女性活躍・両立支援に積極的に取り組む企業の事例集

厚生労働省

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2023年度

太洋テクノレックス株式会社 (製造業)

全従業員を巻き込んだ取組で環境づくりと意識改革を実施

認定マーク

企業プロフィール

設立
1960年
本社所在地
和歌山県和歌山市
事業内容
製造業(電子基板、基板検査機、鏡面研磨機ならびに産業機械等の製造及び販売)
従業員数
202人(うち女性57人)
企業認定・表彰等
くるみん認定、プラチナくるみん認定、えるぼし(認定段階3)、均等・両立推進企業表彰

取組内容

女性活躍推進女性職域拡大女性管理職登用

特徴的な制度・取組など

  • 会社と従業員がWin-Winな関係でいられるようにという意味が込められたWin-Winプロジェクトを中心に従業員がさまざまな取組を企画・実施
  • 出産・育児サポートBOOKを作成し、長期的なキャリアプランの構築を手助け
  • 女性従業員に対して働き方に関する継続的なアンケートを実施
  • 外部講師による、女性従業員の育成に関する管理職研修を実施

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インタビュー

  • 経営管理部
    総務・人事グループ 主任
    崎山 千晴さん

取組のきっかけ・経緯
人事担当役員の声で取組がスタート

女性活躍推進の取組を始めたきっかけは、2010年に「第3次男女共同参画基本計画」にてポジティブ・アクションの推進が明記され、女性活用について社会的機運が高まってきたことです。当時、当社は製造業としては比較的女性従業員が多いものの、76名いる役職者の中で女性は副主任1名のみで、また20年以上勤務している従業員33名中女性従業員は2名という状況であり、大きな男女格差や旧態依然とした意識が蔓延していました。そのような中、当時の人事担当役員が、厳しい経営環境下で今後生き残っていくためには女性の戦力化が必須であると考え、ある女性従業員に「会社を変えてみないか」と提案しました。そして、2010年に女性活躍推進に取り組むWin-Winプロジェクトが発足されました。

具体的な取組の内容
環境づくりと意識改革の2つのアプローチを軸に従業員がさまざまな取組を実施

 Win-Winプロジェクトは、会社と従業員がWin-Winな関係でいられるようにという意味が込められています。このプロジェクトでは、ワーク・ライフ・バランスに通じる環境づくりへのアプローチと、ポジティブ・アクションに通じる意識改革へのアプローチの二つから構成されており、それぞれについて方針や取組内容を定め実施しました。プロジェクトは2年に1回チーム編成があり、第1期メンバーが環境づくりに取り組み、第2期メンバーが意識改革に取り組みました。

 環境づくりへのアプローチでは、出産・育児サポートBOOKの作成や、男性従業員の育児休業の推進、ノー残業デーの制定、子ども参観日の実施、育児短時間勤務制度の拡張を行いました。出産・育児サポートBOOKでは、妊娠や出産、育児の際に必要な事務手続きや利用できる支援制度、パートナーや上司に対して求められるサポート内容等がまとめられており、出産や育児に関する疑問や不安の解消と、長期的なキャリアプランの構築を目指しています。育児短時間勤務制度は、以前は3歳に達するまでの子と同居し養育する従業員が対象でしたが、小学校就学始期までに改訂しました。現在はさらに拡張し、小学校3年生終了までの子と同居し養育する従業員が対象になっています。また、始業時間や勤務時間のバリエーションも増やして柔軟に対応しています。

 意識改革へのアプローチでは、初めに女性従業員全員にアンケートを実施しました。結婚・出産にかかわらず定年まで当社で働き続けたいか、管理職を目指しているかといった質問に対して、「いいえ」と回答した女性の多くは、家庭との両立が困難であることを理由にしていました。一方管理職に対して個別に意見を聞いたところ、女性従業員の育成に対する理解・納得が得られていない状況でした。管理職の中には、女性従業員に対して過度な気遣いをしてしまう者もおり、「もっと仕事をしたい」と考えている女性従業員と認識にギャップが生じていることもありました。そのような状況を踏まえ、外部の講師による、女性従業員の育成に関する管理職研修や女性従業員研修、女性従業員の育成・登用に関する数値目標の設定・公表等を実施しました。また、2013年には半休制度を導入し、育児と仕事の両立を推進しました。現在は時間単位の有給休暇も導入しています。

取組の成果・取組を進めたことによる効果等
積極的に働くために休みを取るという意識への変化

 取組を始めたことで、全従業員の働き方に対する意識が変わってきたと感じています。育児と仕事の両立のための取組を充実させることで、これまでは短時間の用事のために有給休暇を使用していたところを時間単位の有給休暇の使用が可能になり、積極的に働くために休みを取るという意識に変化していると考えます。

 女性の役職者数が2010年時点では1名でしたが2023年には7名になりました。また、女性従業員の平均勤続年数が2010年時点では6.9年でしたが、2023年に13.9年と大幅に伸長しました。平均勤続年数の伸長とともに、女性管理職の割合も今後徐々に増えてくることを予想しています。

取組を進めるにあたっての工夫・苦労
全従業員を巻き込んだ活動で社内の理解を得る

 Win-Winプロジェクトの活動に対して社内で理解を得ることに苦労しました。当初は女性のみで構成されており、勝手に活動しているという印象を持たれることも多くありました。半休制度の導入等、Win-Winプロジェクトのメンバーから新たな取組の提案をしても、それぞれの部署の管理者が話を聞いてくれないといった事例もありました。突破口になったのは、現場の声を集めたことだと思います。現場の意見を聞くと、新たな取組に対してポジティブな意見が多かったことから、それらの意見を管理者に共有することで理解を得ることができ、取組を進めていくことができました。また、Win-Winプロジェクトのメンバーを各部署から選出していることも、全従業員を巻き込んだ活動にするための工夫の一つです。

今後の課題・展望
社内の状況や課題に合わせて、プロジェクトの内容や体制を進化

 当社は、2013年から10年間続けて女性従業員に対してアンケートを実施していますが、定年まで働き続けたいか、管理職を目指しているかといった質問に対し、「はい」と回答した割合は横ばい・下降傾向になっている状況です。

 これらの課題に対応するのがWin-Winプロジェクトだと思っています。第3期から第5期までの取組は第1期と第2期の取組を踏襲した内容でしたが、第6期では、経営層との対話や、問題解決力や思考力等リーダーシップ力を養うスキルアップ研修の企画等、新たな取組を実施しました。また第6期からは、男性従業員が初のメンバーとして参加しています。男女や等級の垣根をなくし、従業員全員が自分事のように考えることで多様なアイデアが生まれていると考えます。従業員全員の意識を底上げすることで、その先に自然と女性の活躍や登用が進んでいくことが理想です。

従業員の声 制度利用者の声画像

プロジェクトの制度を利用するだけでなく
運営側にまわることで、働き方を広い視野で
とらえることができました

経営管理部 経営企画グループ 副主任
石井 美菜子さん

制度を利用し、活躍のチャンスがあった際に活かせる準備をしています

 私は2004年に入社し、検査機事業の営業を担当しました。中国語が話せるということもあり、入社1年半後から7年間連絡事務所の立ち上げスタッフとして中国で勤務しました。その後、妊娠・出産を理由に帰国し、元の部署に戻りました。出産を経て2015年に復帰し、営業補佐として業務に従事しました。出産前は、営業担当者として販促活動等のためにお客様のところに直接伺っていましたが、拘束時間や残業が多いことから、復帰後は、仕事と育児の両立のために上司に相談して内勤に変更させてもらいました。フルタイムで復帰しましたが、子どもが突然熱を出すという状況も多くあり、午前中に病院に行って午後から出社をする場合等に、時間休や半休はとても使いやすいと感じています。また、これまでは残業にあまり抵抗がない雰囲気の職場でしたが、ノー残業デーを導入したことで、残業をしないことが普通だという雰囲気に変わってきていると感じています。早く帰れる雰囲気であることは、子どもがいる私としてはとても助かっています。

 2022年から経営管理部に異動し、IR活動や会社のPRに携わる業務を実施しています。当社は人材育成の観点からトレーニー制度があり、私も希望を出して管理部門に研修に行った経験がありました。この経験が異動のきっかけになったかもしれません。中国での勤務も含め、女性が活躍できるチャンスが多い職場であると感じています。今後も、チャンスがあった際に受けられる準備をしておきたいと考えています。

Win-Winプロジェクトへの参加を通じて、働き方に対する考え方が変わりました

 私は、2015年に復帰した後、Win-Winプロジェクトに6年参加しました。Win-Winプロジェクトに参加して、働き方に対する考え方が変わったと感じています。勉強会に参加する機会が増えたりなどして、女性活躍や仕事との両立に関して入ってくる情報が変わりました。また、これまでは目の前にある仕事をいかに効率的にこなすかに重点を置いていましたが、プロジェクトに参加することで、自分の足下だけでなく会社全体の動きをみるという視点が加わりました。Win-Winプロジェクトには、他の女性従業員の方にもぜひ参加してもらいたいです。

 今後は、後輩たちの女性管理職に対する考え方を変えるきっかけになりたいと考えています。現在、管理職には優秀な方が多く、自分では力不足だと考えてしまう女性も多い状況です。管理職にも多様性を取り入れることが必要だと考えています。ロールモデルの先駆者になって、管理職にもいろいろな働き方の可能性があることを後輩に見てもらいたいです。

(データの取材時点:2023年8月)

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