女性活躍・両立支援に積極的に取り組む企業の事例集

厚生労働省

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2016年度

株式会社セディナ(SMBCファイナンスサービス株式会社に社名変更(2020年)) (金融業、保険業)

経験を積んだ従業員に長く活躍してもらいたいという思いから、
両立支援制度の充実に取り組んでいます

認定マーク

企業プロフィール

設立
1950年
本社所在地
愛知県名古屋市
事業内容
カード事業、信販事業、ソリューション事業、融資事業、その他
従業員数
3,283人(うち女性1,375人)
企業認定・表彰等

取組内容

仕事と育児の両立支援妊娠中の労働者支援男性育児参画女性活躍推進

特徴的な制度・取組など

  • 妊娠中から産前休業までの期間に取得可能で、妊娠1回につき1回限り日数に上限のないマタニティ休暇(無給)を導入。
  • 男性従業員の育児参画を促すため、出産休暇(3日間、有給)及び短期育児休業(5日間、有給)を整備。
取組事例ダウンロード 

インタビュー

  • 人事部
    人事グループグループ長
    黒川 洋行さん(左)

    人事部
    杉崎 朋美さん(右)

取組のきっかけ・経緯

 当社は、2009年4月に株式会社オーエムシーカード、株式会社セントラルファイナンス、株式会社クオークの3社の合併により誕生しました。その際に、3社の両立支援制度の優れているところを取り入れるとともに、一部改定を加えて現在の両立支援制度を整備しました。商品やサービスの提供には多様な視点が不可欠であり、顧客も女性が多いことから、当社で約4割を占める女性従業員が活躍できる職場環境を整備することが必須であると考えています。 また、当社にはカードや信販の審査業務に携わる従業員が多数いますが、このような業務は経験の蓄積が重要で、経験を積んだ従業員には是非長く働き続けて欲しいと考えています。このため、妊娠中も、出産後に職場復帰してからも、安心して働き続けられる職場環境づくりを目指して関連制度を整備しています。当社の経営理念の一つである「目標を共有し、社員が思う存分に能力を発揮できる、風通しのよい職場をつくります」を実現するために、従業員一人ひとりが働く喜びを感じ、私生活も充実できるような環境づくりに取り組んでいます。

出産や育児に配慮した取組・制度等

 当社では、妊娠中の従業員が無理なく働けるよう、マタニティ休暇とマタニティ勤務を導入しています。マタニティ休暇は妊娠してから産前休業までの任意の期間で取得可能な休暇(無給)で、妊婦の不安を払しょくするため、日数の制限は設けていません。取得率は毎年平均して出産者の3割前後で、妊娠期の体調不良などで数か月取得する従業員もいます。 マタニティ勤務は妊娠中に利用できる短時間勤務制度で、5時間勤務、6時間勤務、7時間勤務の3つの中から選択可能です(所定労働時間は7時間25分)。主に満員電車での通勤の負担軽減等のため利用されています。その他の両立支援制度として、育児休業は子が3歳に達するまで取得可能としており、保育所に入所できないことを理由とする離職を防止したいと考えています。さらに、子の看護休暇を有給としたり、育児短時間勤務を小学校3年次就学満了まで利用可能とするなど、法定を上回る制度を多数導入しています。
 また、配偶者の出産時に取得できる出産休暇(3日以内、有給)や短期育児休業(同居する子が3歳に達するまで通算5日以内を限度に取得可能、有給)など、男性の育児参画を推進する制度も整備しています。全従業員のワーク・ライフ・バランス推進のため、今後も周知を図っていきたいと考えています。

制度導入による効果等

 両立支援制度により、妊娠、出産、育児を理由とした離職が減少し、従業員の継続就業に大きく貢献しています。これにより、ノウハウや経験が妊娠や出産を機に途切れてしまうことなく、職場復帰後にも活かされるようになりました。育児休業の取得率はほぼ100%で、毎年平均して100人くらいの従業員が利用しています。地域によっては保育所になかなか入所できないところも あり、最長3年という育児休業期間の中で、それぞれ保育所に預けられるタイミングで復帰しており、育児休業取得期間は平均して1年5か月程度です。また、育児休業から復帰した人の多くは、育児短時間勤務制度を利用しています(2016年8月現在164名)。当社の短時間勤務制度は、マタニティ勤務と同様、勤務時間を5時間、6時間、7時間の中から選択でき、通勤時間の長さや保育所のお迎えの時間に合わせて勤務時間を決めることができます。短時間勤務制度の利用者は、時間に制約がある中で成果を上げています。保育所のお迎えに間に合う範囲で最大限働きたいという声も多く、短時間勤務制度の利用者の仕事への意欲を感じています。
 採用面では、女子学生を中心として当社の充実した両立支援制度に高い関心を寄せてくださる方が増えており、一定の競争力につながっていると感じています。
 当社は、2010年にくるみんマークを取得し、2016年には女性活躍推進法に基づくえるぼし認定(2段階)を受けています。当社の安定した事業活動には女性の活躍が不可欠であるため、今後も取組を一層推進したいと考えています。

今後の課題・展望

 先述の通り、サービスや商品開発において多様な視点が重要であると考えていますが、残念ながら当社では、まだ管理職として活躍する女性が少ないことが課題です。そのような課題を解決するために、2014~2015年度にかけ「ダイバーシティミーティング」を開催し、女性がより活躍できる職場環境を整備するためには、どのようなことをすべきかを、各分野で活躍している女性社員を中心に議論・検討を行いました。 経営層を含め多様な立場の従業員とグループミーティングを重ねた結果、女性の活躍を推進する上で多くの課題が見えてきました。当社では、女性の管理職比率を2020年度末までに12%とする目標を立てていますが、職場によっては身近にロールモデルが少ないため、管理職を目指すイメージが描けない女性従業員が多くいることがわかりました。このため、今後、女性活躍に関する研修やセミナーなどを企画し、啓発に努めていきたいと考えています。また、両立支援制度利用者が増加する中で、時間に制約のある従業員も活躍できる環境整備のあり方を考えていく必要があると認識しています。「ダイバーシティミーティング」での意見から、育児中の従業員は、時間に制約のある中でも仕事に意欲があり会社に貢献したいと考えていますが、管理職が過剰に配慮し業務を制限してしまう等、必ずしも本人の望む形ではないこともあるようで、その間にあるギャップは思ったより大きいことがわかりました。今後は、これらの抽出された課題に対して、どのようにアプローチするかを検討し、施策を講じていきたいと考えています。

制度利用者の声制度利用者の声画像

急な体調不良でしたが、マタニティ休暇のおかげで安心して休めました

経営企画部
阿久津 詩織さん

制度利用の経緯

 私は2006年に入社し、2012年に現在の経営企画部に異動し、2014年10月に第1子を出産しました。当初は、産前休業の前に一部有給休暇を取得しようと考えていましたが、2014年6月に体調不良により急きょ入院することとなってしまいました。当初は少し有給休暇を取得して復帰できると思っていましたが、数週間の入院と退院後の自宅安静が必要なことが判明し、8月からマタニティ休暇を取得しました。自分自身も思いがけない入院だったので動揺しましたが、上司がマタニティ休暇制度のことを調べて連絡をくださったため、安心して休むことができました。 この休暇制度がなかったら、どこまで休暇を取得できるのか不安だったと思います。その後、産前・産後休業と育児休業を取得し、子どもが1歳半になった2016年4月から職場復帰しています。当社の育児休業制度は子が3歳に達するまで取得可能なので、1歳のタイミングで保育所に入所できなかった時も、焦ることなく安心して育児に専念できました。
 職場復帰後はフルタイムで働いています。上司や周りの方々に配慮していただき、残業はせずに定時で帰宅しています。また、夫とは保育所のお迎えを交替で行うなどして育児を分担しています。

今後育児と仕事を両立する方へのメッセージ

 育児と仕事の両立にあたっては、職場の方々や家族のサポートが本当にありがたいと感じています。また、妊娠中にマタニティ休暇を取得した時も、急なお休みにもかかわらず、温かくサポートしていただいたことにとても感謝しています。
  私は、以前より出産後も働き続けることに迷いはありませんでした。しかし、「子どもが小さいのに保育所に預けて働くなんてかわいそう」という意見を耳にすると、不安になることもあります。出産や育児は初めてのことばかりであるため、いろいろな情報に振り回されて疑心暗鬼になってしまうことも多いと思いますが、自分の信念(直感)を信じていれば、ほとんど上手くいくはずです。大変なことも多いですが、やりがいもたくさんあります。一緒にがんばりましょう。 

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