女性活躍・両立支援に積極的に取り組む企業の事例集

厚生労働省

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2023年度

学校法人平成学園 (教育、学習支援業)

職員のライフステージにあった活躍を支援

認定マーク

企業プロフィール

設立
1990年
本社所在地
高知県南国市
事業内容
教育、学習支援業
従業員数
135人(うち女性111人)
企業認定・表彰等
くるみん認定、えるぼし(認定段階3)、プラチナえるぼし

取組内容

女性活躍推進女性職域拡大

特徴的な制度・取組など

  • ライフステージにあった多様な部署の設置
  • 子育て中の職員への応援制度
  • 職員の資格取得に向けた支援
  • 外部専門家による伴走支援

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インタビュー

  • 理事長
    大野 香葉美さん

取組のきっかけ・経緯
働く職員へ理事長としての思い

 当法人は、生後6か月から小学6年生までの子ども、約600名の教育支援を目的とした認定こども園2園、小規模保育施設2カ所、企業主導型保育施設1カ所、放課後児童クラブ5カ所、ロボットプログラミング教室5カ所等の運営をしています。20代~80代の職員が活躍している職場で、約8割を女性が占めており、女性職員比率が高い職場となっています。当法人では、子どもたちは日本の未来を担う存在であり、そのような子どもたちと多くの時間を過ごす、職員(先生)の存在はとても重要であると考えています。そのため、法人で働く職員には、子どもたちの手本となるべく、身体と心を大切に、そして自ら生涯学習を行い、人間力を高めていってほしいと考えています。

 また、当法人では、「恩送り」という考え方を大切にしています。働く職員、特に女性職員は、ライフステージの変化に伴い、働き方も変化します。出産や子育て、介護といった時期には、周りの方々の協力が必要となり、子育てが落ち着いた時期には、逆に周りの方々を助ける立場となります。このような「恩をもらい・恩を返す」といった順繰りを法人内で実現するため、これまで職員同士で助け合い、職員が活躍できる環境づくりに取り組んで参りました。

 現在は、このような考えのもと、働く職員の幸せのため、それぞれのライフステージに対応した活躍を支援する取組を実施しています。

具体的な取組の内容
職員の活躍をサポートする各種取組

●多様な働き方に応じた部署の設置

 平成17年に導入した非常勤職員から常勤職員への転換制度により、働く職員のキャリアプランによって、働き方の調整やキャリアアップが可能です。また、常勤職員から勤務時間の短い非常勤職員への転換も可能となっており、継続して働くことができる環境が整備されています。


●子育て中の職員の応援制度

 子育て中の職員にも、安心して働き続けることができる環境を提供するため、当法人が運営する施設への子どもの入園や親子での出退勤の推奨、教育保育にかかる費用の無償化を実施しています。働き続けることができる場を提供することは、女性のキャリア形成においても重要であると考えています。


●法人内の研修制度、資格取得支援制度

 職員の人間力や専門性の強化を目的とした、人財育成フォローアップ研修やキャリアップ研修、安全管理研修など年約250回程度実施しています。また、保育士や児童発達支援管理者等の資格取得支援を行い、受験費用負担を含む法人全体でのサポートを行っています。


●定期的な個人面談の実施

 専門性を高める個人目標を設定しており、年2回の面談を通じて、職員の意思に応じたキャリア形成のサポートをしています。また、その面談では現場職員から、職場への意見を理事長、園長まで吸い上げることで、法人内の環境づくりの改善に貢献しています。また、年2回の面談以外でも適時サポートできる体制作りを日常業務の中で整えています。


●外部専門家による伴走支援

 より良い職場づくりの実現に向け、高知県働き方改革普及促進事業に参加し、働き方改革に詳しい外部専門家による伴走支援を受けています。この取組は始めて間もないですが、現在は幅広い職階の方にヒアリングを実施し、働く職員の仕事への意識や時間管理について、更なる改善を図るための取組を進めています。


●活力朝礼の実施

 平成18年より「職場の教養」を使った活力朝礼を導入し、職員の意識向上・人間力の育成に取り組んでいます。活力朝礼は心の研修であり、人間力を高めることは幼児教育を実践していく上で最も大切なルーティンワークです。



「気をつけ」「礼」ではじまる活力朝礼は、施設ごとに毎日4~6回執り行います

取組の成果・取組を進めたことによる効果等
職員が前向きに学び続けられる環境により、活躍を後押し

 2021年にプラチナえるぼしを取得したことで、法人内の各種制度の周知が一層進み、制度を利用したいと考える職員が増えたことは大きな効果と考えています。また、子どもを預ける保護者から見た安心感や採用面の影響といった付加価値も大切であると認識しています。データとしても、年次有給休暇取得率は7、8年前の約40%から、2022年度は約75%まで上昇しています。このように、職員にとって幸せな職場環境を整えることで、職員が前向きに学び続け、職員のさらなる活躍を後押しすると考えています。

今後の課題・展望
法人内での満足度調査を進め、改善に取り組む

 今後はこれまでの職員との面談からだけではなく、職員の満足度を数字として把握するため、法人内の職員満足度調査を進めていきたいと考えています。当法人では、今後も法人で働く職員や子どもたちの幸せのため、各職員のライフステージにあった活躍の支援に取り組んで参ります。

従業員の声 制度利用者の声画像

園長として、恩を返す立場に

認定こども園ひまわり 園長
田辺 さおりさん

 結婚、出産の後、子どもと一緒に過ごす時間を大切にしたいという思いがあったため、子どもと一緒に登・降園できる環境が整っていた当法人に入職しました。当初は1日4時間のパートとして働いていましたが、子どもが成長するにつれて、勤務時間を長くしていきました。子育て中は、周りの方々に助けていただいていましたが、今は子どもも大きくなり、その恩返しをする立場になっています。理事長から、園長になるように推薦された際には不安もありましたが、ともに働く職員のため、より良い職場づくりのために貢献したいという思いで、引き受けました。当法人では、私のように子育て中でも、キャリアアップを目指すことができる環境が整っています。今後も、職員が安心して働ける環境づくりに尽力して参ります。

従業員の声 制度利用者の声画像

学び続けられる環境で、
今後もチャレンジしていきたい

認定こども園ひまわり 保育部主任
保木 恵さん

 結婚と2回の産前産後休業、育児休業を経て、現在は子どもと一緒に出勤しています。当法人の良い点は、継続して学び続けることができることだと思います。子育てをしながらでも、親子で一緒に学び続けることができることは、親としてとてもうれしいことです。現在は、周りの先生方に助けていただいており、恩を受けている最中です。昨年度からは保育部の主任を務めることになりましたが、幼い子どもが2人いても任せてもらえることに感謝しています。最初は、任せていただいたことに驚きもありましたが、時間が経つと光栄なことと思うようになりました。現在は、期待に応えたいという気持ちが強く、今後もキャリアアップを目指していきたいと考えています。

(データの取材時点:2023年11月)

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