女性活躍・両立支援に積極的に取り組む企業の事例集

厚生労働省

女性の活躍推進・両立支援総合サイトトップ > 女性活躍・両立支援事例集トップ(事例検索) > 企業事例

2022年度

株式会社めんこいメディアブレーン (サービス業(他に分類されないもの))

ITを活用した働き方改革で顕著な成果が

認定マーク

企業プロフィール

設立
1994年
本社所在地
岩手県盛岡市
事業内容
労働者派遣事業、有料職業紹介事業、業務請負
従業員数
57人(うち女性26人)
企業認定・表彰等
えるぼし(認定段階3)

取組内容

仕事と育児の両立支援男性育児参画女性活躍推進女性職域拡大女性管理職登用

特徴的な制度・取組など

  • 残業削減・年次有給休暇取得率の向上の推進
  • クラウド型勤怠システムの導入による適切な労務管理の実施
  • Web会議システムの導入により時間効率を向上
  • eラーニングシステムの導入により育児と仕事の両立支援
取組事例ダウンロード 

インタビュー

  • 常務取締役
    高橋 辰雄さん(左)
    総務部長
    小川 祐子さん(右)

取組のきっかけ・経緯
人材確保のため働きやすい環境づくりを

 当社は岩手県に本拠地を置き、テレビ局など放送関連業を中心に、労働者の派遣や業務受託を行う会社です。当社のように、地方で人材ビジネスを行う企業にとって優秀な人材の確保は最大の課題です。そこで、働きやすい環境づくりに取り組んでまいりました。

 2016年から取組を開始しましたが、2017年に外部のコンサルタントによる働き方改革に関する講座を受講し、他社の先進事例を学んだことが大変刺激になりました。積極的な取組を進めたことが評価され、2020年に「いわて女性活躍認定企業等」に認定され、2021年にはえるぼし認定も取得しました。

具体的な取組の内容
設備投資によって長時間労働を改善

(1)長時間労働の改善

 従来、手書きの自己申告式で行っていた勤怠管理を、クラウド型勤怠管理システムに移行。さらに、事務所の玄関ドアを電子錠制御システムに変更し、ICカード式入構証を用い従業員の入構時間を把握できるようになりました。これによって、労働時間の把握が即時にできるようになり、残業が多い部署には注意勧告することで、長時間労働の改善につながりました。

(2)計画的有休取得の促進

 毎月全従業員の就業状況、年次有給休暇取得状況を各所属長に報告し、部署毎に長時間労働の改善と計画的有休取得を促進しています。

(3)勤務間インターバル制度の導入

 放送関連業務は早朝から深夜に及ぶことも多いため、従業員の健康維持のために、勤務間インターバルは重要と考えています。現行の就業規則ではインターバルを10時間としていますが、より働きやすい職場づくりに向けて、11時間への改定も含め検討しているところです。

(4)web会議システム導入

 コロナ以前よりweb会議システム導入しています。以前は、各拠点の従業員は本社に移動して会議を行っていましたが、web会議システム導入により移動が不要となり、業務時間の短縮につながりました。

(5)育児・介護等をしながら能力を活かし働ける環境づくり

 育児・介護と仕事の両立は、限られた時間をいかに効率的に使うかが鍵となります。当社では、忙しい業務の合間にも効率的に学べるように、eラーニングシステムを導入し、ビジネススキルから資格取得、英語など、1回10分程度で学べる500ものコンテンツを提供しています。

(6)仕事の標準化により属人化を解消

 育児や介護、本人の病気などで休んでも、他の人がその人の仕事をカバーできるためには、仕事の属人化を解消する必要があります。手始めとして、クラウド上でファイルを共有し、誰でも見られる状態にしています。業務の標準化は今後も進めていかなければならない課題です。

取組の成果
労働時間の短縮など顕著な成果

 勤怠管理のシステム化、業務の効率化等によって、所定外労働時間が54.4時間から34.9時間に減少(休日出勤含む)。年次有給休暇取得日数は、0.8日/年から6.5日/年に増えました(2020年度)。また、えるぼし認定などで働きやすい企業であることが周知され、採用活動で応募者、特に女性が増えました。

 放送業界は長時間労働が当たりまえ、と思っている方も多いと思いますが、やってみればできるのだということがわかりました。

 育休取得後の復帰は100%。男性職員も2名(3回)が育休を取得しています。

取組を進めるにあたっての工夫・苦労
補助金や助成金を活用し働き方改革

 業務改善にあたって、クラウド型勤怠管理システムや、ICカード式入退室管理システム、web会議システムの導入等を行いましたが、この費用は、2018年度「いわて働き改革等推進事業費補助金」によって賄いました。

 2017年度「盛岡市ライフプランニング支援活動事業補助金」を活用し、外部機関のコンサルタントを講師に迎えたセミナーに社内だけでなく派遣先企業からも50名が参加しました。

 補助金や助成金の情報にアンテナを張り、タイミングよく申請・受理されたことで、思い切った施策ができました。

 しかし、新しいシステムの導入に反発する人や不慣れな人もあり、全員が活用するまでには個別に粘り強く普及活動をする必要がありました。

今後展開
ワーク・ライフ・バランスの向上を目指す

 今後の課題は、女性活躍推進のため、女性の職域拡大、管理職登用拡大とそのための人材育成。現在、女性管理職比率は25%なので、これを上げていくために、研修制度を検討中です。

 今後は「くるみん」認定取得を目指し、ワーク・ライフ・バランス推進を加速させること、勤務間インターバル制度の実効性を高め、現在10時間設定のインターバルを11時間に延長することも今後目指していきたいと考えています。

女性従業員の声 制度利用者の声画像

後輩たちの
良きロールモデルになりたい

総務部
藤澤 沙由里さん(左)

めんこいテレビ 編成業務部 派遣
千葉 千尋さん(右)

藤澤 沙由里さん

先輩ママたちの存在が励みに

 第1子出産のため、約1年間産休育休を取得して2021年9月に復帰しました。育休のおかげで、息子の1年間の成長を間近で感じることができました。

 産休に入るときに、復帰後再び仕事ができるか不安でしたが、活躍する先輩ママさんがいることで、私も仕事を続けキャリアアップをしたいと思うようになりました。

 テレワーク制度もあるので、コロナ禍で保育園が休園のときも自宅で仕事ができ助かりました。今後も、息子の病気などで出勤できないときは積極的に利用したいと思います。当社にはフレックスタイム制がありませんが、家族の誕生日や健診時などにフレックスタイム制を利用して、家族との時間を増やしていければいいなと思います。今後は、後輩たちのために、仕事と家庭を両立するロールモデルになりたいと考えています。

千葉 千尋さん

DX化やさらなる業務の簡略化も必要

 約1年半の育休後、2019年8月に職場復帰。復帰後「所定外労働時間の制限」を約1年間利用し、2020年8月本社の編成業務部へ派遣されて現在に至ります。

 復帰当初は、周囲の理解が得られるか、自身が抱えている業務を時間内に終わらせることができるか等の不安がありました。所定外労働時間の制限を利用していたときは、私が残業できない分、他の社員の負担を増やしていることに罪悪感がありましたが、夫の協力を得て残業ができるときは残って業務をしたり、できるだけ時間内に業務が終わるよう工夫して乗り越えました。今は、この制度を利用していませんが、他のスタッフの助けもあり、繁忙期もほとんど定時で退社できています。こどもとの時間を多く確保することができ、感謝しています。繁忙期は業務量がどうしても増えてしまうので、さらなる業務の簡略化やDX化が必要だと感じています。

(データの取材時点:2022年9月)

PAGE TOP