女性活躍・両立支援に積極的に取り組む企業の事例集

厚生労働省

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2022年度

株式会社青森ダイハツモータース (卸売業、小売業)

トップ主導のイクボス宣言で女性の働きやすさが向上

認定マーク

企業プロフィール

設立
1970年
本社所在地
青森県青森市
事業内容
自動車小売業
従業員数
283人(うち女性77人)
企業認定・表彰等
くるみん認定、プラチナくるみん認定、均等・両立推進企業表彰

取組内容

仕事と育児の両立支援男性育児参画短時間正社員制度女性活躍推進女性採用拡大女性職域拡大女性管理職登用

特徴的な制度・取組など

  • 育児目的休暇制度の導入
  • 半日有給休暇制度
  • 短時間勤務制度
  • 短期間育児休業制度
  • 全管理職のイクボス宣言 など

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インタビュー

  • 管理部 総務グループ
    課長
    出町 修平 さん

取組のきっかけ・経緯
社長が旗振り役となりイクボス宣言

 当社では主力商品が軽自動車のため、女性のお客様が大変多く、相談相手として女性スタッフを好まれる方が多いです。そのため、女性を積極的に採用し、長く働いてもらいたいということから、2015年頃から、女性が働きやすい環境づくりに取り組んできました。

 また、当社の従業員の平均年齢は42.2歳で、子育て真っ盛りの従業員が多いです。女性だけに子育てを任せるのではなく、男性も積極的に子育てに参加してほしいということから、社長が旗振り役になり2018年より、イクボス宣言を開始しました。


具体的な取組の内容
短期間育休制度で男性も休みやすく

(1)育児休業の奨励

 希望者は全員育休を取得。復帰率は100%となっています。

(2)育児目的休暇制度の導入

 保育園や学校の行事や保護者会等に参加しやすいよう、育児目的の休暇をこども1人につき年間3日間、2人の場合は年間5日間、こどもが小学校3年まで使用できる制度を導入しました。

(3)半日有給休暇制度

 小学生以上のこどもを持つ従業員は、授業参観などで半日だけ休みたいという場合、以前は、午前中仕事をして午後は欠勤扱いとなっていましたが、0.5日単位で効率的に有給休暇を取得できるようになりました。

(4)育児短時間勤務制度

 法定を上回る小学校入学前まで取得できます。

(5)短期間育児休業制度

 男性でも育児休業を取りやすいように、短期間の育児休業制度を導入。有給で2日間休むことが可能に。出産に立ち会ったり退院に備えるなどの利用を想定しています。現在、男性の取得率は100%です。

(6)全管理職のイクボス宣言

 全ての店舗で店長がイクボス宣言を行い、「私は、仕事を効率的に終わらせ早く帰る部下を評価します。」など6項目を明記したイクボス宣言書を事業所内に掲示しています。

(7)復職前面談

 復職にあたっての不安を取り除くことを目的とし、育休の復職前に面談を行っています。

(8)こども参観日

 従業員のお子さんが会社見学をし親の働く様子が見られるイベントを行っています(コロナ禍により現在中止)。



取組の成果
働き方改革の取組成果が数字に直結 女性の採用増も

 制度を導入し、積極的に利用していただくよう働きかけたことで、短期間の育児休業制度は男性の100%、33名が利用しています。女性も、育休後の復職率は100%となっています。業務の見直しや各自が仕事の効率化に努めたことにより、時間外労働が2014年の18.7時間/月から2021年度には12時間/月まで減少しました。年次有給休暇の取得日数も増加。2014年度の2.91日/年から2021年度には10日/年となりました。

 イクボス宣言の取組は、2019年のあおもりイクボスアワード受賞につながりました。また、令和2年度には、青森市男女共同参画推進表彰を受けています。

 また、女性が働きやすい環境を整えくるみん認定やプラチナくるみん認定を受けたことで、採用面でも、女性の応募が顕著に増えています。

取組を進めるにあたっての工夫・苦労
制度の周知、属人化の回避、業務の効率化など

 制度を作るだけでは意味がありません。使っていただいてこその制度なので、利用しやすい雰囲気づくりを意識的に行ってきました。

 まず、制度の利用対象となる社員には必ず総務担当から制度の説明や、利用の意志の確認を行います。男性社員の場合は配偶者の妊娠や出産状況までは把握しづらいので、家族構成がかわったら、必ず総務担当者に連絡するよう周知をしています。また、制度がたくさんあると忘れられてしまうものも出てくるので、会議資料に情報を掲載したり、社のイントラネットで情報を共有するなどを行っています。

 数年ごとに業務のローテーションを行い、「その人しかできない仕事」がないようにしています。これによって、急に誰かが休んでも、他の人がカバーできる体制になっています。

 残業を減らすために、各チームで業務の棚卸を行い、無駄な業務を排除したり業務の効率化を図りました。ただ、店舗によって差があるので、どの店舗でも残業が減らせるよう、今後も努力を続けていかなければならないと考えています。

 また、女性の管理職比率(現在5.6%)を上げていくことも今後の大きな課題です。制度や仕組みは整っているので、利用できる制度は利用しながら、男女ともに管理職を目指す社員がもっと増えて欲しいです。

今後展開
休みやすさと売上とのバランス

 短時間勤務や育児目的休暇などの制度を整備し、たくさん利用してもらうのは良いことですが、一方で、働く時間が短くなるという問題があります。従業員の総労働時間が減っても売上を落とすわけにはいきませんし、会社としてはさらに売上を伸ばし成長していかなければなりません。そのためにはさらなる業務改善や働き方改革が必要だと考えています。

従業員の声 制度利用者の声画像

上司や周囲の理解に
感謝しながら両立中

弘前城東店サービス課
山口 怜奈さん

短時間勤務制度を活用して両立

 2016年に整備士として、青森拠点のサービス課に入社。2020年から弘前拠点に異動し、現在に至ります。整備士になったのは車が好きだったことと手に職をつけてキャリアアップしたいという夢があったからです。

 現在、2歳と4歳のこどもの育児と仕事を両立しています。1人目の産休・育休で1年半ほど仕事を離れていたときは、ちゃんと仕事に戻れるのか、両立ができるのか、技術が遅れているのではないかと不安でした。同期よりも遅れを取っていることに対する焦りもありました。しかし、復帰前に会社で面談があり、復帰後の悩みについてもいろいろ相談できたので、少しずつ不安が解消していきました。

 復帰後は、9時半から17時までの短時間勤務で働いています。保育園のお迎えにも余裕をもって行けますし、こどもと過ごす時間が増え、ありがたいですね。育児目的休暇や半日有給休暇もとても助かっています。保育園の運動会やお遊戯会、保育参観などに利用しています。

 短時間勤務で人より早く帰るのは心苦しい気持ちもあり、空いた時間を利用して、工場を片付けたり、次の作業の準備をしておくなど、他のことでカバーするよう努めています。

自動車検査員の資格取得を目指し勉強中

 今は上司や周囲の皆さんにサポートしていただいて両立ができていますが、今後は後輩のために私がサポートしてあげられるようになりたいです。

 整備士の仕事にはとてもやりがいを感じています。故障した車を修理して動くようになったときはとても達成感がありますね。今、自動車検査員の資格を目指して、勉強しています。女性は少ないですが、女性にできない仕事ではないので、がんばってスキルを磨いていきたいです。


山口さんと上司の泉谷 佳吾さん(弘前城東店サービスマネージャー)

(データの取材時点:2022年9月)

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