女性活躍・両立支援に積極的に取り組む企業の事例集

厚生労働省

女性の活躍推進・両立支援総合サイトトップ > 女性活躍・両立支援事例集トップ(事例検索) > 企業事例

2024年度

株式会社伊予鉄髙島屋 (卸売業、小売業)

行動計画の策定と地道な取組の繰り返しで両立支援を推進

認定マーク

企業プロフィール

設立
1969年
本社所在地
愛媛県松山市
事業内容
百貨店業、その他販売業、建設業、設計、監理他
従業員数
340人 (うち女性 229人)
企業認定・表彰等
くるみん認定、プラチナくるみん認定、均等・両立推進企業表彰

取組内容

仕事と育児の両立支援 短時間正社員制度

特徴的な制度・取組など

  • 育児短時間勤務は小学校4年生に達するまで利用が可能。退勤時間は15分刻みで選択が可能
  • 子の看護等休暇や介護休暇は1時間単位での取得が可能(年10日間まで)
  • 産前産後休業前と育児休業後の復帰に向けたタイミングで本人・上司・人事担当者によるミーティングを実施
  • 育児休業から復帰する従業員の個別サポートの実施

データベース・両立支援のひろばを見る

取組事例ダウンロード 

インタビュー

  • 総務部総務人事グループ
    係長
    大政 鮎さん

取組のきっかけ・経緯
女性従業員の多い職場における福利厚生としての取組

 当社は女性従業員の比率が高いことから、以前から積極的に仕事と家庭の両立支援に取組んできました。現場からの声や経営層からの指示に基づいた取組というよりは、会社の福利厚生等の一部としての取組が少しずつ形になったものと思います。

 ワーク・ライフ・バランスの実現に向けた取組の一環として、女性活躍推進法に基づく「一般事業主行動計画」や、次世代育成支援対策推進法に基づく「一般事業主行動計画」を推進していくなかで、両立支援の取組の幅が広がり、制度の創設および充実へとつながっていきました。

 行動計画については、策定の都度、従業員へ周知していますので、徐々に社内全体に取組が浸透してきたことも要因の一つと感じています。

具体的な取組の内容

職場でのメンバーの理解を促進

 2021年6月に、育児・介護休業法が改正された際に、就業規則の見直しや、育児休業に関する相談窓口の設置等の雇用環境の整備を行いました。

 育児休業を取得する本人だけではなく、ともに働く職場の全メンバーの理解も必要になります。当社では、子どもが産まれる従業員に対し、育児休業に関する制度の個別周知や利用の意向確認などについて、上司を交えた面談を実施しています。男女関係なく育児休業を取得しやすい環境整備に努めています。


育児休業からの職場復帰のための支援

 従業員に対して、産前産後休業を取得する前のミーティング、育児休業から職場復帰に向けたタイミングでのミーティングを上司と人事担当者とが行い、少しでも不安が和らぐようにサポートをして、スムーズな職場復帰を目指しています。また、育児休業中の従業員に対しては保育所入所に関する情報提供や復帰後の仕事の話などについて人事担当者と従業員が連絡を取り合うようにしています。


ライフステージに合わせた柔軟な働き方を支援

 当社では、子の看護等休暇、介護休暇においては年間10日まで取得可能で、本人が希望する場合は1時間単位での取得も可能です。育児短時間勤務については、子が小学校4年生に達するまで時間を選択して勤務することができるなど(原則として実働6時間、休憩60分)、従業員それぞれのライフステージに合わせた柔軟な働き方に対応できるようにしています。

取組の成果・取組を進めたことによる効果等
制度利用者の増加と上司の理解促進

 育児休業取得者や育児短時間勤務者が増えるなかで、仕事と家庭の両立に理解を示す上司が増えてきていると感じています。また、近年では介護休暇や男性の育児休業取得者も増えつつあり、幅広い年代の従業員や男性従業員にとっても制度を利用しやすい職場環境となっていることの現れと考えています。


男性の意識の変革

 男性従業員の育児休業取得については、以前は取得したとしても1日や2日でしたが、ここ数年で、分割取得をしたり、1か月間取得したりするケースが出てきています。育児に積極的に参画する意向を示す男性従業員が増えてきており、育児休業取得に対する考え方も変わりつつあると感じています。男性従業員の育児休業取得率は直近年度で100%を達成しています。


両立支援取組が実績につながる

 当社は2008年に初めてくるみん認定を取得して以来、継続して認定を受け続けていました。2022年にはプラチナくるみん認定を取得しています。これまでの積極的な両立支援の取組が評価されたものと感じています。

 さらに、2024年には、愛媛県より“男女ともに働きやすくやりがいをもって就業継続できる職場環境の整備を推進する企業”である「ひめボス」認証事務所として、「スーパープレミアム認証(上位認証)」を取得しました。これは愛媛県内独自の制度で、正社員に占める女性従業員の割合や、男性従業員の育児休業取得率、女性従業員の就業継続率などの基準達成が求められます。当社は愛媛県内で5番目の認証取得企業となり、プラチナくるみん認定との同時取得は初の事例となりました。

今後の課題・展望
真の両立を目指して

 これまでの仕事と家庭を両立する取組を進めることにより、育児短時間勤務を経て管理職になった者や、育児短時間勤務中の役職者(係長以上の役職)も増えてきております。

 百貨店は、女性従業員比率が高い(当社57.6%)ことから、今後も、女性従業員の活躍のライフステージに寄り添ったサポートを通じて、仕事と育児の両立を推進していきたいと考えています。

従業員の声 制度利用者の声画像

制度の活用と上司・職場のサポートにより両立を実現

営業企画部営業企画グループ
係長
中川 順子さん

 2016年に入社し、3年間、売場での販売を担当した後、2019年に営業企画部に配属となり現在に至ります。2018年に結婚し、2020年に一人目の子供を出産し、2023年に二人目を出産しました。

 いずれの出産の際も、育児休業を1歳に達するまで取得しました。復帰後は育児短時間勤務制度を利用し9:45~16:45で勤務をしています。

 もともと、キャリアと家庭の両立を目指していきたいと考えていたので、出産後も仕事は続けたいと思っていました。ただ、フルタイム勤務だと帰宅が19:00を過ぎてしまうことがあり(店舗が19:00まで営業)、夫は仕事の勤務体系上1日中不在のことが多く、私の両親は県外にいて頼ることができないという状況にありました。育児休業と育児短時間勤務制度の利用により、キャリアと家庭の両立が実現することができたと思います。

 上記の他にも、子の看護等休暇が年間10日利用できるのですが、子供が小さいうちは病気にかかりやすく10日全て使いきることもありました。急なお迎えや通院のために1時間単位の年次有給休暇も利用することがあります。また、遅くまで残ることができないなかで、チームのメンバーにサポートしていただきながら業務を進めています。働き方に対する上司や職場の理解があったことにも感謝しています。

 女性が多い職場ですので、今後も出産や育児をする従業員が増えてくると思います。後輩にも制度をフルに活用してもらい、キャリアを諦めず女性が活躍できる場が広がってほしいと思っています。

(データの取材時点:2024年10月)

PAGE TOP