女性活躍・両立支援に積極的に取り組む企業の事例集

厚生労働省

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2023年度

小柳建設株式会社 (建設業)

建設業の課題を解決するための取組が女性活躍の推進に好影響!

認定マーク

企業プロフィール

設立
1945年
本社所在地
新潟県三条市
事業内容
建設業
従業員数
223人(うち女性31人)
企業認定・表彰等
くるみん認定、プラチナくるみん認定、えるぼし(認定段階3)、プラチナえるぼし、均等・両立推進企業表彰、ユースエール認定

取組内容

女性活躍推進女性職域拡大

特徴的な制度・取組など

  • 女性従業員の現場のパトロールから始まった衛生パトロールで現場環境の改善を推進
  • 事務職から技術者へのキャリアチェンジで活躍の幅が拡大
  • 生理研修で従業員の意識を改善

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インタビュー

  • 統括経営管理部 総務部 部長
    月岡 良一さん

取組のきっかけ・経緯
建設業の課題を解決することが女性活躍に寄与

 建設業全体の課題として、熟練技術者の高齢化や若手技術者の減少など担い手不足があります。担い手が不足すると、技術の継承が難しくなり、事業継続も危ぶまれます。そのため、どうやって働き手を確保するか、建設業に興味を持ってもらうかということを10年くらい前から取り組んでいます。

 若者が敬遠しがちな建設業のイメージである3K(きつい、汚い、危険)を払拭し、新3K(給与、休日、希望)を実現できる企業、職場にすることが課題の解決につながると考え取組を進めた結果、女性が働きやすく、活躍できる職場になったものと考えています。

具体的な取組の内容
現場のパトロールで改善を推進

 女性が活躍するためには、性別に関係なく働きやすい職場にする必要があります。そのためには、現場の衛生環境の向上や、危険・汚い箇所の排除などが必要でした。始まりは、10年ほど前に、当社のある建設現場で女性が現場をパトロールし、危険な箇所や汚い箇所などを指摘して改善する活動をしたことです。当時は男性ばかりだった現場に女性の視点を入れ、それまで「建設現場はこういうものだからしょうがない」と考えていた点を指摘して改善しました。この活動を全社の現場に展開し、当初は「女性パトロール」という名称でしたが、いまでは男女かかわらず参加する「衛生パトロール」という名称で活動を行っています。

 パトロールは内勤者も実施しており、現場を知らない者が確認を行うことで、現場の「当たり前」を新たな視点で確認することができます。一方で、内勤者にとっては、なかなか触れることができない現場に赴いてパトロールを行うことで、現場に興味を持ち、現場を理解することにもつながっています。


技術者へのキャリアチェンジで活躍の幅が拡大

 この現場のパトロールを通じて、現場に興味を持ち、内勤者から技術者へのキャリアチェンジを行った女性従業員がいます。現在では「現場代理人」として、現場責任者の業務を行っています。工事現場では、工事請負業者の経営者が現場責任者として管理するのが本来の形ではあるものの、経営者が直接現場を管理するのは現実的ではありません。そこで、従業員から責任者を決め、現場管理を一任するのが一般的となっており、この責任者が現場代理人です。現場代理人は、工事現場の責任者として、発注者・協力会社とコミュニケーションを主体的にとり、品質管理・工程管理・原価管理・安全管理の責任者として、担当現場を円滑に運営する役割を担っています。

 建設現場とはいえ、責任者の業務であれば力仕事は少なく、マネジメントの業務が中心であるため、女性が活躍できる役割と言えます。まだ人数は少ないですが、内勤者からこういった技術者へのキャリアチェンジする者が出ることで、それに続く女性従業員も出てくることを期待しています。

 なお、現場代理人は法定の責任者ではないため、現場代理人になるために実務経験や資格は必要ありません。しかし、その業務を遂行するためには建設現場に関する知識に加えて、マネジメント能力や判断力、コミュニケーション能力、契約や金銭に関する知識も必要なため、誰でもできるような業務ではありません。そのため、担当現場では、経験豊富な先輩社員や年の近い社員が配置され本人の成長をサポートしています。


生理研修で従業員の意識を改善

 衛生パトロール等により、職場のハード面の改善は進んでいましたが、ソフト面の改善も必要と考えました。従業員の意識が変わらなければ、ハード面の改善も継続できません。そのため、従業員の意識の改善を図ることが必要と考えていました。

 そのような中、生理が重いという話を聞いたことのある女性従業員が、体調が悪いと訴えることがありました。しかし、周囲はどうしたらよいかわからず、本人に任せるしかない状況でした。このままでは女性従業員に無理をさせたり、不要な気を遣わせてしまうおそれがあると感じ、会社が生理について、必要なことを周知し、個人の事情をしっかりと把握しておかなければならないと考えました。年代や学校によっては、女性特有の事情である生理について教育を受けた経験がない者もいるため、しっかりと理解してもらうため、「生理研修」を行うことにしました。

 全社で一度実施しただけでは理解が得られない可能性があるため、まずは各組織の責任者がしっかり意図を理解しなければならないとの思いから、管理職を対象として、生理用品のメーカーが実施している研修をオンラインで実施しました。冒頭には役員が研修の趣旨・目的を説明するとともに、研修の後半はグループディスカッションも行うことで、理解の促進を図り、職場でどう活用するかといった具体的なことも検討しました。参加した管理職からは好意的な感想をもらい、今後は全従業員を対象として実施することを計画しています。

取組の成果・取組を進めたことによる効果等
会社のブランディングや人材確保に大きな効果

 まず、これらの取組を実施することで会社のブランディングにつながると考えています。会社を知ってもらう、良いイメージを持ってもらうのはそう簡単なことではありませんが、これまでの取組が評価され、プラチナくるみん認定や建設業では初となるプラチナえるぼし認定を取得したり、自治体やメディアから取材を受けるなどして、当社の名前を知ってもらうことにつながっていますし、「働きやすい会社」とのイメージを持ってもらえていると考えています。

 その結果、人材確保にも大きな効果があると感じています。女性を含め、採用時に応募する人が増えており「当社で働きたい」と考えてくれる人がいることは本当にありがたいことです。

 また、従業員のエンゲージメント向上にもつながっていると思います。従業員が働きやすい職場にしたり、従業員の事情に配慮した働き方ができるようにすることで、「当社で働き続けたい」と思ってもらえるようになり、人材の流出を防止できているのではと思います。


今後の課題・展望
管理職にチャレンジする従業員を増やす!

 今後の課題としては、女性に限ることではありませんが、管理職にチャレンジしていく社員を増やしていくことと認識しています。ただ、女性管理職を増やすことが目的ではありません。性別にかかわらず活躍できる環境を作ることが必要であり、現状では、「管理職は男性」「管理職の仕事は大変」というイメージがあるようですが、そのイメージを払拭し、管理職にチャレンジする従業員を増やし、結果として、管理職になる女性が増えてほしいと思っています。

従業員の声 制度利用者の声画像

現場代理人への
キャリアチェンジにチャレンジ!

土木工事部
ANさん

パトロールで現場のイメージが一変

 これまで私は、調達本部に在籍し、注文書の作成など事務の業務を担当していました。衛生パトロールに参加するまでは、現場と聞くと「きつい、汚い、危険」というイメージがありましたが、実際に参加してみると「そうでもないな」と興味を持つようになりました。

 また、会社の朝礼で役員から「マネジメント力の重要性」に関する話があり、マネジメント力は「仕事ができる人」に必要な要素ということでした。その際、現場代理人はマネジメント力が必要な業務であるという説明もあり、この話を聞いて学んでみたいと思っていたところ、知り合いの女性従業員も現場代理人にチャレンジするとの話を聞き、仲間がいるなら自分もやってみようと思いました。

 はじめは不安もありましたが、徐々に経験を積み、2年程度で現場代理人になりました。毎日の仕事では初めて見るものも多く、楽しく仕事をしています。

現場に出る女性を増やしたい

 まだまだ現場は男性中心ですが、今後は私のように現場に出る女性がもっと増えてほしいと思っています。そのためには、きつい、汚い、危険と思われがちなイメージを払拭する必要があり、そのアピールをしていきたいと考えています。

 また、事務部門にいたころは、与えられた仕事をこなすのが主な業務でしたが、現場代理人になった今は、現場に出て、自分で決めたことを実行するという業務であり、そこに楽しさがあります。この仕事の楽しさを知ってもらい、女性の仲間が増えてくれたらうれしいです。

(データの取材時点:2023年9月)

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