女性活躍・両立支援に積極的に取り組む企業の事例集

厚生労働省

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2016年度

NTTデータルウィーブ株式会社 (サービス業(他に分類されないもの))

従業員を家族同様に大切にする社風のもと、すべての従業員が働きやすい環境を整備しています。

認定マーク

企業プロフィール

設立
1961年
本社所在地
東京都千代田区
事業内容
IT・情報通信業
従業員数
650人(うち女性177人)
企業認定・表彰等
くるみん認定

取組内容

仕事と育児の両立支援テレワークフレックスタイム制妊娠中の労働者支援男性育児参画

特徴的な制度・取組など

  • 妊娠期間中、月に3回まで事由を問わずに取得することができる妊娠休暇(有給)は対象者のほぼ全員が利用。
  • 育児短時間勤務は子が3歳の誕生日前日まで利用可能。子が1歳未満の場合には、給与は全額支給。

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インタビュー

  • 管理本部 人事部
    人事管理・給与・労務
    H. T. さん

取組のきっかけ・経緯

 当社では、OUR CREDO(私たちの信条)※の一つである「One family(目的を共有し、助けあい、成長します。)」の価値観の下、従業員を家族同様に大切にする文化が根付いています。家族と一緒に過ごしたり、自分の時間を確保したりするため、誕生日休暇(1日/年、有給)、夏季特別休暇(7~9月の間に2日間付与される有給休暇)等、働きやすい職場環境を目指して休暇制度を拡充してきました。そして、お客様により良いサービスを提供し、仕事の生産性を高めるためには、従業員の多様な働き方を整備することが不可欠であると考え、以前から裁量労働制度、フレックスタイム制度、在宅勤務制度等、比較的自由度の高い働き方を導入してきました。両立支援関連制度についても、基本的な制度は導入しており、その後、定期的に改定を重ねています。育成した人材に一層活躍してほしい、また、継続して就業できるようにしたいという思いで、多様な働き方ができる職場環境づくりに取り組んでいます。

※当社で働く一人ひとりが共有し、大切に、永く伝え続けていく価値観のこと。

出産や育児に配慮した取組・制度等

 当社では、妊娠中の女性従業員が利用できる制度として、妊娠休暇を導入しています。これは、妊娠期間中には毎月3日まで事由を問わずに取得することができる有給休暇で、定期的な通院や体調不良時等に多くの従業員が利用しており、取得率はほぼ100%となっています。母子手帳を取得して人事総務部に申請することにより利用可能です。さらに、診療室を設置しており、休憩等に利用することが可能です。また、育児と仕事の両立を支援する制度として、育児のための短時間勤務制度は、子が3歳の誕生日前日まで、1日の勤務時間を1時間半まで短縮が可能となっており、このうち子が1歳の誕生日前日までは、給与は減額せず全額支給しています。子の看護休暇は1人につき5日/年、2人以上は10日/年で法定通りの日数ですが、すべて有給休暇となっており、2016年からは時間単位での取得を可能としています。家族の介護休暇も同様に、時間単位での取得が可能となっています。

 男性従業員の育児参画も推進しており、特にこどもと家族のための休暇取得を推奨し、こどもが誕生した男性従業員には人事からのメールや出産後面談の場で個別に働きかけています。これらの取組の結果、育児休業取得者数は、2019年の1名から2022年12月時点で育休対象の労働者の40%を占める4名に増えています。また、育児短時間勤務制度を利用する男性従業員も増えつつあります。

制度導入による効果

 働きやすい職場環境を整備してきた結果、当社では、出産や育児を理由に退職する従業員はいません。また、妊娠休暇や子の看護休暇は有給であり、多くの従業員が利用しています。以前から自由度の高い働き方を受け入れる社風があったため、男性の育児参画についても定着しつつあり、2カ月を超える育児休業を取得する男性従業員も出ています。当社の育児休業取得状況等を知り、就職活動中の学生も関心を寄せてくれるようになりました。また、時間外労働削減のため、平日は20時までに退社、水曜日は定時退社を目標としています。個々人が時間を意識して勤務することで労働時間を削減し、生産性を高める事は重要な取り組みだと考えています。

今後の課題・展望等

 2020年のコロナ禍以降、全社がテレワークを基本とした働き方へ移行しました。現在では従業員の8割~9割がテレワーク勤務をしており、感染対策だけでなく子育て中の従業員の働きやすさにもつながっています。さらにオフィスはリノベーションを行い、完全フリーアドレスや他部署と交流できるよう会話しやすいオフィスレイアウトへと変更しました。また、通勤手当の制度や居住地の考え方を見直し、遠方に居住しながら勤務できる体制を整備しました。居住地の制約がなくなったことを採用活動を行う中でも訴求し、優秀な人材の獲得につなげていきたいと考えています。働き方のニーズの多様化に合わせて、より働きやすい勤務制度を模索しながら社員にとって魅力ある会社の実現と一人ひとりが活躍できる環境づくりを進めていきます。

制度利用者の声 制度利用者の声画像

2度の妊娠・出産を経て育児と仕事を両立しながら
管理職に従事しています

Sense it Making Lab. 技術開発室 T1
マネージャー
M.S. さん

仕事と家庭の両立について

 カナダの現地ベンチャー企業でエンジニアを経験した後、2007年に中途採用で入社しました。入社後10年ほど金融部門でSWIFT関連のエンジニアとして勤務。入社3年目の2010年に結婚し、2016年に1人目を出産しました。1年間の育児休業を取得し2017年にフルタイムで復職、その後は現在も所属しているSense it Making Lab.に異動し、技術教育に関する業務に携わっています。

 妊娠・出産を2度経験しましたが、妊娠休暇の利用を経て、産前休業まで安心して勤務を続けることができました。初めて妊娠したときは所属部署に女性が多く、産休や育休を取得している先輩方がいる恵まれた環境でした。たくさんのアドバイスをいただいたのは勿論のこと、妊娠後に利用できる社内制度や公的手続き、それらのスケジュールがリスト化されたマスター表をいただいたのがとても有難かったです。

 社内他部署に勤める夫も、配偶者出産休暇と1年間の育児休業を取得しましたので、夫婦で子育てに専念できました。復職後、短時間勤務制度は利用しませんでしたが、通勤とこどもの送迎はかなり負担でした。こどもが体調を崩したときの対応に、夫と私とでそれぞれ子の看護休暇(有給)を充てて乗り切っています。また、ここ数年コロナ禍でテレワークが基本となったのは大きな変化でした。私が出社するのは週に1度、夫は月に数回。フレックスタイムを利用して朝早く始業し夕方早く切り上げたり、休憩時間にこどもを迎えに行ったりと、柔軟に対応できるのでとても助かっています。ただ、在宅勤務の場合、仕事とプライベートとの境界があいまいになりがちなので、オンオフの切り替えを意識するよう気を付けています。

今後、育児と仕事を両立する方へのメッセージ

 2度目の育児休業から復職して今の部署に異動した後、統括マネージャーのポジションを打診されました。もともと管理職を目指していましたが、復職して間もなかったこともあり、メンバーに負担をかけるのではないかと不安を感じていたところ、上司から「練習と思って早いタイミングからチャレンジしたほうがいい」と背中を押していただき、思い切って引き受けて今に至ります。2度の出産、その後の育児と仕事を両立できてこられたのは、社内制度を利用しやすい企業風土と、上司をはじめ周囲から手厚いフォローがあったからだと感じています。社内外の機関やグループ会社の相談窓口なども含め、働き続けるための環境は整っていますので、困ったことがあっても自分ひとりで悩まず、頼れるものは遠慮なく頼ってよいと思います。

 キャリアは環境で左右されるものではありません。仕事のチャンスに恵まれたらぜひ挑戦してほしいです。さまざまな事情があっても、管理職を含め未来への道は拓けます。制度をうまく利用し、家庭内でもできるだけ役割分担することで、どんなポジションでも結果を出して進んでいけると思います。

掲載年度:2016年度(2023年2月更新)

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