女性活躍・両立支援に積極的に取り組む企業の事例集

厚生労働省

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2024年度

ポケットカード株式会社 (金融業、保険業)

仕事と育児の両立支援制度を導入し従業員のキャリア形成を後押し

認定マーク

企業プロフィール

設立
1982年
本社所在地
東京都港区
事業内容
金融業(クレジット事業、融資事業 等)
従業員数
404人 (うち女性 190人)
企業認定・表彰等
くるみん認定、プラチナくるみん認定、えるぼし(認定段階3)、均等・両立推進企業表彰

取組内容

仕事と育児の両立支援

特徴的な制度・取組など

  • 育児休業取得に関する情報を盛り込んだパンフレットを作成し、男性従業員やその上司にも配布
  • 法を上回る、仕事と育児の両立に寄与する制度の導入

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インタビュー

  • 人事部 HRM室 室長
    Tさん

取組のきっかけ・経緯
従業員が活躍できる環境を目指して

 当社では昔から仕事と育児の両立に関連する制度自体は導入していましたが、約5年前に経営陣が変わった際、両立支援に力を入れていかないと女性従業員のキャリア形成ができず、女性管理職率も向上しないという課題意識を持ちました。そこで経営陣が旗振りを行い、女性従業員の就業継続だけではなく、キャリア形成のため、仕事と育児の両立を支援する取組に力を入れるようになりました。

具体的な取組の内容

法を上回る、仕事と育児の両立に寄与する各種制度

 当社では、以下のような制度を設けて、従業員の仕事と育児の両立を支援しています。

・勤務時間に関する各種制度
 当社では、子どもがいる従業員を対象とした育児のための勤務時間の調整に関する制度として、「短時間勤務制度」「時差出勤制度」を導入しています。「短時間勤務制度」は法定では子どもが3歳になるまでとなっていますが、当社の制度の利用期間は子どもが小学校3年生の年度末までと、法を大幅に上回る制度となっています。
 また、「時差出勤制度」は、午前7時から午前10時の間に出勤時間をずらすことができる制度で、制度利用期間は子どもが小学校を卒業するまでとなっています。従業員の中には子どもが小学校4年生になるまで「短時間勤務制度」を利用し、その後「時差出勤制度」を利用し、仕事と育児を両立しているケースもあります。

・休暇・休業制度
 当社では男性従業員を対象とし、配偶者の出産の前後3日の間に3日間休暇(有給)が取得できる「慶弔休暇制度」を導入しています。
 また、法定の育児休業の期間は、原則子どもが1歳になるまでとなっていますが、当社の「育児休業制度」の利用期間は子どもが3歳までと、法を上回る制度となっています。


仕事と育児の両立のための各種取組

・育児休業等に関するパンフレットを作成
 当社は、女性の活躍のためには男性の協力も非常に大事だと考え、主に男性従業員へ向けた育児休業等に関するパンフレットを作成し、制度に関する情報以外にも育児休業取得中の収入がどうなるかといった、具体的な情報を掲載したり、実際の制度利用者の声を紹介したりしました。
 パンフレットは社内のイントラネットに掲載するとともに若年層を中心に配布しましたが、同時に所属長にもメールにて案内したこともあり、全社的に男性の育児参画に関する意識が変わったと感じています。

・女性活躍の研修を開催
 当社では、外部から講師を招き女性の活躍推進のための研修を実施しています。参加に際しての制限は特にないため、女性従業員だけではなく、男性従業員や管理職層も参加をしています。立候補制で参加を募っているため、参加者の女性従業員のキャリアアップに対する関心度は非常に高く、実際の参加者のキャリアアップ率も高いといった結果になっています。また、研修では参加者の直属の上司にも参加してもらい、従業員が仕事と育児を両立しつつ成長することを支援するためのポイントを解説する時間も設けています。
 女性活躍には本人の意識も大切ですが、管理職の意識も非常に大切であるため、今年度の研修では管理職を対象にイクボスの要素を交ぜつつ、時間に制約がある従業員の働き方に関する内容を盛り込む予定としています。

取組の成果・取組を進めたことによる効果等
仕事と育児の両立に寄与する制度の導入により仕事への姿勢も変化

 仕事と育児の両立に寄与する各種制度の導入や取組を実施したことにより職場環境が改善され、仕事と育児を両立し就業継続しやすい環境となりました。また、就業継続のみならずキャリアアップを目指す従業員も以前より増えており、自身のキャリアに対して前向きな従業員が増えました。

 また、職場環境の改善により、プラチナくるみん認定の取得につながり、その結果、採用にも好影響を及ぼしています。採用活動の場では、認定取得の効果もあり、仕事と育児の両立が実現可能といった印象を持っていただけるようになっています。

今後の課題・展望
管理側に対してのフォローや育児以外の課題解決

 仕事と育児の両立等に関する各種制度を導入することにより、従業員の働き方がより柔軟になりました。従業員には子どもがいてもキャリアアップをあきらめないでほしいと思いますので、当社としてはさらに仕事と育児の両立に資する環境を整えたいと考えています。

 そのためにも、まずは仕事と育児の両立に関し、現場での制度利用の実態や、現場における問題点に目を向け、どのような点が仕事と育児の両立の課題となっているかを把握していくことが必要だと考えています。

従業員の声 制度利用者の声画像

会社の制度を利用することで仕事と育児の両立を実現

(左)営業第一部 マネージャー
Mさん(制度利用者)

(右)人事部給与厚生室 マネージャー
Hさん(人事労務担当者)

制度を利用しやすい職場環境の中で仕事と育児の両立を実現

 私が利用した・利用している仕事と育児の両立に関する制度は育児休業制度と短時間勤務制度です。

 私が入社した当時から職場には産前産後休業・育児休業を取得している同僚がいたため、育児休業制度を利用することは自然なことで、自分が制度を利用する際も気兼ねなく利用することができました。また、育児休業後は短時間勤務制度を利用することを予定していたため、職場復帰に対し大きな不安はありませんでした。

 現在、短時間勤務制度を利用しています。制度を利用しないと、通勤に片道1時間以上かかり、通常勤務で早朝・延長保育となってしまい、時間的・体力的な面で仕事と育児の両立は難しいですが、制度を利用することでそういった課題も解決でき、就業継続できることは収入面でも経済的メリットは大きいと感じます。

 今後、自分がキャリアアップして管理職になった時に両立できるかといった不安はありますが、制度が整っている環境であれば、育児を理由に仕事を辞めたり、キャリアアップをあきらめたりすることなく就業継続できるため、会社にとっても自身にとっても良い環境が整ってきていると感じています。

(データの取材時点:2024年9月)

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