女性活躍・両立支援に積極的に取り組む企業の事例集

厚生労働省

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2023年度

株式会社グリフィン (情報通信業)

従業員参画型の取組により仕事と育児の両立ができる環境を実現

認定マーク

企業プロフィール

設立
2002年
本社所在地
東京都千代田区
事業内容
情報通信業(システムコンサルティング、ソフトウェア受託開発等)
従業員数
225人(うち女性70人)
企業認定・表彰等
くるみん認定、プラチナくるみん認定

取組内容

仕事と育児の両立支援

特徴的な制度・取組など

  • 従業員の労働環境改善に向けて「環境改善委員会」を設置
  • 全従業員に対し仕事と育児の両立をフォローアップすると代表メッセージを発信

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インタビュー

  • 管理部 マネージャー
    青井 彩さん

取組のきっかけ・経緯
従業員参画型で労働環境を改善

 当社では、全従業員が働きやすい環境となること、個々のライフ・ワーク・バランスを向上させることを目的とし、2011年に社内組織である「環境改善委員会」を立ち上げ、取組を開始しました。環境改善委員会は、若手から管理職までさまざまな部署から幅広く参画した有志の従業員10名程度で結成された組織で、育児と仕事の両立、介護と仕事の両立、各種休暇の取得促進、時間外労働の削減、各種ハラスメント対策などを推進しています

 経営層としては当委員会の取組により、従業員の職場環境整え、人材の流動性が高いIT業界で人材の定着率を上げたいという思いもありました。

具体的な取組の内容

仕事と育児の両立に寄与する各種制度

 当社では、以下のような制度を設けて、従業員の仕事と育児の両立を支援しています。


●育児短時間勤務制度

 法定では子どもが3歳になるまでとされていますが、当社は子どもが13歳を迎えた年度末まで利用でき、法を大幅に上回る制度となっています。


●勤務時間の繰上げ繰下げ制度

 勤務時間帯を30分単位で繰上げもしくは繰下げできる制度で、子どもが13歳を迎えた年度末まで利用できます。繰上げ、繰下げには1日何時間までという制限はありません。


●各種特別休暇・制度等

 当社では育児を目的とした特別休暇や制度を用意しています。


◆育児特別休暇

 子どもが1歳になるまでの期間に5日間の休暇(有給)を取得できる制度で、出生後1年の間であれば好きな時期に取得できます。


◆配偶者出産時特別休暇

 配偶者の入院時・出産時・退院時に付き添うことを目的とした制度で、2日間の休暇(有給)を取得できます。


◆積立年休制度

 毎年付与される有給休暇のうち、未消化の日数から毎年5日、最大20日まで積み立てることができる制度で、家族の介護または看護、本人の私傷病時に使用できるものです。なお、積み立てた休暇日数については、失効期限はありません。


仕事と育児の両立のための各種取組

●各種休暇の取得促進活動

 環境改善委員会として最初に行った活動は、労働環境に関する全従業員アンケートです。アンケートの結果、休暇を取得しにくいという声が多く、実態としても年次有給休暇の取得日数は年間平均6日であったため、まずは年次有給休暇の取得促進活動に取り組みました。半期と通期の年2回に分けて年次有給休暇取得率を社内へ周知し、取得率の低いグループへの個別の呼びかけや飛び石連休の案内、2012年4月からは時間単位有給休暇制度を導入し積極的な休暇取得を促しました。2015年4月からは計画年休(前期2日、後期2日)を導入、さらに年次有給休暇だけでなくアニバーサリー休暇(年1日)やリフレッシュ休暇(5日)などの特別休暇(有給)制度も導入しました。

 管理職をはじめ全従業員が年次有給休暇の取得を意識した結果、取組を始めた翌年度の2012年度には年間平均取得日数は10日に上昇し、直近5年間では年間平均取得日数は12日、平均取得率は70%以上となっており、休みを取得しやすい環境となっています。


●仕事と育児の両立支援

 年次有給休暇取得促進の次に取り組んだことは、仕事と育児の両立支援です。

 委員会では、社内アンケートや育児経験者・育児中の従業員を集めた座談会を通じて、育児をする従業員が会社に求める要望をヒアリングしました。

 育児と仕事の両立をフォローしていく旨の代表メッセージのアナウンスをはじめ、育児休業や社内制度の定期的な社内アナウンスやハラスメント教育、育児に関する各種制度の見直し、育児休業取得者のインタビュー記事を社内報に掲載するなどを行ってきました。


●時間外労働の削減

 時間外労働の削減は2017年より取り組み、36協定の上限引き下げ、定時退社日の設定、Webミーティングの推進、フレックス制度の適用範囲拡大などを行いました。

 お客様オフィスに常駐するような案件への参画時には複数名体制を徹底し、常駐先で勤務する場合であっても休みやすい環境の構築を図るとともに、お客様に当社の働き方改革へのご理解とご協力をお願いしました。

 2016年度の月間平均残業時間は20時間程でしたが、取組を始めた年から徐々に減少していき、直近5年間の月間平均残業時間は8時間~10時間程となっています。

取組の成果・取組を進めたことによる効果等
従業員の労働環境が改善されたことにより、安心して働けるようになった

 従業員のライフ・ワーク・バランスに配慮し、個々の事情や希望に沿い労働環境の改善に取り組んだことにより、満足度や会社に対する信頼度が向上するといったメリットがありました。

 仕事と育児の両立という観点では、全従業員に向けた推進活動を続けることで、女性従業員だけではなく、自ら育児休業を取りたいと申し出る男性従業員が毎年おり、取得期間も伸びています。また、人材確保という点では、直近数年間の離職率は平均5%程度とIT業界の平均値と比較しても低い数字となっています。

 このような継続的な活動と結果が評価され、2017年にプラチナくるみん認定、2019年に東京ライフ・ワーク・バランス認定企業の中で大賞を受賞しました。認定マークや受賞は対外的に働きやすさをアピールできる指標となり会社のイメージもアップし、採用時の応募者数も右肩上がりに増えています。

今後の課題・展望
従業員のより豊かな生活のために

 当社では5年毎に会社の将来ビジョンを従業員参加型で策定しています。有志メンバーで結成したチーム毎に、会社の事業展開・福利厚生・業績・会社規模・社風について検討した内容を会社へ提案します。経営層の意見も交えて各チームの提案を取りまとめ、「5か年ビジョン」を決定し全従業員に提示しています。

 現行ビジョンの中で掲げている目標の一つには、年収20%アップがあります。働き方改革や仕事と育児・介護の両立だけでなく、給与を上げ、従業員の生活を豊かにすることを目標にしています。新たな5か年ビジョンは昨年度から実施していますが、給与は昨年度から平均8.1%上昇しています。

従業員の声 制度利用者の声画像

会社の制度を利用することで
仕事と育児の両立を実現

管理部 主任
齋藤 亜沙美さん

短時間勤務制度を活用することにより子どもとの時間を確保

 私が主に利用している制度は短時間勤務制度で、2020年7月に育児休業から復帰した時から開始し、現在も利用しています。現時点ではいつまで利用しようということは考えていませんが、子どもが中学1年生の年度末まで利用できる制度であるため安心感があります。短時間勤務制度の利用により、仕事と育児を両立する際に心と体に余裕を持って過ごすことができ、一緒に過ごす時間が確保できることは子どもにとっても良い環境だと感じています。

 また、子どもが体調不良で保育所から迎えに来てほしいと連絡が来た際には、時間単位有給休暇制度を利用することで、柔軟に対応できており、仕事と育児の両立を実現しやすい職場だと実感しています。

(データの取材時点:2023年10月)

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