女性活躍・両立支援に積極的に取り組む企業の事例集

厚生労働省

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2022年度

イー・バレイ株式会社 (学術研究、専門・技術サービス業)

ワーク・ライフ・バランスを促進し、女性が長く働ける職場を実現

認定マーク

企業プロフィール

設立
2000年
本社所在地
愛知県名古屋市
事業内容
・機械設計、電気・電子設計、ソフトウェア開発等の技術支援事業・開発型アウトソーシング事業・次世代ロボット研究開発
従業員数
118人(うち女性24人)
企業認定・表彰等
くるみん認定、えるぼし(認定段階3)

取組内容

仕事と育児の両立支援テレワークフレックスタイム制短時間正社員制度女性活躍推進女性採用拡大女性管理職登用

特徴的な制度・取組など

  • テレワーク、フレックス制度の導入により多様な働き方が可能
  • 育児のための短時間勤務が小学校3年生修了まで可能
  • 慣らし保育期間も育休取得可能
  • セルフキャリアドックの実施

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インタビュー

  • 管理部
    城所 優衣さん

取組のきっかけ・経緯
女性が圧倒的に少ない状況を改善したい

 当社は、機械、電気・電子、ソフトウェアの3つの分野で開発支援、生産支援、業務改革支援を行っています。技術職という職業柄、従業員の多くを男性が占め、女性が少なく、女性管理職は0という状況でした。

 2016年に女性活躍推進法が施行されました。これと同じ頃、5年ぶりに育休利用する女性社員が出たのですが、例えば慣らし保育に対応できないなど、法定の育休制度だけでは復帰をしても仕事の継続が難しいことが問題となりました。そしてこれが、育休制度の拡充や、女性が長く働けるよう女性活躍推進の取組を始めるきっかけとなりました。また、女性だけでなく、男性も含め、従業員全体が働きやすい環境にすることによって、活気ある会社にしていくことを目指し、両立支援の取組がスタートしました。

具体的な取組の内容
えるぼし認定を目標に 行動計画に沿った改革を

(1)行動計画目標の策定

 女性活躍推進法の施行に伴い、当時は取組は義務づけられていませんでしたが行動計画目標を策定し、取組を進めました。

(2)ホームページのリニューアル

 以前は外部の制作会社に依頼して作っていたホームページを刷新。各部門が発信したい内容を聞き取り、それを反映したホームページを制作しました。育休・復帰した女性従業員のインタビューを掲載するなど、女性でも働きやすい環境であることをアピールしています。社内外で大変好評を得ています。

(3)育児・介護による短時間勤務・フレックス勤務制度

 短時間勤務制度とフレックス勤務制度を導入。これにより、こどもの保育園の送迎や行事への参加、通院などにフレキシブルに対応でき、ワーク・ライフ・バランスを保ちながら働くことができるようになりました。

 短時間勤務制度は、6時間~8時間の間で、本人の選択によって勤務時間を決めることができます。育児による短時間勤務は法定以上の小学校3年生修了まで取得可能です。

(4)短時間正社員制度

 病気などの理由がある場合、正社員でも短時間勤務をすることができます。これによって、治療と仕事の両立が可能になります。

(5)テレワークの本格導入

 従来から導入していましたが、勤続年数や業務上の必要性が認められるなど、一定の条件を満たした者しか利用できませんでした。しかし、コロナ禍が後押しとなり、2020年からは本人が申請し上長が承認すれば利用できるようになりました。これにより、子育て中の従業員だけでなく、遠方に住んでいる従業員の通勤の負担・ストレス解消にもつながりました。

 また、月5日以上リモート勤務をしている従業員には、通信費として月3000円を支給しています。

(6)デジタル化による業務の効率化

 管理部では、出社しなければできない仕事を減らすために、紙ベースの作業を電子化しました。また、電子印のシステムを導入し、押印のための出社も不要になりました。これらによって、よりテレワークがしやすくなりました。

(7)セルフキャリアドック制度

 毎年働きぶりなどから各部署より選ばれた計20名は、外部のキャリアコンサルタントと面談を受けることができ、自身のキャリアの棚卸や将来のキャリアプランを考えていただいています。

 セルフキャリアドック制度の導入により社員の定着やモチベーションの向上につながっています。

取組の成果
様々な認定を受け企業イメージが向上

 女性活躍推進の取組により、えるぼし認定や愛知ファミリーフレンドリー企業などの認定取得ができ、それが会社のイメージアップにつながり、女性の採用増につながりました。女性の育休取得率は100%。育児短時間勤務制度は現在3名が利用しています。そのほか、フレックス勤務やテレワークなどによって時間の融通がしやすくなり、育休後に退職する従業員が減少しました。

 女性従業員は2016年の18名から24名に増加。女性管理職も1名になりました。今後さらに女性社員も増え、管理職も増えていくと期待しています。男性が多いイメージのあった技術職でも、活躍する女性技術者が増えています。

取組を進めるにあたっての工夫・苦労
制度に合わせるのではなく、制度を従業員に合わせる

 女性が管理職登用されたことで、女性の声が意思決定の場に届くようになりました。女性活躍推進については、社長が全社会議で方針を発表したことにより、社員の意識改革につながりました。女性社員が産休・育休を取得・復帰し、働き続けてもらうことが当たり前となり、周りの社員がサポートしていく体制が整いました。

 制度の拡充については、実際に制度を利用する中で困難が生じたときに、従業員が制度に合わせるのではなく、制度のほうを従業員の事情に合わせて柔軟に変えてきました。

今後の展開
女性管理職増、男性の育休取得者増を目指す

 女性管理職がまだ1名なので、今後もさらに増やしていきたいです。男性の育休の取得の促進も課題です。対象者が出た場合は育休制度のメリットを伝え取得促進を図っていきます。

 テレワークは全員が可能ですが、職種によって偏りがあるため、電子化を進め誰でもできるような仕組みをつくっていく考えです。

従業員の声 制度利用者の声画像

夫の転勤後も、
テレワークのおかげで仕事を継続

管理部
鈴木 彩織合(すずき さおり)さん

 昨年、夫の転勤により通勤が難しくなり、退職を考えていましたが、会社のほうから「テレワークで働き続けてはどうか」と提案をいただきました。ありがたいとは思いましたが、テレワークだけで仕事になるのかと不安がありました。しかし、多くの仕事はパソコンで完結できるので滞りなく業務が行えることがわかりました。勤怠管理はシステム上で行い、毎朝のオンラインミーティングでその日の業務の確認や進捗管理をします。問題があった場合はすぐにチャットで相談できるので、特に困ることはないですね。

 テレワークのおかげで、キャリアを中断することなく仕事を継続できて、会社にはとても感謝をしています。私の事例が、このような働き方が可能だということを他の人にも知っていただくきっかけになればと思います。

 また、昨年、セルフキャリアドック制度で、外部のキャリアコンサルタントと面談しました。自分のこれまでのキャリアを見直し、様々なキャリアの選択肢について考えることができました。とても有意義な制度だと思います。

従業員の声 制度利用者の声画像

パートでも正社員と同様に
育休を利用して復帰

開発部
竹ノ内 ひろみさん

 出産を機に前職を退職。その後、パートで当社に入社しました。2人目を出産して昨年11月から育休に入り、約10カ月で復帰しました。パート従業員でも育休が取れると知りませんでしたが、当社では当たり前になっており、上司も管理部も制度を利用する方法などを教えてくださり、とてもありがたかったですね。今は、9時から15時までの5時間勤務なので、育児との両立がしやすく助かっています。こどもが成長したら少しずつ勤務時間を伸ばしキャリア・アップにも挑戦したいです。育児・家事と仕事の両立には不安は尽きませんが、やってみたら案外なんとかなるものです。これから後に続く人には、心配しなくても大丈夫だと伝えたいですね。

(データの取材時点:2022年10月)

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