女性活躍・両立支援に積極的に取り組む企業の事例集

厚生労働省

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2024年度

株式会社東洋開発 (不動産業、物品賃貸業)

地元や取引先からの信頼につながった、従業員が長く働き続けるための職場づくり

認定マーク

企業プロフィール

設立
1994年
本社所在地
山形県酒田市
事業内容
不動産業、物品賃貸業
従業員数
22人(うち女性13人)
企業認定・表彰等
くるみん認定、プラチナくるみん認定、えるぼし(認定段階3)、ユースエール認定

取組内容

女性活躍推進女性職域拡大

特徴的な制度・取組など

  • 従業員の活躍やキャリア形成につながる制度を積極的に採用
  • 窓口業務の運営体制を見直すことが会社の経営にもプラスに

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インタビュー

  • 取締役マネージャー
    広報経営企画部長
    草深 由美子さん

取組のきっかけ・経緯
自分自身や従業員が働き続けるための工夫が取組のスタートに

 当社は、今年で30周年を迎えます。この30年は私の、妊娠・出産・子育ての時期と重なり、自分自身、仕事と子育ての両立に苦労した経験があります。会社が大きくなり従業員が増えるにつれ、会社を辞めずに働き続けてほしいという観点から、自分の経験を活かし工夫を重ねるようになりました。その結果、女性も男性も活躍できる、働きやすい企業としての現在の取組につながったと考えています。

具体的な取組の内容

従業員の活躍やキャリア形成につながる制度は積極的に取り入れる

 育児休業、短時間勤務、時間単位の年次有給休暇、子の看護休暇の有給化、在宅勤務制度などは、早い段階から取り入れてきました。子の看護休暇は、子ども1人であれば5日、2人以上は10日付与されますが、全てを有給化しています。また、2017年ごろからは、育児休業の取得や育児短時間勤務の利用がその後の昇給に影響を及ぼさないように人事制度を見直しました。さらに、従業員の資格取得を奨励し、キャリア形成のための積極的な働きかけを行っています。具体的には、業務に重要な宅地建物取引士の資格取得に対してお祝い金10万円と月手当1万円を支給しています。ファイナンシャルプランナー2級以上の資格の取得では受験料と月手当、その他の資格の取得には受験料を支給しています。

 当社では、従業員が安心して意見や考えを自由に発言しやすく、会社がその声に対応をしていくことが重要だと考え、心理的安全性が高い職場づくりを目指しています。会社の規模が大きくないため、「ダメだったら元の制度に戻せばよい」という考えのもと、従業員の働きやすさにつながるアイデアは積極的に取り入れるようにしています。女性のキャリアアップに関しては、人によってキャリアに対する考え方が異なるため画一的な取組は難しいですが、本人の意思を尊重しながら、能力と希望を踏まえた適材適所の配置を心掛けています。


窓口業務の運営体制を見直すことが会社の経営にもプラスに

 当社では、従業員の働きやすさの観点から、お客様に合わせていた店舗の窓口対応を見直しています。店舗の窓口では、昼の1時間は受付を休止し、終了時間も17時半から17時に短縮しました。これにより、従業員が昼の休憩時間を確保し、勤務時間の17時半までに業務を終えられるようになりました。さらに、コロナ禍をきっかけに土日の窓口対応を完全予約制としました。当初は売上の減少を懸念する声が挙がりましたが、対応可能な場合は飛び込みのお客様も受け入れており、お客様から不満の声はありませんでした。会社の経費削減につながった一方で、売上に大きな変化は見られなかったため、現在は平日の窓口対応も完全予約制としています。

 これらの取組は、従業員の負担を減らすことができただけでなく、結果として会社の経営にもプラスに働いたと考えています。

取組の成果・取組を進めたことによる効果等
外部の評価が地元や取引先、従業員からの信頼につながった

 当初は自分自身や従業員のために取組を始め、会社として評価を受けることは意識していませんでした。しかし、周囲の勧めやサポートを受けて、現在では、えるぼし(3段階目)、プラチナくるみん、ユースエール、健康経営優良法人2024(中小企業部門)の4つの認定を取得しています。取得にあたっては、書類作成など手間のかかる作業も多くありましたが、想定以上に地元や取引先などからの反響があり驚いています。業界新聞にも取り上げられ、酒田市の主催するセミナーで認定を受けるためのコツ等をお話しする機会もありました。また、従業員の家族や取引先からは、弊社のことを優良企業と言及されることもあり、従業員にとって、地元から信頼された会社で働いていることがステータスとなり、会社への愛着にもつながって欲しいと感じています。

今後の課題・展望
会社経営の観点を持ちつつ従業員の立場を考える

 昨今、コンプライアンスや法令対応の業務が増加したため、従業員の残業時間が増加傾向にあることを懸念しており、課題に感じています。人員を増やすだけでは解決するとは限らず、適宜、業務の外注を検討するなどして、人員増加と業務改善のバランスを見極めています。

 当社はもともと女性からの応募が多く、従業員の割合も女性が多くなっています。今後も、会社経営の観点はもちつつも、従業員が働きやすい環境を整えることが、女性の活躍の推進につながると考えています。ただし、女性と男性を区別するつもりはなく、男女共に従業員が長く活躍できる職場を目指したいと思います。

従業員の声 制度利用者の声画像

周囲の理解と気遣いで仕事とプライベートを
両立しながらキャリアを形成

広報経営企画部 課長
柿﨑 愛さん

会社の雰囲気が入社の決め手でした

 私が入社を決めたのは、会社見学の際に、従業員の方々の雰囲気が非常に良かったためでした。就職活動中、地元企業の求人を見ていて福利厚生欄が充実しているという印象はありましたが、当時は高校生だったので、制度自体をしっかり理解できていたわけではありませんでした。しかし、実際に働いてみて、当初感じた雰囲気の通りに、従業員は皆、良い方ばかりだと感じています。3年前には出産を経験し、産前産後休業や育児休業を取得した際には、業務の調整や引継ぎなど、周囲の理解や気遣いに助けられました。子育て中の現在も、時間単位の年次有給休暇制度を利用して急な子どものお迎えにも対応できており、ありがたいと感じています。また、プライベートでは出産や子育てだけでなく、楽器の演奏などの趣味も楽しんでおり、今の会社で働くことができて良かったと感じています。


今後も勉強を重ねて仕事を続けたい

 高校を卒業後、新卒で入社して9年目になります。不動産賃貸の営業部、管理部を経験し、現在は経営企画部で、既存事業の業務改善や新規事業の開発に取り組んでいます。新規事業の開発では、会社として知見のない事柄について、自分で調べたことや社外の方に聞いた話をもとに考えをまとめる必要があり、大変ですが、やりがいもあります。現在の目標は、新事業で実施したことを仕組み化し、社内に根付かせていくことです。これからも勉強を重ねて、会社に貢献していきたいと考えています。

(データの取材時点:2024年7月)

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