女性活躍・両立支援に積極的に取り組む企業の事例集

厚生労働省

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2022年度

株式会社デイリー・インフォメーション関西 (サービス業(他に分類されないもの))

全社員がイキイキと働ける環境や制度づくりに取り組む

認定マーク

企業プロフィール

設立
2004年
本社所在地
大阪府大阪市
事業内容
情報誌、広告、パンフレット、Webサイト等の企画・編集・制作・運営等
従業員数
127人(うち女性69人)
企業認定・表彰等

取組内容

テレワーク女性活躍推進女性採用拡大女性職域拡大女性管理職登用

特徴的な制度・取組など

  • 時差出勤制度
  • 短時間勤務制度
  • 保育費補助制度
  • ならし復帰制度
  • 再雇用制度 など

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インタビュー

  • 経営企画室
    執行役員
    東山 奈津子さん

取組のきっかけ・経緯
全社員がイキイキと働ける環境や制度づくり

 当社は、東京に本社を持つ株式会社DACホールディングスのグループ会社で、2004年に設立しました。1962年に設立した親会社は、1980年代から女性活躍推進に着手しており、当社もそのポリシーを踏襲しています。最近では、ダイバーシティ&インクルージョン推進委員会を設置し、「世界で1番働きたい会社をつくる」をスローガンに、女性活躍のみならず、全社員がイキイキと働ける環境や制度づくりにグループを挙げて取り組んでいます。

 当グループの主な取組の一つに、女性社員全員が所属する新・白百合の会というネットワークがあります。当社も設立当時から同ネットワークに参加。女性特有の悩みや経験談・知恵を共有する場となっています。また、これまでキャリアアップを意識してこなかった女性にも、スキルアップ研修により意識向上を図るなど、女性のエンパワーメントに注力しています。

 さらに2009年から、北欧や北米など女性活躍先進国の視察を含む「リーダー育成プロジェクト」も行っています。女性リーダーが活躍することでチームの生産性が向上するなどの事例から気づきや学びを得ています。

具体的な取組の内容
育児との両立のために多様な選択肢を用意

(1)制度の周知・利用促進

 女性が出産などのライフイベントがあっても仕事を断念しなくてすむように、短時間勤務、時差出勤など制度について周知し、利用を促しています。

(2)保育費支援制度

 産休、もしくは国の定める育休を3カ月以上継続して取得した社員のこどもが小学生に上がるまでの保育料を会社が一部負担しています。

(3)テレワーク

 コロナ禍でテレワークが定着し、現在は全社員にパソコンを支給し全ての部署でテレワークを実施しています。子育て中の従業員には両立がしやすくなったと好評です。

(4)ならし復帰制度

 保育園にもならし保育があるように、育休・復帰の際、両立のリズムができるまで、様子を見ながら徐々に復帰できる制度があります。

(5)再雇用制度

 出産・育児のために離職した者でも、再び正社員に戻ってくることができます。この制度によりキャリアを断念しなくてもよくなりました。

(6)へるほり(Health Holiday)

 雇用形態に関係なく年5日、治療や通院など、他者または自身の健康のために理由を開示することなく休める休暇が与えられています。

(7)資格取得支援制度

 業務に必要、あるいは業務に関係のある資格であれば取得に必要な検定料やテキスト代等を会社が負担しています。

取組の成果
女性従業員比率、女性管理職比率とも上昇

 2004年の設立当初は35%だった女性比率は、2012年には60%に上昇しました。子育てと仕事を両立する女性従業員も増え、育休後の復帰率は100%です。様々な制度を活用して仕事を継続されています。

 管理職比率は、グループ全体の目標としては2023年までに執行役員以上の女性比率40%を掲げています。当社では、役員7名中3名。42%で、グループの目標をクリアしています。課長以上の女性比率は44%です。

取組を進めるにあたっての工夫・苦労
経営層とともに先進事例を視察

 女性リーダー研修で北欧の先進事例を視察し、その事例を自社にも適用できないかと考えました。しかしそれを実現するためには経営層に納得してもらう必要があります。そこで、2年目からは女性だけが視察するのではなく、男性役員にも先進事例の視察に参加していただきました。男性役員にも実際に現地で話を聞いてもらい、女性活躍推進の重要性を肌で感じてもらいました。これがきっかけとなり、ダイバーシティ&インクルージョン推進委員会が発足。

 この委員会ができたことにより、多様な人材がいきいきと働ける環境・制度づくりが一気に進みました。

今後の展開
男性の育休取得を積極的に進めていく

 男性の育休取得が今後の課題です。当社では男性の育休取得者はまだ事例がありません。まずは第一号の事例を出すことを目標に制度の充実や周知により一層力を入れていく考えです。

従業員の声 制度利用者の声画像

夫婦で同じ会社に勤め
協力しながら両立

妻 長岡 早暁さん
ソリューションプランニング本部 次長

後ろめたさの克服も両立のポイント

 2008年に新卒で入社。2015年に長男を出産し、1年間の産休・育休後に復帰。その後、2021年5月に出産し、半年後に復帰しました。今は時差出勤・短時間勤務制度や保育費補助制度を活用しながら仕事と育児を両立しています。保育費補助はとてもありがたかったですね。ただ、当事者でないとわからない制度や手続きも多いので、経験した人が体験談を発信することも大事だと感じています。

 1人目の復帰後悩んだのは、部下よりも遅く出社し早く帰る後ろめたさです。そのせいで部下に指示を出しにくいことがあり、逆にそれが業務に支障をきたすことがありました。その失敗を踏まえ、2度目の復帰時は、業務分担やスケジュール共有を行い、出社していなくてもLINEなどでコミュニケーションを欠かさないようにしています。

 私の場合幸運だったのは、夫も同じ会社で働いていることです。スケジューラーで互いの予定を共有し、どちらかが忙しい時には助け合うことがスムーズにできました。

従業員の声 制度利用者の声画像

夫 寺井 宏孝さん
HR事業部 部長代理

管理職が率先して両立する姿を見せることが大事

 妻に負担が偏らないよう、保育園の送迎や家事育児をできる限り分担しています。以前は、管理職である私が早く退社することを気まずく思っていましたが、今は、管理職が率先してやることが大事だと思うようになりました。また、実際に両立を経験してみてその大変さがわかります。部下にも様々な制度を利用して仕事と育児を両立し活躍し続けて欲しいと思っています。

 企業成長や生産性の向上には、離職率低下が重要です。そのためには、「女性活躍」「結婚しても働きやすい」ことは大切なポイントだと思っています。子育ても仕事も大事にしたい、家族との時間を大切にしたいという社員の気持ちを尊重し、希望の働き方が実現できるよう環境を整えていきたいと考えています。

(データの取材時点:2022年9月)

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