2000年に地域職として生産工場に配属となり、2012年に1年間、1回目の育児休業を取得しました。2015年には、生産工場における初めての女性管理職として勤務しました。2017年に二人目を出産しましたが、この時は8か月間の育児休業を取得しました。2018年に配偶者異動制度を利用し、現在の職場である鳥栖キユーピーに異動し、現在、総務課の責任者として勤務しています。
1回目の育児休業取得の際は、工場では女性従業員がキャリアを積んで働き続けるという事例がほとんど無い中、キャリアの中断はもったいないと悩んでいました。当時は育児休業制度導入の過渡期であり、生産工場を含めたキユーピー全体で制度利用を後押しするという追い風がありました。また制度を利用して復帰したときに制度利用をけん引するプロジェクトを実施してもらえないか、という声掛けをいただいたこともあり、育児休業を取らないという選択肢はありませんでした。復帰後のプロジェクトでは、当時の工場長が旗振り役となり、組織が一丸となって産前産後休業、育児休業から復帰までの経験に関するセミナーや上司向けのセミナーの実施といった意識改革の取組を行いました。
私の場合、通勤時間の制約があまりなかったので、短時間勤務制度は利用せず、フルタイムで働くことができています。残業についても周囲のサポートもあり、あまり負担なく働くことができています。通勤時間の制約がある職場の同僚の声からは、短時間勤務制度のありがたみも伝わってきます。
ただし、短時間勤務制度はフルタイム勤務に戻るための準備期間であるということを周囲にいつも伝えています。工場で働くうえで、フルタイム勤務に戻る一番の課題は交替勤務制度だと考えています。これは配偶者や家族ともよく相談したうえで準備をすることが大事だと思います。
これまでの取組は、かつてはマイノリティーであった育児休業取得の推進に注力されてきましたが、今後はそこにフォーカスを当てるのではなく、一人ひとりの多様性を認め合いながら寄り添い、さまざまな制約を抱える中でも能力を発揮できる仕組みや風土が育ってくれればと思っています。