女性活躍・両立支援に積極的に取り組む企業の事例集

厚生労働省

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2024年度

株式会社ヤマハコーポレートサービス (サービス業(他に分類されないもの))

「New One!!プロジェクト」でキャリアアップ支援を継続

認定マーク

企業プロフィール

設立
1997年
本社所在地
静岡県浜松市
事業内容
コーポレートシェアードサービス事業
従業員数
564人 (うち女性 240人)
企業認定・表彰等
くるみん認定、プラチナくるみん認定、えるぼし(認定段階3)、プラチナえるぼし

取組内容

女性活躍推進

特徴的な制度・取組など

  • 女性活躍推進委員会から発展した「New One!!プロジェクト」による新たな施策の提言
  • 育児休業からの復職後に実施される社長面談とキャリア面談により、従業員の希望を把握して改善策を検討
  • キャリア形成を支援する取組の一環として、キャリアパスの公開とメンタリングの取組を開始

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インタビュー

  • 経営管理部
    浮田 千晶さん

取組のきっかけ・経緯
女性活躍推進法への対応を機に女性のキャリア意識向上を目指した取組を開始

 2016年4月に女性活躍推進法が全面施行されたのをきっかけに、女性従業員が長く働き続け、活躍できる雇用環境を整備するための取組を開始しました。当時から女性従業員比率は高いものの、管理職に占める女性の割合が低いことや、管理職を目指す女性が少ないという課題がありました。こうした課題の解決と会社の更なる活性化に向けて、女性従業員のキャリア意識向上に向けたさまざまな取組を推進しています。

具体的な取組の内容

女性活躍推進委員会から発展した新たなプロジェクトが若手中心に始動

 まず女性のキャリア形成のため、2019年から「女性活躍推進委員会」を立ち上げ、少人数でワーキンググループ形式の勉強会を開催するなど、現状の課題分析や打開策の検討結果をまとめ、施策を提言してきました。

 女性活躍推進委員会という名前の通り、その参加メンバーは当初女性のみでした。2024年度から、それまで若手が中心に活動していた「New One!!(ニューワン)プロジェクト」という取組と統合され、性別・年代にかかわらず、従業員が活躍して輝くためにはどういった会社にしていきたいのかを検討するプロジェクトへと発展しました。月に一度実施している委員会は、社内の9事業部から各1~2名ずつメンバーを選出して、女性だけでなく男性も参加する現在の形へと進化し、各種の検討を行っています。


育児休業明けの所属長とのキャリア面談後、社長面談で従業員の要望を確認

 育児休業からの復職直後に、直属の所属長とフォローアップを兼ねたキャリア面談を行い、復職から1~2か月後には社長面談で本人の要望を聞く機会を設けています。社長が直接ヒアリングすることで、従業員の要望を所属長に伝え、改善を促すことが可能になり、また意見収集した結果を全社の女性活躍や両立支援のための環境整備に生かすという仕組みができています。

 実際に社長面談を受けた従業員からは、「決して堅苦しいヒアリングではなく、いろいろな話を真摯に聞いてもらえる雰囲気の中で、率直に希望を伝えることができた」との声が届いています。


キャリア意識を高める取組で従業員のキャリア目標の設定をサポート

 社内調査をする中で、全社的にキャリア目標を持ちにくいという課題を認識しました。 女性活躍推進委員会(現 「New One!! プロジェクト」)でキャリア目標の達成を目指して女性従業員が成長できる機会をつくるため施策を検討した結果、持続的成長スパイラルを継続するための3つの提言がありました。具体的には、社内でキャリアパスを公開する座談会の企画(キャリアパス大公開)、グループ会社・工場見学ツアー、メンタリングです。メンタリングは、事業部長との面談を通して自身のキャリアに対する意識を高めていく取組を推進しています。もともとは6~15年目の女性従業員を主に対象にしていましたが、現在は、対象を全従業員に拡大し、希望者全員と実施しています。今後は女性だけに限らず、従業員全員が活躍できるような施策をさらに展開していきたいと考えています。

取組の成果・取組を進めたことによる効果等
キャリア意識向上に向けた取組を展開、働きやすい環境の整備により採用応募者が増加

 「New One!! プロジェクト」で提言された施策をもとにキャリアアップを支援する取組を進めた結果、従業員が自発的にキャリア形成を考え、目標を立てることが浸透し始めていると感じています。

 社長の積極的な働きかけもあり、働きやすい環境の整備や女性活躍推進の取組が認められ、2020年に「プラチナくるみん」認定、2021年に「プラチナえるぼし」認定を取得しました。従業員が働きやすく、しっかり休みを取りやすい環境が整えられたことで、人材採用においてもワーク・ライフ・バランスを重視している会社と認知され、優秀な人材の確保につながっています。

今後の課題・展望
キャリア形成支援と働きやすい環境の整備により働きがいのある会社へ

 キャリア形成の支援を開始しましたが、まだキャリア意識の醸成が不十分な点や、目標を持ちにくいなどの課題があります。現状をより改善するため、タレントマネジメントシステムの導入やキャリア開発面談など、さらなる取組の強化を検討し、実施していきたいと考えています。

 そして、今後も働きやすい環境の整備を進め、女性だけでなく全従業員がやりがいを持ち、生き生きと働ける会社を目指します。そのための方策を検討、実施して、より良い会社にしていきたいと考えています。

従業員の声 制度利用者の声画像

育児の経験を生かして、従業員から頼られるような人材のプロを目指します

経営管理部
杉崎 知里さん

「キャリアパス大公開」で働き方のヒントを得て、キャリアを考えるきっかけに

 前職では、小売業で物流関連の総務を行っていました。2013年に当社に入社して、HR事業部で採用・教育に関する業務を担当し、ヤマハの人事部門と連携して研修を企画・実施するなどしてきました。2016年と2019年に2度の育児休業を取得し、現在はHR事業部での経験も生かし、経営管理部で人材育成を担当しています。

 2023年に初めて実施された「キャリアパス大公開」という施策では、管理職や管理職になる前の従業員から、各人のキャリアについての話を聞く機会がありました。さまざまな従業員のキャリアとキャリアに関する考えを聞くことで、従業員一人ひとりに仕事への価値観・スタイルがあることを知り、自分の働き方を見つめ直す良い機会になりました。挑戦することの大切さも認識し、自分もチャンスがあれば挑戦してみたいと感じました。


事業部長とのメンタリングの中で見えてきたキャリアの目標

 自分のキャリアを見つめ直したいと考え、メンタリングの希望を出し、事業部長のメンタリングを受けています。月1回話をする中で、自分のキャリアをより深く考えることができました。その中で「人に関するプロになりたい」という考えを話したところ、現在、そして数年後のなりたい自分の姿を思い描くようにとアドバイスを受けました。

 今後のキャリアを考える中で、将来、困った時に従業員から相談してもらえるような立場になることを目指して、労務管理についても勉強していきたいと思っています。従業員が定年退職する時に当社で働けて良かったと心から言える会社にしていけるように、今後もいろいろな経験をしながら知識を身につけて目標に向けて取り組んでいきたいです。

(データの取材時点:2024年8月)

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