女性活躍・両立支援に積極的に取り組む企業の事例集

厚生労働省

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2024年度

株式会社サン太陽 (医療、福祉)

業界未経験でも活躍できる体制づくりと女性の積極的な管理職登用で職場を活性化、安心・快適なサービスの提供へ

認定マーク

企業プロフィール

設立
2011年
本社所在地
愛知県春日井市
事業内容
医療、福祉
従業員数
176人(うち女性131人)
企業認定・表彰等
えるぼし(認定段階3)

取組内容

女性活躍推進女性職域拡大

特徴的な制度・取組など

  • 業界未経験でも活躍できる体制づくり
  • 女性従業員のスキルアップとキャリアアップを積極的に支援

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インタビュー

  • 代表取締役社長
    鈴木 克典さん

取組のきっかけ・経緯
医療や介護サービスの提供にあたって女性の活躍推進は不可欠

 当社は、企業理念「快適な暮らしが出来るようお客さまに寄り添い、おもてなしの心で、笑顔あふれる優しい介護を目指します」の実現にあたり、従業員の働きやすさを重視しています。医療・介護サービスは地域にとって必要不可欠であり、従業員はそのサービス存続のために、なくてはならない存在です。業界の特徴として、女性従業員の割合が多いこともあり、創業当時から女性の活躍推進は欠かせない取組でした。

具体的な取組の内容

業界未経験でも活躍できる体制づくり

 当社では正社員、パート社員、技能実習生、特定技能といったさまざまな従業員が働いていますが、採用時は半数程度が業界未経験者です。そのため、従業員が慣れない業務のなかで辞めずに働き続けられるように、採用後の社内教育に力を入れています。

 例えば、本社直轄の組織でオペレーションリーダーという役職を設けています。オペレーションリーダーとは、施設長である各施設の管理者とは別に、仕事の内容を職員に教える立場にあたる管理職です。当初は看護分野のみとした役職でしたが、現在では、介護職員、相談員、リハビリ担当職員にも広げており、施設横断的に後進の育成に努めており職員の定着に寄与しています。

 また、採用後は育成担当と呼ばれる担当者が必ず面談を行うようにしています。育成担当者が、面談時に本人の習得速度やレベルを確認して施設長やオペレーションリーダーと共有することで、無理のないペースで仕事を習得することができるようになっています。面談時に仕事の悩みを気軽に話せることで、従業員の心理的な負担の軽減にもつながっていると感じています。


女性従業員のスキルアップとキャリアアップを積極的に支援

 当社では、従業員のさまざまなライフステージに寄り添えるように、育児休業制度、介護休業制度、短時間勤務制度、フレックス勤務制度などを早くから導入しています。出産を控えた女性従業員を対象に、休業前に人事担当者が個別面談を行い、制度の利用方法について詳細に説明しています。医療・介護サービスという当社の業務の性質から在宅勤務制度の導入は難しいところがありますが、個々の事情に合わせ、できるだけ柔軟に働けるようにしています。

 従業員のスキルアップやキャリアアップについても支援しています。例えば、介護福祉士の資格取得を推奨しており、資格取得のためのインセンティブを設けています。業界未経験者が介護福祉士の受験要件を得るためには、厚生労働省が指定する実務者講習を受講する必要がありますが、費用について3年以上の勤続を条件に会社で負担しています。

 管理職への女性の登用も積極的に進めています。当社にある6拠点の施設長のうち、2名が女性です。また、本人の適性と希望をふまえて、パート社員から管理職である現場リーダーへの登用も実施しています。

取組の成果・取組を進めたことによる効果等
働きやすく活躍できる職場が利用者の安心や快適さにつながる

 数年前まで、従業員に占める女性従業員の割合と比較して、現場リーダーに占める女性の割合が少ないと感じていました。しかし、マネージャーや施設長が候補者と面談を行いキャリアアップにあたっての不安をケアすることで、現場リーダーへの女性の登用が進み、その数は11名中8名になりました。

 また、オペレーションリーダーや育成担当を設置するなど、従業員の採用後の支援体制を整えたことで離職する人が少なくなり、職場では先輩が後輩をフォローする仕組みが自然とできていることもあって、業界未経験だった従業員の多くが一人前になって現場を支えてくれています。こうした取組を通じて職場の雰囲気が明るくなり、利用者の安心や快適さにつながっていると感じています。


今後の課題・展望
相談しやすい仕組みや環境づくりで従業員の活躍をサポート

 昨今の人手不足の問題から、業界未経験の人材や外国人の採用が増えており、そうした人材をいかに育成していくかが大きな課題だと感じています。当社が提供する医療・介護サービスは、1人で黙々と作業する類の仕事ではなく、常に周囲とコミュニケーションをとることが求められます。シフト制で従業員の勤務時間がそろわないなか試行錯誤をしていますが、オペレーションリーダーや育成担当者の設置や、マネージャーや施設長によるリーダー候補との面談が会社に良い影響を与えていると感じています。今後も、相談しやすい仕組みや環境づくりを進めることで、職場で活躍できるようにサポートしていくことが重要だと考えています。

従業員の声 制度利用者の声画像

自分の経験を会社や次の世代のために活かしたい

マネージャー
杉浦 直子さん

新しい役職に対するやりがいと不安

 私は、入社して施設長を7年間務めた後、2018年にエリアマネージャー、2020年に会社の統括マネージャーとなりました。施設ごとの目標について、達成のための具体的な取組内容の検討や、その後の実施状況の振り返りなどを、各施設長と一緒に行っています。 施設長を務めていた際に、施設長の相談相手になれる立場の人間がいた方が良いのではないかと社長に提案したところ、エリアマネージャーという新しい役職を打診されました。「私で務まるのだろうか」という不安があり悩みましたが、各施設長の思いに寄り添いながら自分の経験が会社に活かせればとの思いから引き受けました。統括マネージャーという立場になり、年代や男女の考え方の違いに苦労することはありますが、施設長という立場の孤独やプレッシャーを理解しているからこそ、ちょっとしたことでも相談されることに喜びを感じています。


女性リーダー候補のキャリアアップを支える

 マネージャー就任当時、現場リーダーに女性が少ないと感じており、男性とは違う目線での観察力や気配りは施設にとって強みになるとの思いから、女性リーダーを増やす目的で各施設の女性のリーダー候補と面談を行いました。面談の際には、リーダーの役職が自分に務まるのか不安だという声を聞きました。自分自身も感じた気持ちであったため、本人の今までの人事評価の結果を振り返り、管理職となっても会社として孤立しないようサポートすることを伝えるなど、キャリアアップに対して積極的になれるよう促しました。今までの仕事にリーダー業務が追加されることにより、仕事量のバランスに不安を感じるときには部下に業務を振り分ける重要性を伝えています。

 現在は、自分自身のキャリアアップよりも次世代の育成について考えることの方が多いです。女性としての生き方の選択肢はさまざまですが、どの選択をしても大丈夫なように、安心して働くことができる会社にしていきたいと考えています。

(データの取材時点:2024年7月)

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