女性活躍・両立支援に積極的に取り組む企業の事例集

厚生労働省

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2024年度

静銀ビジネスクリエイト株式会社 (金融業、保険業)

キャリアアップのための制度の整備とキャリアビジョン形成のサポートで、従業員のモチベーションを向上

認定マーク

企業プロフィール

設立
1999年
本社所在地
静岡県静岡市
事業内容
金融サービス業
従業員数
658人 (うち女性 568人)
企業認定・表彰等
くるみん認定、えるぼし(認定段階3)、プラチナえるぼし

取組内容

女性活躍推進 女性管理職登用

特徴的な制度・取組など

  • 管理職登用に向けた制度の整備
  • 育児休業を取得している従業員に対するセミナーにてロールモデルとなりうる先輩社員の講話および交流の場を提供
  • キャリアに関する研修制度を整え、育児短時間勤務者を含めたキャリアビジョンの形成をサポート

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インタビュー

  • 経営管理部
    田中 優さん

取組のきっかけ・経緯
女性の多い職場であるため、会社の発展において女性活躍のための取組は必須

 当社は静岡銀行の事務サービス受託会社として設立以来、実務の担い手である女性従業員の割合が高く、現在は全体の8割以上を占めています。そのため、当社の成長・発展に女性従業員の活躍は必要不可欠と考えています。設立当初は女性の活躍推進に向けた具体的な施策はありませんでしたが、会社の規模が大きくなるにつれて従業員の構成が多様化し、一人ひとりのライフスタイルの変化に対応する必要性が高まりました。また、2015年に女性活躍推進法が成立(2016年施行)したこともあり、当社としても、職場環境の整備にぐっと力を入れて取り組むようになりました。

具体的な取組の内容

天井なくキャリアアップを目指せる制度の整備

 設立当初、当社では、役職(課長職)に就くための昇進試験(アセスメント試験)は整備していましたが、新卒で入社した従業員は若くてスキルや経験が少ないこともあり、管理職に就くためのアセスメント試験は整備していませんでした。そのため、当時は親会社であった静岡銀行からの出向者や転籍者が管理職を担うケースが多かったのですが、会社の成長に伴い、人材の育成も図られ、2022年度より所属長や部長クラスの管理職に就くためのアセスメント試験に挑戦できる制度を整備しました。また、合格者を対象に半年間研修を実施したり、メンター制度を設ける等、管理職を担うために必要な知識や心構えを習得する機会も設けています。これらは性別にとらわれない制度ですが、女性従業員が8割以上を占める当社においては、女性活躍を推進させる取組といえると思います。


キャリアビジョンを考えるきっかけづくり

 上記の通り管理職を目指せる制度を整備しても、育児等を理由にキャリアアップをあきらめてしまう可能性もありますので、育児休業中の従業員に対して、会社の最新動向について情報提供することに加え、復職に対する不安軽減や復職後の働き方についてイメージを持ってもらうことを目的にセミナーを実施しています。具体的には、毎年2名ほど育児経験のある先輩社員に登壇してもらい、講話や交流の場を設けています。女性従業員が多い当社では、身近にロールモデルが多いことも、「私もできるかも」と考えてチャレンジしやすい環境を作り出している一つの要素と考えています。

 また、キャリアビジョン研修にも力を入れています。これまではキャリアに特化した研修がありませんでしたが、「やむを得ず」ではなく、自分でキャリアを考え選択できる従業員が増えてほしいと考え、数年前に研修制度を設けました。研修では、外部の講師をお招きし、毎年十名程度を対象に、自分のキャリアを考える機会を1日設けています。今年度については、子育てしながら自身も成長し続けられるよう、育児短時間勤務をしている女性従業員等に対して研修を実施しました。

取組の成果・取組を進めたことによる効果等
働きやすさの向上と、キャリアパスの多様化

 様々な施策を通して、自身でキャリアを考えて選択し、今置かれている状況の中で活躍しようと取り組んでいる女性従業員が多くなったと感じています。現在、当社では執行役員2名のうち女性が1名、管理職12名のうち女性が4名と、女性の登用も進んでいます。このように各役職でロールモデルが生まれたことで、幅広いキャリア選択の可能性を女性従業員に示すことができつつあると考えています。

 また、女性従業員の働きやすさも向上していると感じています。これまでは体調不良や健康相談について男性の上司には詳細を言いにくい面もありましたが、女性の上司が増えたことをきっかけに、性別に関係なく女性活躍への理解が深まっていることから、若手の従業員からは体調不良等の自分の状況を男女関係なく上司に相談しやすくなったという声もありました。

今後の課題・展望
女性活躍に対する視野を広げ、当社の従業員やその周りの人が社会で輝けるような仕組みづくりを促進

 今後もライフイベントや健康課題等に柔軟に対応し、多くの女性が長く活躍できるように社会変化に対応した仕組みづくりを行っていきたいと考えています。「女性活躍」というと「育児と両立しながら活躍すること」のみを連想される方もいるかもしれませんが、介護やプライベートの充実等、各々が輝くために必要なサポートはさまざまあります。これまでは育児というライフイベントに重点を置いてきましたが、女性活躍に対する視野を広げて、従業員の声の中から具体的な課題を見つけ、従業員がますます輝けるような仕組みづくりを行っていきたいです。

 また、多くの女性が活躍している環境を従業員に肌で感じてもらい女性活躍に対する理解を深めてもらうことで、従業員やそのご家族、周囲の人たちの社会での活躍にも繋がるでしょうし、こうした私たちの活動が広く地域に連鎖していけば幸いです。

従業員の声 制度利用者の声画像

制度の整備や周囲の環境の変化によって、キャリアに対する考え方が変化

事務集中サービスセンター
成岡 亜美さん

キャリアアップを目指せる環境が整備されていることと、目指したいと思える人が身近にいることで、キャリアアップのモチベーションが向上

 私は2007年に入社し、2013年と2016年の2回、産前産後休業および育児休業を取得しました。復帰後は、1回目、2回目ともに育児短時間勤務制度を利用し、2019年からフルタイムで働いています。復帰の際、後輩が自分よりも上の職位に就いて活躍している姿をみて、自分が休業している期間にいつの間にかキャリアアップにおいて遅れをとってしまったと焦りを感じました。またそれと同時に、自分が「キャリアアップしたい」と思っていることに気づくことができました。そんな中、2021年にアソシエイトチーフ(検印権限を付与され、上席をサポートする立場)に任命され、これまでの努力や取組が評価されたことがうれしく、また自分が目指す姿に着実に進んでいることを実感でき、さらに上を目指していきたいと強く思うようになりました。私が入社した当初は、静岡銀行からの出向者や転籍者が管理職を担っていたこともあり、当社の従業員の未来が不透明で私自身が働き続けられるのか不安に感じることもありましたが、近年はキャリアに関する制度が整備され、実際にたくさんのロールモデルが身近にいます。キャリアアップを目指せる環境が整備されていること、目指したいと思える人がいることが、私のモチベーションにつながっていると感じています。

これからも社会人としてどんどん成長・挑戦していきたい

 私は、これからも社会人として成長できるよう挑戦し続けたいと考えています。2024年には、受験資格を満たし、課長職アセスメント試験を受験し合格することができました。今後は、課長職に昇進したのち、更に管理職を目指し、会社に貢献していきたいと考えています。また、後進の従業員にとってロールモデルの一人として魅力を感じてもらえる従業員でありたいですし、3児の母として、仕事もプライベートもあきらめたくありません。そんな挑戦し続ける姿を子どもたちに見せられたらと思っています。

(データの取材時点:2024年11月)

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