女性活躍・両立支援に積極的に取り組む企業の事例集

厚生労働省

女性の活躍推進・両立支援総合サイトトップ > 女性活躍・両立支援事例集トップ(事例検索) > 企業事例

2022年度

株式会社シニアライフアシスト (医療、福祉)

昇級基準の明確化により女性のモチベーションアップをはかる

認定マーク

企業プロフィール

設立
2003年
本社所在地
香川県高松市
事業内容
介護付有料老人ホーム・デイサービス
従業員数
99人(うち女性74人)
企業認定・表彰等
くるみん認定、プラチナくるみん認定、えるぼし(認定段階3)

取組内容

仕事と育児の両立支援女性活躍推進

特徴的な制度・取組など

  • 勤務時間内の健康診断、がん検診。費用は会社負担
  • 男性の育児休業取得を促す社内研修
  • 多様な勤務時間を用意し、生活スタイルに合った働き方が可能
  • 小学生以上の子連れ出勤が可能
  • 子の看護休暇は7日間取得可能 など

データベース・両立支援のひろばを見る

取組事例ダウンロード 

インタビュー

  • 管理部 部長
    小西 里美さん

取組のきっかけ・経緯
従業員のニーズに合わせて制度を作ってきた

 当社では、両立支援や女性活躍推進、最近では健康経営にも積極的に取り組んでいます。

 当社に限らず、介護スタッフはどこでも人材不足が著しく、良い人材を確保するためにも、働く環境を整えることは優先順位の高い課題でした。

 様々な制度を整え、働きやすい環境づくりを目指してきた結果、設立当初は30~40%という離職率が、今では10%前後まで減っています。

 女性社員の育児休業取得率は100%。育休後の復帰も100%を維持しています。

具体的な取組の内容
柔軟な勤務制度と積極的なキャリアサポート

(1)選択肢の多い短時間勤務制度

 育児休業や育児短時間勤務制度は法定どおりですが、運用はかなり柔軟性を持たせています。たとえば、育児短時間勤務制度は出勤時刻と退勤時刻の30分刻みの組み合わせで15種類の勤務パターンが可能です。こどもが2歳になったから勤務時間を30分伸ばすとか、保育園の送迎のために朝の出勤時間を30分遅らせるなど、それぞれの家庭の事情によって自由に勤務時間の設定ができます。

 当社ではパート従業員も多く働いていますが、パート従業員の勤務パターンも38種類あり、自分の生活スタイルに合った働き方が可能です。こどもの夏休みや冬休みの長期休暇は勤務を半日にするといった利用をする方も多いです。

(2)子連れ出勤

 当社独自の取り組みとして、台風により学校が休校になったり、夏休み中など、やむを得ない場合は小学生以上の子連れ出勤が可能です。老人ホームを運営している当社ならではかもしれませんが、こどもたちが来てくれると入居者様たちも喜びます。入居者様といっしょにレクレーションに参加したり、入居者様のお手伝いをしたり、逆にこどもたちが入居者様に宿題を見てもらうといった交流も生まれています(現在、コロナ禍のため中止)。

(3)シニアライフサポーター制度

 社内試験や取得資格により等級が上がっていくシニアライフサポーター制度を整備し、各段階での研修や資格取得支援を行っています。明確な基準を設けたことで、キャリアアップしようという女性の意欲につながりました。女性の昇格も進み、管理職も増えています。

 現在、課長以上の管理職7名のうち3名が女性(女性比率42.8%)です。

(4)パートタイム労働者の登用

 パートタイム労働者のまま主任に任命されて活躍することもできます。また、正社員への転換も積極的に進めています。

(5)長期休暇取得の奨励

 2018年度より、毎月1人ずつ1週間の連続休暇(ハッピー休暇)取得を計画し、現在までに男性13名・女性14名が取得。365日24時間営業の老人ホームはなかなか長期休暇が取れないので今後も続けていく考えです。

(6)働き方改革

 クラウドシステムで、残業時間や有給休暇取得率を見える化し、働き方改革につなげています。

取組を進めるにあたっての工夫・苦労
男性の育休を業務改革の好機ととらえる

 男性の育休取得者が少ないことは悩みです。育児休業給付金は給料の67%ですので、もともとの報酬が低い場合は家庭を維持していくことが困難になります。

 それでも、1日~1週間といった短期間の育休を奨励し、これまでに3名が取得をしました。現在の男性の育休取得率は50%ですのでこれを100%にしていきたいです。

 女性が7割を占める職場でありながら、課長以上の管理職は男性のほうが多いです。これは大変残念に思っているところです。子育て中の女性が多いこともあり、育児と管理職の両立は大変ではと躊躇しているものと思われます。当社には、資格取得等明確な基準で昇進昇格する人事評価システムがありますので、今後は恐れることなく管理職を目指してほしいと思います。

今後の展開
健康経営にも注力

 去年から、スタッフの健康面のサポートに力を入れています。治療休暇制度も導入し、治療と仕事の両立ができるよう支援。健康診断やがん検診も費用を会社が負担し、検診率を上げるよう周知しています。

 子育て中であまり仕事ができないことを引け目に思う方も多いですが、それぞれの力を出し合って一つのチームですので、できるところを伸ばし、得意な分野でがんばってほしいと思っています。

従業員の声 制度利用者の声画像

「元気な子を産んで帰ってきて」
の言葉に励まされ

ロイヤルケア高松
ケアマネジャー・管理栄養士
小西 美音(こにし みね)さん

両立のために介護職という未知の分野へ転職

 両立のために介護職という未知の分野へ転職以前は栄養士・調理師として他の法人に勤務していました。朝5時出勤の重労働で、結婚しこどもを産み育てることは難 しいと感じていました。そこで、当社に転職しました。面接時に制度等について詳しく説明をしてくれ、出産後の両立のイメージもできたことで安心感がありました。

 介護職は未経験なので不安でしたが、丁寧に仕事を教えていただき、栄養士も兼務しながら働いていましたが、入社して1年半で妊娠。まだ会社に貢献できていないのに育休を取っては迷惑がかかるのではと心配しましたが、周囲は皆、「元気な赤ちゃんを産むことがまず第一。あとはみんなでフォローするから大丈夫」と言ってくれたので安心して育休に入ることができました。育休中に介護支援専門員の資格も取得しました。

 復帰後、育児短時間勤務制度を利用して勤務をしていましたが、まもなく2人目を妊娠。申し訳ないと思いながら施設長に報告をしたら「よかったね!おめでとう!」と言ってくれて、本当にありがたかったですね。

今後は手厚いフォローへの恩返しがしたい

 今年の10月で2人目の子が3歳になります。育児短時間勤務は満3歳まで1日6時間勤務が可能ですが、4月からまずは7時間勤務にして、生活リズムを作っているところです。当社では、30分刻みで短時間勤務の勤務時間を選択できるので、助かりました。

 資格取得の支援も手厚いです。介護職専門員は5年ごとに、1週間程度の更新研修が必須ですが、業務時間中に研修を受けることができ、講習費も会社負担なので大変助かります。

 今まで優遇していただき、周囲のフォローもたくさんいただいたので、今後は恩返しのつもりで後輩たちをサポートできる側になれればと思っています。

(データの取材時点:2022年9月)

PAGE TOP