女性活躍・両立支援に積極的に取り組む企業の事例集

厚生労働省

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2022年度

株式会社グローバル・クリーン (サービス業(他に分類されないもの))

一人ひとりの事情にあわせたきめ細やかな対応で誰もが働きやすい環境に

認定マーク

企業プロフィール

設立
2008年
本社所在地
宮崎県日向市
事業内容
ビルメンテナンス業、不動産業
従業員数
95人(うち女性51人)
企業認定・表彰等
くるみん認定、ダイバーシティ経営企業100選 / 新・ダイバーシティ経営企業100選

取組内容

仕事と育児の両立支援仕事と介護の両立支援テレワーク再雇用制度妊娠中の労働者支援男性育児参画短時間正社員制度女性活躍推進女性採用拡大女性職域拡大

特徴的な制度・取組など

  • 急な欠員の代替スタッフ
  • 復職しやすい職場づくり
  • 家庭や地域、学校行事に配慮したシフト体制づくり
  • 託児所利用料の半額補助制度や小さなこどもがいる方への深夜業務への配慮・こども見学会、職場体験学習の受け入れ 等

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インタビュー

  • 専務取締役
    税田 倫子さん

    ※写真は(左から)専務取締役 税田 倫子さん、代表取締役社長 税田 和久さん、管理部総務 管理部総務課長 富高 佐知子さん

取組のきっかけ・経緯
人材獲得のため働きやすい環境を

 当社は、ビルメンテナンスや清掃業務を主な事業としています。清掃業には「きつい」「給料が安い」というイメージがあり、採用には苦労していました。

 「給料を上げることは簡単にはできないが、知恵を絞れば働きやすい環境はできるのではないか」という発想から、子育て中の女性、高齢者、障がいのある方など、働く意欲はあるけれど制約があって働きづらい人も働きやすい環境づくりを追求しました。

 最初に考えたのは、こどもの急な病気などの際に休みやすい環境づくりです。そのためには業務の属人化の解消が必要です。この人が休んでも他の人が肩代わりできるという状況にすることを考えました。たとえば従来は、先入観から、大型の機械を操作する清掃業務は男性の仕事、ホームクリーニングは女性の仕事というように、性別による分業が行われていました。また、当社には多くの高齢者や障がいのある方も働いていますが、その中でも先入観から分業がありました。そのような先入観を取り払い、性別や年齢、障がいのあるなしに関係なく、全従業員が様々なスキルを身につけられるようにOJTで教え合い育て合い、チーム制で互いに協力しながら働ける環境づくりを行いました。

 その結果、1人の従業員が複数の業務をこなせるようになり、従業員が休みやすくなっただけでなく、お客様へのサービスの質も担保できるようになりました。

具体的な取組の内容
誰でも代替できる体制で休みやすく

(1)多能工化の推進

 大きな機械の操作を1からOJTで学び、女性も操作できるようにするなど、1人の従業員ができる業務の幅を広げ、誰かが急に休んでも、他の人がカバーできる体制を整えました。これによって、お客様に提供するサービスの質を担保することを可能にしました。また、従業員の急な欠員時にも代替スタッフの確保が容易になりました。

(2)チーム制で助け合う

 子育て中、障害のある人、高齢者など“制約人材”の制約をなくすためのチーム制を導入。1人が欠けても人員に余裕のあるチームや本部から人員を補填して、仕事が完結できる体制にしました。

(3)育児・介護の支援

 当社では創業時から従業員の状況に応じて柔軟に、育児・介護のサポートをしてきました。有料の保育施設を利用する際には、保育料の半額を支給、育児短時間勤務も小学校高学年まで利用可とするなど、法律以上の手厚いサポートをしています。

(4)復職しやすい職場づくり

 従業員と十分に面談をし、育児休業からの復帰後の働き方については希望に応じるなど、柔軟な運用を行っています。

(5)男性の育休取得促進

 当社では女性はもちろん男性も育休取得率は100%です。初めて男性育休事例が出たのは2016年で、2カ月の育休を取得しました。日向市では初めての事例でした。

(6)休みやすい環境づくり

 こどもの運動会や参観日など学校行事のために休むのは当社では当たり前となっています。従業員のスケジュールを早くから共有し、互いにカバーし合う体制ができています。また、休憩時間を利用してこどもの部活動や習い事の送迎に出ることも日常的な風景です。

取組の成果
男女ともに働きやすい職場に。採用面でも効果が

 女性が働きやすい職場を実現したことで、従業員の半数以上が女性。管理職も6割が女性です。

 大型の機械を女性も操作できるようになったことで、女性の活躍の場が増えたと同時に、男性の負担が減り、男性も休みが取りやすくなりました。また、現場に出る女性が増えたことで、最初は戸惑っていたお客様からも「作業が丁寧」などおほめの声をいただくことが増えました。

 当社の取り組みが、様々なメディアに取り上げられたことで、採用面でもよい効果が出ています。以前は採用に苦労していましたが、3年前から始めた新卒採用では、毎年100名以上の方が応募してくれるようになりました。

取組を進めるにあたっての苦労・工夫
頻繁に話し合い、従業員の状況を把握

 当社には、「当たり前を疑う」「工夫すれば絶対に無理ということはない」というスピリットが浸透していて、制度を細かく決めるというよりは、従業員と話し合って、一人ひとりの状況に合わせて柔軟な対応を行っています。

 そのために毎週1回会議を行い、従業員の仕事の状況や、今何に困っているかを聞き出しています。「何かあったら相談してね」では、何かあるまで相談できない。それでは対応が間に合わないかもしれません。頻繁に話し合いの場を持つことで問題を未然に防ぐようにしています。

今後の展開
誰もが楽しく働けるだけでなく会社の成長も

 誰もが働きやすく、働きがいを感じられる職場をこれからも目指していきたいと考えています。しかし、楽しいだけでそれが会社の成長につながらないのでは意味がありません。みんなが和気あいあいと楽しく働きつつ、事業も成長していく、そういう会社を目指したいと思います。

従業員の声 制度利用者の声画像

誰もが当たり前に助け合い、
働きやすい職場です

業務管理営業部
主任
山本 瑞貴さん

休みやすく子育てとの両立がしやすい環境

 2017年に週2回の夜間清掃のアルバイトで入社。翌年にパート勤務になり、その後、トレーニング期間を経て、2020年から正社員になりました。アルバイトの頃から、こどもの病気などで急に休む人がいてもすぐに他の人がカバーする様子を見てきたので、働きやすい会社だなと思っていました。アルバイトの立場だった私も、こどもが小さかったので急に休んだり土日の勤務を代わってもらうことがあり、大変助かりました。

 パートから正社員転換できる制度を活用し、6カ月のトレーニングを受けて正社員になりました。トレーニング期間中にいろいろなことを教えていただいて、できなかったことができるようになり、仕事の面白さがわかるようになりました。

会社全体を見て、業績にも貢献していきたい

 今年から主任になり、従業員のシフトの管理をしています。運動会などの学校行事は早くから予定に入れて社内で共有しているので、代替要員の確保が前もってでき、休む人も気兼ねなく休むことができます。普段から互いに助けられているので、自分から率先して代替を買って出てくれる人も多いです。当社には、いろいろな事情のある人がいます。みんなが働きやすい環境のためには価値観の共有が大事で、そのために話し合いを頻繁にしています。様々な価値観を知ることで学ぶことも多いです。

 当社は、男女関係なくいろいろなことに挑戦できるので、日々自分の成長を感じることができ、仕事が本当に楽しいと感じています。

 主任になったことで、私の意識は大きく変わりました。今までは自分の目の前の仕事をこなすことで精一杯でしたがこれからは売上や利益など数字にも関心を持ち、社内全体に目を向けて、会社の業績につながる仕事を意識していきたいと思います。

(データの取材時点:2022年9月)

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