女性活躍・両立支援に積極的に取り組む企業の事例集

厚生労働省

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2024年度

株式会社横浜銀行 (金融業、保険業)

キャリアを長期中断させないための制度と積極的な周知活動で仕事と介護の両立を支援

認定マーク

企業プロフィール

設立
1920年
本社所在地
神奈川県横浜市
事業内容
金融業、保険業
従業員数
4,198人
企業認定・表彰等
くるみん認定、プラチナくるみん認定、えるぼし(認定段階3)、均等・両立推進企業表彰

取組内容

仕事と介護の両立支援

特徴的な制度・取組など

  • キャリアを長期中断させないことを目標とした支援
  • ガイドやセミナーを通じて職場や家族を巻き込んだ周知活動に

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インタビュー

  • 人財部 DEI推進室
    大湖 孔一さん
    大塚 みほさん

取組のきっかけ・経緯
制度はあるものの支援は不十分と考え取組強化をスタート

 人財部DEI推進室では、企業として持続的に成長していくために多様な人財の活躍が不可欠であるという考えのもと、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DEI)の推進に取り組んでいます。

 その中で、仕事と介護の両立支援について、基本的な制度は整備しているものの、制度の社内理解が進んでおらず、人財部としても支援が足りていないと感じていました。従業員調査では、5人に1人が「5年以内に介護の必要性が生じる可能性がある」と回答しており、人財部として目指すべき多様な人財の活躍という観点からも、仕事と介護の両立を重要な課題と考えました。

 そこで2019年から、仕事と介護の両立の支援体制の拡充や社内の周知活動の推進といった取組の強化を開始しました。

具体的な取組の内容

キャリアを長期中断させないことを目標とした支援

 当社では、介護休業制度、介護のための時短勤務制度といった介護に関する基本的な制度を整備しているほか、介護を要件とした特別積立休暇を最大100日分利用することができます。介護休業制度では、法定を上回る通算1年間分を3回に分けて取得することができます。3回に分けた取得により、従業員が直面する介護の各段階に寄り添い、キャリアを長期中断せずに仕事と介護を両立できるよう支援したいと考えています。なお、LGBTQ+など性的少数者への取組の観点から、介護の対象者には同性パートナーも含まれています。

 また、アルムナイ採用制度を整備し、退職者の再雇用を行っています。遠方に住む両親の介護を理由に従業員が退職せざるを得ない場合でも、制度を利用することで仕事に復帰することが可能です。

 さらに、介護に関する社内の相談窓口を設置し、制度の最適な利用方法について個別に助言しています。人財部には、制度利用を検討する本人やその上司から、月に1、2件のペースで介護に関する相談が寄せられています。


ガイドやセミナーを通じて職場や家族を巻き込んだ周知活動に

 2019年、周知活動の強化を目的に、「介護と仕事の両立準備ガイド」を作成、社内に公開しました。ガイドでは、会社で利用できる制度の説明だけでなく、介護の定義や、国や地方自治体で用意されている制度や相談窓口の紹介など、介護にあたって何をすべきかを段階に分けて具体的に説明しています。ガイドは社内のイントラネットに掲示し、全従業員を対象に年1回のeラーニングを実施することで展開しています。

 また、外部講師を招いたオンラインセミナーを年1回開催しています。セミナーでは、介護を行う際の相談先や必要な費用、具体的な事例などを紹介しており、これから制度を利用する可能性のある若手従業員や介護に直面する部下を持つ上司など、多様な従業員が参加しています。セミナーは休日に開催しているため、家族とともに参加する従業員もいます。

 こうしたガイドやセミナーを通じて、介護制度の利用者だけでなく、職場や家族を巻き込んだ周知活動になっていると感じています。

取組の成果・取組を進めたことによる効果等
従業員の不安の軽減と多様な人財ポートフォリオの実現へ

 介護に関する取組は、育児に関する取組と比較して社内での認知度が低かったものの、現在では育児と介護を含めた「仕事と家庭の両立」として捉えられるようになりました。周知活動が進み、介護の問題について会社に迷うことなく相談できるようになったことで、従業員の不安軽減につながり、より働きやすい職場になっていると感じます。また、多様な人財が働き続ける会社となることで、人財ポートフォリオにも良い影響を与えていると感じています。

今後の課題・展望
現場視点を取り入れた、身近な情報発信を実施

 介護の問題は、いつ発生するか、いつまで続くか分からないものであるため、支援の難しさを感じています。会社としては、介護が発生しても従業員がキャリアを長期中断させることなく働き続けられるよう支援をしていきたいと考えています。

 当社では、本年度より「人財部主導ではないDEI情報発信の取組」を始めました。社内公募を通じて集まった、お客様対応などの現場業務にあたる従業員7名が、自身の業務経験、実体験を踏まえながら、介護のほか、育児、LGBTQ+といったテーマでコンテンツを作成し、DEI情報として社内SNS、イントラネット等にて発信しています。人財部の視点だけでなく、現場の視点が入ることで、より従業員にとって身近な内容になっていると感じています。

 こうした周知活動は、従業員の目に触れ続けることが大切です。今後も、キャリアを長期中断させないための制度整備と積極的な周知活動により、仕事と介護の両立支援を続けていきます。

従業員の声

継続的な情報発信で
従業員の介護に対する感度を引き上げる




 当社では、従業員が介護によってキャリアを諦めることがないように多様な制度を用意しており、積立休暇は介護を要件に利用することができます。また、介護に関するセミナーでは、従業員が両親と参加することで相互の理解がより深まったという感想が寄せられました。今後も、イントラネット、社内SNS等の媒体を利用し情報発信を続けていくことで、介護や社内制度に関する従業員の感度を引き上げ、介護を理由とした離職を防ぎたいと考えています。

(データの取材時点:2024年7月)

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