きをし、楽しそうに話をしている姿をみて驚きました。これまでは子どもがいる社員を受け入れる側にいたために気が付いていなかった職場メンバーの子どもに対する愛情や優しさに触れ、子どもをこんなにも大事にし、理解してくれる人たちに囲まれ、幸せだなと感じました。娘にとっても、「お母さんは仕事に行く」という状態がどういうことなのか、見たこともなく想像も理解もしにくいだろうな、と感じていたので、職場に連れていけたことは良い経験になりました。

 仕事と育児・家庭の両軸を100%満足な状態にすることはとても難しいですが、娘の成長に合わせて、働き方をその時々で自分で選択し、変化・進化しながら私も一緒に成長できればと思っています。

掲載年度:2016年度(2024年2月更新)

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