女性活躍・両立支援に積極的に取り組む企業の事例集

厚生労働省

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2017年度

セロリー株式会社 (製造業)

長く働き続けられるよう、できるだけ本人の希望に沿う形で職場に復帰してもらっています

認定マーク

企業プロフィール

設立
1969年
本社所在地
岡山県岡山市
事業内容
製造業(オフィス・サービス・ケアユニフォーム等の企画、製造、販売)
従業員数
140人(うち女性85人)
企業認定・表彰等
くるみん認定、均等・両立推進企業表彰

取組内容

仕事と育児の両立支援仕事と介護の両立支援再雇用制度男性育児参画

特徴的な制度・取組など

  • 結婚、出産等、家庭の事情で退職した従業員を、離職期間が7年以内であれば再雇用するウェルカムバック制度を導入
  • 再雇用の際には、人事部門との面談により、短時間勤務制度の適用等、できる限り本人が希望するような勤務体系を実現

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インタビュー

  • 総務部 総務課
    マネージャー
    小山 陽子さん

取組のきっかけ・経緯

 当社は女性用のユニフォームを製造しています。商品のユーザーは働く女性が中心であり、従業員も女性が多いことから、以前から女性が働きやすい職場環境が整備されてきましたが、特に両立支援の取組に注力したきっかけは、男性も含めた仕事と家庭の両立支援をしやすい職場環境を整備する国の事業に参加したことです。社長も働きやすい職場環境づくりへの関心が高かったため、応募することとしました。そして、これまで法定通りで導入していた両立支援関連制度についても、拡充することとし、小学校就学前まで利用可能な育児短時間勤務、ウェルカムバック制度等を導入しました。

 両立支援関連制度の拡充をはじめとする働きやすい職場環境づくりを進めた結果、当社の取組を好事例として紹介していただいたり、企業表彰を受ける機会が増え、職場の理解も一層深まったように感じており、相乗効果となりました。

具体的な制度の内容

 ウェルカムバック制度は、結婚、妊娠、出産、育児、介護等の家庭の事情により退職した社員及びパート社員を、原則として離職後7年以内であれば、本人と会社側のニーズがマッチした場合に再雇用するという制度です。この制度は2008年3月に導入しました。制度を導入してから現在までに5人がこの制度を利用して職場復帰しています。この制度の最大のメリットは、会社側にとっては、仕事の内容や技術等について教育訓練の機会を提供しなくても、即戦力として勤務してもらえることです。特に、繁忙期等で人手が必要な時、以前当社で勤務していた方が戻ってきてくれると非常に助かります。実際、復帰した中の一人は、育児中でフルタイムでの復帰は難しく、繁忙期のみの短期での復帰という形でこの制度を利用しました。復帰する側も、業務の内容や職場環境について十分な知識があり、職場復帰に当たり、初めての職場で新しい業務を覚え、人間関係も一から構築するというプレッシャーがなくスムーズに復帰できるため、心強いと考えています。実際に、出産・育児等を理由に離職していた方が職場復帰するに当たっては、仕事と家庭の両立に不安があったり、また、復帰当初はフルタイムでの勤務が難しいケースもありますが、当社では、それらの事情を勘案した上で、本人が希望する勤務形態にできるだけ沿う形で復帰してもらっているので、本人の負担も少ないと考えています。一般的には、初めての職場で入社当初から短時間勤務を認める職場は少ないと思いますが、当社では、一度退職した従業員との間に、既に信頼関係が構築されていることから、復帰時点での育児短時間勤務を認めています。

 育児短時間勤務制度は、当社では大変利用者の多い制度です。当社の就業時間は8:45~17:45となっていますが、本社のある岡山地域では、大半の保育園が18時までとなっており、保育園までの時間に合わせて時間短縮をしている従業員がほとんどです。

 子の看護休暇(有給)は、男性従業員の利用も多いです。また、男性従業員の育児参画を促進するため、育児休暇について、生計維持者については最初の5日間を有給としています。

 会社としてワーク・ライフ・バランスをとても大切に考えていますので、例えば残業もほとんどなく、ほぼ定時退社です。また2022年からは完全週休2日制を導入しました。男性女性問わず、オンオフをしっかりと切り替えた働き方ができます。

制度導入による効果等

 ウェルカムバック制度については、先述の通り、十分な知識と経験を持って即戦力として復帰してもらえるため会社にとってメリットは大きいですし、制度利用者にとっても、馴染みのある職場環境でこれまでの知識や経験を活用して仕事に戻ることができるため、双方にとって有効な制度であると感じています。近年は、結婚や育児を理由として退職する従業員はいないため、制度利用者が増加することはないと思いますが、今後も配偶者の転勤や介護等が発生する可能性はあるため、制度としては維持していきたいと考えています。

 当社では以前から離職率は低かったのですが、近年では、結婚、妊娠、出産等を理由とした離職者はほとんどいなくなりました。仕事と育児を両立している従業員が増えたことで、若い従業員も、先輩の姿を見ながら、出産、育児を経ても働き続けるキャリアプランをより具体的に描きやすくなっているように思います。当社を志望する学生も、長く働き続けたいと考えているため、当社の従業員が仕事と育児を両立して働き続けていることに高い関心を持っています。また、女性にとって働きやすい職場は男性にとっても働きやすい職場であるため、女性が働きやすい職場環境を整備してきた結果、誰もが長く働き続けられる環境になっていると考えています。

今後の課題・展望

 今までは、育児についての制度利用者が多かったですが、ここ数年介護の制度利用者が増えてきています。今まで介護のほうは利用者が少なかったため事例も少なく、育児に比べ充実度合いも少し劣るので、今後は介護に関する制度についても、事例をふまえながら仕事と両立できるような制度を充実させていきたいと思っています。

制度利用者の声 制度利用者の声画像

二人目の出産を機に、以前の職場に戻ることを決めました

商品部 物流センター リーダー
横畑 宏美さん

復帰する際は、復帰させてもらえるうれしさの反面、不安もありました

 私は2002年に当社に入社し、約3年半勤務した後、実家を手伝うために退職し、県外の実家に戻りました。その後、縁あって結婚を機にまた岡山に住むことになったのですが、その時は有期契約での仕事をしたり、第1子が生まれてからは家から近い別の会社で働いていたりしました。

 ウェルカムバック制度を利用した当社への再入社のきっかけは、第2子出産の際に、当時勤めていた会社をいったんやめざるを得ない状況となったことです。私は働き続けたいと思っていましたので、次の就職先をどうしようかと考え、以前お世話になった職場でまた働けないかと思い、当社に連絡を取りました。ウェルカムバック制度を知っていたのと、気心が知れている職場でまた働きたいと思ったのが理由です。

 ただ、ウェルカムバック制度は、会社と退職した本人のマッチングが必要です。以前当社で働いていた当時、私は経理職として働いていましたが、再就職をお願いしに行ったとき経理職は人手が足りていました。無理かな、と思っていたところ、経理職ではなく物流センターの事務であればお願いしたいとの連絡を会社からいただきました。しかし、私は経理職での復帰を考えていましたのでかなり悩みました。携わったことのない仕事ですし、職場環境も経理と物流センターでは違いました。また、会社への通勤時間の問題もありました。前よりも通勤時間が長くなり、子育てをしながら仕事をやっていけるのか、お願いして入社させてもらうのに迷惑にならないだろうかと考えました。

 そして家族とも十分に話し合い、会社とも相談して、育児短時間勤務制度を利用し当社に復帰することに決めました。

家族と職場の理解に感謝しています

 私は以前とは違う職種での復帰でしたので、同じ会社での復帰とは言え、仕事はかなり大変でした。ただ、子育てをしながら仕事をする、というスタンスについては職場に理解がありましたので本当に助かりました。

 以前とは違う職場なので一緒に働く人も違いましたが、物流センターは私より年上の従業員の方が多く、その多くが子育てを終えているくらいの年代の女性でした。そのため、子どものことで私が勤務時間を短縮していることも、また子どもの体調によって急にお休みすることも、とても理解してくれました。そのことが私にとっては本当に安心できました。

 また、家族の協力にも感謝しています。保育園の送迎は夫と連絡を取りながら早く行けるほうが行ったり、子どもの学校行事なども夫が積極的に参加してくれたりします。

 ちょうど今年から下の子も小学生になり、私は短時間勤務からフルタイムへ戻りました。大変ではありますが、職場環境も、去年からお休みが土日祝日の完全週休2日制になったり、残業もほとんどなくほぼ定時退社であったりとさらに働きやすくなっていますし、家族も変わらず今まで通り協力してくれますので、こうして働き続けられています。

 ウェルカムバック制度の門をたたいた私を受け入れてくれた会社、支えてくれている家族、そして大きくなって私が仕事をしていることを理解して協力してくれる子どもたちにも感謝しています。

掲載年度:2017年度(2024年2月更新)

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