女性活躍・両立支援に積極的に取り組む企業の事例集

厚生労働省

女性の活躍推進・両立支援総合サイトトップ > 女性活躍・両立支援事例集トップ(事例検索) > 企業事例

2022年度

大橋運輸株式会社 (運輸業、郵便業)

中小企業だからこそダイバーシティへの取組が重要

認定マーク

企業プロフィール

設立
1954年
本社所在地
愛知県瀬戸市
事業内容
自動車部品輸送、引越、生前整理、遺品整理
従業員数
90人(うち女性17人)
企業認定・表彰等
くるみん認定、ダイバーシティ経営企業100選 / 新・ダイバーシティ経営企業100選、100選プライム

取組内容

仕事と育児の両立支援テレワークフレックスタイム制再雇用制度男性育児参画短時間正社員制度女性活躍推進女性職域拡大女性管理職登用

特徴的な制度・取組など

  • 健康経営施策(管理栄養士の登用)
  • 短時間正社員制度
  • ダイバーシティ人材へのフォロー制度

データベース・両立支援のひろばを見る

取組事例ダウンロード 

インタビュー

  • 総務課 SV・ダイバーシティ推進室
    部坂 菜津子さん

    ※(左から)太 美善さん、吉田 恵美子さん、部坂 菜津子さん

取組のきっかけ・経緯
早くから従業員満足向上の施策に取り組む

 1998年に運輸業が許可制になったことで同業他社の参入が増え、他の業界よりも早くから人材不足に直面していました。良い人材を獲得するためには、ES(従業員満足)の向上が重要だととらえ、働き方改革や、女性や外国人、障がい者、LGBTQなど、ダイバーシティ採用にも力を入れるようになりました。

 当社の社長は「中小企業こそダイバーシティ経営が重要だ」という考え方で、トップダウンでさまざまな施策を進めていきました。

具体的な取組の内容
女性、高齢者、外国人、LGBTQへの手厚い対応

(1)短時間正社員制度

 子育て期の女性を積極的に採用するため、2011年に短時間正社員制度を導入。週3日、1日4時間~の勤務を可能とし、個々人の状況に合わせて柔軟な運用を行いました。

(2)高齢者の雇用延長

 60歳以上の定年退職者を積極的に採用し、2012年から一定の基準を満たせば65歳まで雇用延長。65歳以上についても会社が認める人には再雇用制度を適用しています。

(3)外国人の採用

 2013年から検討を始め、2014年から外国人を積極的に雇用。面接シートや会議資料を英文表記する、通訳をつけるなどの対応のほか、帰国時の旅費の一部を補助しています。

(4)LGBTQ採用

 2014年に、履歴書の性別欄を廃止。社内にだれでもトイレを設置したり、LGBTの方のために新たに更衣室を設けるなどの対応も行いました。

(5)障がい者雇用

 2017年から施設やハローワークからの紹介で、障がい者の積極雇用を開始。健常者と障がい者でチームを組み、互いにサポートし合う体制で業務を進めています。

(6)育児のための有給休暇制度

 2013年から、男性の育児休暇促進のため、通常の年次有給休暇に加え2日間の有給の育児休暇を設けています。

(7)ジョブシェア

 短時間勤務の従業員が多いため、細かくジョブ管理を行い、1人が急な休みでも別の人がカバーできる仕組みを整備し、安心して働ける環境となっています。

(8)1年中がんばらない制度

 従業員一人ひとりの業務負荷を見える化し、がんばっている人を讃え、がんばりすぎている人には少し休みなさいよと、注意喚起できるような仕組みを検討中です。



取組の成果
女性従業員数の急増、離職率の低下等

 短時間正社員制度を導入したことで、女性の応募が2016年には44名だったものが、2019年には130名に急増。

 また、女性が働きやすい環境は、外国人やLGBTQ、障がい者、全ての人に働きやすい環境につながりました。3年以内の離職者は2017年の70%から、2019年は33%に低下しています。男性の育児休業取得も奨励しており、現在取得率は60%です。

 副次的な効果として、若い女性社員が増えたことで、職場の雰囲気が明るくなり、皆が生き生きと働くようになったことも挙げられます。多様な価値観が入ることで、いろいろな視点からアイデアが出やすくなりました。

 ESの向上により従業員のモチベーションも向上し、優良ドライバーの割合が2015年の53%から2019年91%に増え、輸送量も2年間で12%増加。サービスの質向上にもつながっています。客観的な評価としては、2019年に第1回あいちサービス大賞知事賞を受賞しました。

 障がいのある従業員が、当社に来てドライバーの免許を取得し一人暮らしを始めるなど、様々な挑戦をしていることから、母校からキャリア教育の講演依頼を受けたという嬉しいできごともありました。

取組を進めるにあたっての工夫・苦労
反発や戸惑いにはトップダウンで丁寧に意識変革

 新しい施策を実行する際に、最初は必ず逆風がありました。特に短時間正社員制度は、「短時間しか働かない人が増えたら困る」などの声がありました。外国人や障がい者の採用についても、「どう接したらいいかわからない」など戸惑いの声がありました。

 しかし、社長自らが、「意識を変えるには知識を高めることが必要」だと、朝礼など機会があるごとに発信し続けることで、少しずつ理解が広まっていきました。

今後の展開
得意を活かして楽しく働ける環境づくり

 当社は中小企業ですので、大企業のようにしっかりとした制度があるわけではありません。その代わり、一人ひとりの状況を聞きながら丁寧に個別対応をしてきました。それができるのは、中小企業の強みだと思います。

 今後は、従業員一人ひとりの強みを活かした仕事をもっと増やしていきたい。今、通常業務のほかに、ユニーク担当、スマイル担当、モチベーション担当などを設けて、それが得意な従業員に割り振っています。たとえば、ユニーク担当者には、社内の掲示物に載せるお知らせを4コマ漫画で面白く表現してもらうなどです。また、従業員の趣味に対して補助金を支給するという「趣味応援企画」を実施しています。

 これらの施策を通じて、従業員が仕事だけでなく人生も楽しむことができればと思っています。

従業員の声 制度利用者の声画像

短時間正社員制度で
子育てとキャリアを両立

安全衛生推進室
室長
吉田 恵美子さん

週3回4時間勤務からスタート

 2015年に、短時間正社員制度を利用し、週3日4時間勤務で入社しました。以前は一般企業に勤め、結婚出産のため退職。しばらくは子育てに専念し、こどもが通園するようになってからはパートで働いていました。こどもが小学校を卒業するときに、自分の将来のキャリアを考え、もっと将来の発展性のある仕事がしたい。でも、まだ子育ては続きますし高齢の親も同居していたのでフルタイム勤務は難しい。そう思っていたときに、当社の求人を知りました。最初は週3日4時間勤務でしたが、こどもの成長に合わせて少しずつ伸ばし、現在は、週4日で8時半から16時45分まで勤務しています。

管理職の価値は勤務時間の長短とは関係ない

 入社当時は短時間勤務の人が少なく「週3日しか来なくて何ができるんだ」と言われることもありましたが、だんだん短時間勤務の人が増え、先輩の短時間正社員がしっかり成果を出していたこともあって、批判的な声もなくなりました。

 社長の勧めで運行管理者の国家資格を取得。その後、管理職になりました。最初は短時間勤務は管理職には不向きだと、躊躇しました。でも社長は「管理職は、会社に長くいる人ではなく、部下をフォローでき、いろいろな視点を持って組織の仕組みを考えられる人。時間は関係ない」と熱心に言ってくださり、挑戦しようという気持ちになりました。

 しかし、通常勤務で働いている人から見たら、短時間勤務の者が管理職になるのは面白くないと思います。実際「管理職なのに早く帰る」「夜間勤務ができない」などの不満を聞くことはありました。しかし、社長がサポートしてくれたので、時間ではなく仕事内容で認めてもらえるよう、限られた時間で真摯に仕事に取り組んできました。

 これからの世代のために、育児中でも責任ある仕事はできる、管理職だってできるということを示していけたらと思います。

(データの取材時点:2022年9月)

PAGE TOP