女性活躍・両立支援に積極的に取り組む企業の事例集

厚生労働省

女性の活躍推進・両立支援総合サイトトップ > 女性活躍・両立支援事例集トップ(事例検索) > 企業事例

2024年度

三洋化成工業株式会社 (製造業)

従業員の柔軟な働き方を実現する各種両立支援制度を導入

認定マーク

企業プロフィール

設立
1949年
本社所在地
京都府京都市
事業内容
製造業(化学)
従業員数
1,297人 (うち女性 287人)
企業認定・表彰等
くるみん認定、プラチナくるみん認定、えるぼし(認定段階3)

取組内容

仕事と育児の両立支援 フレックスタイム制 男性の育児休業促進

特徴的な制度・取組など

  • 上司参加必須、他社の配偶者でも参加可能な「仕事と育児の両立支援セミナー」を実施
  • スーパーフレックスタイム制度をはじめとした従業員の仕事と私生活の両立に寄与する各種制度の導入

データベース・両立支援のひろばを見る

取組事例ダウンロード 

インタビュー

  • 人事本部 人事部
    DEI*推進担当
    吉住 恵美さん
    上野 ゆかりさん
    人事本部 人事部 労務担当
    小林 建太さん
    稲葉 正樹さん
    *Diversity, Equity&Inclusion(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)の頭文字

取組のきっかけ・経緯
従業員がより活躍できる環境を目指して

 当社では、早期より、女性の就業継続を目指して、結婚や出産などのライフイベントによる離職を防ぐために、法定を上回る両立支援制度を導入しています。2014年からは、就業継続から活躍推進に軸足を移し、さらに活躍できる環境づくりを目指した各種制度を導入するなど、仕事と育児の両立を支援する取組を加速させてきました。

具体的な取組の内容

さらなる活躍に寄与する取り組み・各種制度

 意識・風土を変えるため、まずは役員を対象とした勉強会からはじめるとともに、管理職向けのダイバーシティ研修や女性従業員を対象としたキャリア形成等に関する社内外研修を繰り返し実施しています。両立支援制度については、労働組合とともに女性活躍推進に関する専門委員会を立ち上げ、女性従業員を対象としたアンケート調査やヒアリングを行い、育児休業の拡大(*1)、一般職コースの廃止や社内での旧姓使用、スーパーフレックスタイム(*2)、在宅勤務、時間単位有給休暇(*3)、ベビーシッター費用補助など、女性従業員がさらに活躍できることを目指した制度を導入してきました。また、定期的にダイバーシティ推進に関するアンケート調査を実施し、現状や課題を確認したうえで施策実行につなげています。

・育児休業制度(*1)
 育児休業は、保育所に入所できない等の事由がある場合は最長で3歳になるまで取得可能です。また2022年10月の「育児・介護休業法」の改正に伴い、育児休業(出生時育児休業含む)開始後通算28日間(休日日数も含む)は給与を支給、賞与も同期間は出勤扱いとしています(性別不問)。

・スーパーフレックスタイム制度(*2)、時間単位有給休暇制度(*3)
 効率的な業務遂行による生産性向上を目指し導入した制度です。スーパーフレックスタイム制度は業務に支障のない範囲で労働時間の配分を自主的・計画的に設定できるコアタイムのないフレックスタイム制度です。また、時間単位有給休暇制度は一時間単位で有休を取得することが可能な制度です。


仕事と育児の両立のための取組

・仕事と育児の両立支援セミナーの開催
 当社では2016年より育児休業から復職した女性従業員を対象に「育休復職者両立支援セミナー」を毎年開催しています。仕事と育児の両立には周囲の理解と協力が不可欠であるため、2022年以降は上司の受講を必須とし、社内外パートナーの同伴も推奨してきました。近年は男性育児休業取得率が90%を超える状況にあることから、男女ともに仕事と育児を両立しながら納得のいくキャリアを形成することを目的に、子どもが誕生した男性従業員やその上司も受講対象者に含めるなどセミナーの内容や対象者を拡大し、「仕事と育児の両立支援セミナー」と名称を変更して開催しています。
 今後は、男女ともに、妊娠期から子ども誕生後を見据えた中長期目線でキャリア形成を考える機会を提供していきたいと考えています。

・イクボス宣言、イクボスセミナーの開催
 男性の育児休業取得を推奨する当社では、経営トップが強い意志のもとイクボス宣言を行っています。全従業員を対象に開催したイクボスセミナーでは、女性の活躍には男女ともにある思い込みや先入観(バイアス)を取り除くことが大切であることを伝え、育児休業を取得した男性従業員とその上司によるパネルディスカッションを行いました。男女ともに性別役割分担意識を無くすことで仕事と私生活の両立を実現し、女性の就業意欲の促進につなげていきたいと考えています。

取組の成果・取組を進めたことによる効果等
仕事と育児の両立に寄与する制度の導入による変化

 各種制度を導入したことによって働き方に柔軟性が生まれ、仕事と育児を両立しながら活躍できる環境が整い、多くの従業員のメリハリある働き方の実現につながっています。

 セミナーを受講した男性従業員からのアンケート回答には、「妻のキャリアについても考えないといけないということを知った」「男性の育児休業や、現・子育て世代の仕事と育児の両立状況を知り、今更だが自分も育児に参画したかったと感じた。後進のためにサポートをしたい」という意見も出てきており、そのように考える人が増えることにより会社全体がさらに変化していくと感じています。

今後の課題・展望
育児に限らず、時間制約のある従業員への支援

 仕事と育児の両立等に関する各種制度を導入したことにより、従業員の働き方がより柔軟になりました。

 今後は育児に限らず、介護や病気治療等、個人の多様な事情により時間制約のある従業員がより増えていく状況にあると感じていますので、全従業員が安心して、活躍できるような支援へと繋げていきたいと考えています。

従業員の声 制度利用者の声画像

育児休業制度を活用し仕事と育児の両立を実現

製造部
田村 健治さん

育児休業を取得することでより制度を利用しやすい雰囲気を醸成

 第1子が生まれた際に育児休業制度を利用し、合計28日間育児休業を取得しました。

 私は子どもが生まれたらすぐに育児に参画し成長を見届けたいと考えており、会社内で男性育児休業取得者がいることは知っていたものの、交替制勤務に従事している従業員が育児休業をある程度長い期間取得したケースを身近に聞いたことがなかったので、職場の後輩たちのためにも自分が先駆者となって前例が作れたら良いのではないかと考え取得しました。

 育児休業取得に際しては、2週間ずつ分割して2回取得しました。1回目は妻の退院の際に、2回目は妻が里帰りから帰る際に取得しましたが、子どもが生まれたタイミングで妻と一緒に育児に参画し、出生前に自治体が開催する両親学級で学んだ内容を実践することができて良かったと感じました。妻も初めての育児を安心してスタートさせることができたようですし、金銭面の不安を感じることもなかったので、とてもありがたかったです。

 職場復帰後は、後輩たちからは「育児休業どうでしたか?」とよく聞かれるようになり、前例もできたことで、以前より育児休業を取得しやすい雰囲気が作れたと思います。今後育児休業取得者が増えればお互い様ということにもつながり、より多くの方が制度を利用することができるようになることを期待しています。

(データの取材時点:2024年7月)

PAGE TOP