女性活躍・両立支援に積極的に取り組む企業の事例集

厚生労働省

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2021年度

株式会社ヤマヲ (製造業)

SDGsの目標達成をきっかけに女性が働きやすい職場づくりに取り組んでいます

認定マーク

企業プロフィール

設立
1948年
本社所在地
東京都立川市
事業内容
製造業(麺類、総菜等の製造)
従業員数
620名(うち女性322名)
企業認定・表彰等
えるぼし(認定段階3)

取組内容

女性活躍推進女性職域拡大

特徴的な制度・取組など

  • SDGsの目標達成の一環として女性活躍の取組を開始。
  • 「WSP(Women Smiles Project)」を通じて、女性が働きやすい職場環境改善に取り組む。

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インタビュー

  • 総務部 人事課 次長
    稲見 圭悟さん

取組のきっかけ・経緯
SDGsへの取組の一環として、女性活躍に取り組む

 当社は、コンビニエンスストア等で販売される麺類の製造を行っており、経営理念として、「心豊かな食文化を創造し、安心で安全な魅力的な商品を提供することで社会に貢献し、共に繁栄することを目的とする」ことを掲げています。当社の経営陣は、社会貢献への意識が高く、本業を通じた環境やエネルギー、飢餓の解消といった分野からSDGsの取組を開始しました。SDGsの取組を進める中で、当社は女性や外国籍の従業員が多いことから、ジェンダー平等、ダイバーシティの分野でも社会貢献できるのではないかと考え、女性活躍推進の取組も開始しました。SDGsへの取組を通じて、女性が活躍できる会社、かつ地域社会や国際社会の一員として、従業員一人ひとりが働きがいを感じることができる会社を目指しています。

具体的な取組の内容
プロジェクトを立ち上げ女性が働きやすい職場づくりに取り組む

 2019年に専務の呼びかけから、女性従業員2名、男性従業員1名をメンバーとし、女性が働きやすい職場づくりをテーマとして取り組む「WSP(Women Smiles Project)」の活動をスタートさせました。「WSP」の活動として、年に一度、女性従業員を対象に職場に関するアンケートを実施しています。アンケートの結果から職場における困りごとや課題を拾い上げ、経営陣に報告し、会社として改善を検討しています。今までに、トイレの修繕や更衣室を使いやすくする等、ハード面での改善を行ってきました。今後の活動としては、当社は若い従業員が多く、出産や育児等のライフイベントを迎える人が増えると想定されるため、両立支援制度の周知や利用促進等、ソフト面での改善に取り組んでいきたいと考えています。
 また、月に一度程度、実施した改善事項の報告や活動の周知のため、「WSP通信」を発行し、職場内に掲示しています。「WSP」の活動は社内で注目されており、経営陣も活動の進捗を気に掛けています。このプロジェクト活動をきっかけに、男性従業員を含む全従業員が社会貢献に興味を持ち、一人ひとりが取り組むことが必要と考えるきっかけになりました。
 さらに、女性の職域拡大の取組として、今まで男性ばかりだった部署に女性の配置を行いました。配置に当たっては、それまで「力仕事だから女性は難しい」と考えられていた部署の業務について、細かく業務内容を切り分けて整理をしました。すると、性別にかかわらず担当できる業務が多いことがわかりました。そのほか、当社は女性従業員割合に比して、正社員の割合が低いことが課題だったため、女性アルバイト社員に声掛けを行い、正社員に応募するよう働きかけを行いました。その結果、直近5年間で4名のアルバイトから正社員への転換が実現しています。
WSP通信

取組の成果・取組を進めたことによる効果等
念願だったえるぼし認定の3段階目を取得

 2021年には「WSP」の活動で目指していた、えるぼし認定の3段階目を取得することができました。女性が活躍できる職場として評価されたことはとても光栄に思っています。えるぼし認定の申請に当たっては、用語が難しく理解するのが大変でしたが、人事に関するデータは整理されていたためスムーズに申請することができました。えるぼし認定を取得した効果は、採用の場面で感じることが多いです。面接では、女性だけではなく男性の応募者からもえるぼし認定に関する質問があり、注目度の高さを感じています。えるぼし認定が当社を知る入口となり、SDGsをはじめとした社会貢献活動に取り組んでいる会社だと知ってもらえるという点でも認定取得のメリットを感じています。
 また、男性ばかりだった部署に女性を配置したことの効果として、職場におけるハラスメントについて、さらに意識が高まったと感じています。ハラスメント防止については従前から取り組んでいましたが、相手を思いやる指導や理解してもらうような工夫がより一層進み、職場における多様性が良い影響をもたらすことを実感しています。

取組を進めるにあたっての工夫・苦労
理念や取組の周知に映像を活用

 当社の従業員は外国籍の方も多く、当社の理念や取組について、日本語を翻訳したのみでは伝わり難いこともあります。そこで、全従業員が理解できるような動画を作成し、職場のダイバーシティを推進しています。また、従業員朝礼で、SDGsに関するスピーチを順番に行っており、個々の従業員が自ら目的意識を持って、取組に臨める機会を作っています。

今後の課題・展望
女性の継続就業からプラチナえるぼしを目指す

 今後の課題として、女性の継続就業について積極的な取組が必要と考えています。当社では今まで出産のタイミングを迎える女性が少なかったため、産前産後休業や育児休業取得の前例が多くありません。近年、若い女性従業員が増え、出産や育児等のライフイベントを迎える人が増えると想定されるため、両立支援制度の周知や職場でどのように対応していくかが課題になると考えています。あわせて、男性の育児参画にも取り組んでいきたいと考えています。
 また、えるぼし認定を取得した効果について、経営面、社会貢献の点など視点を変えて効果の検証を行っていきたいと思います。また、次のステップとしてプラチナえるぼし認定の取得を目指していきます。

従業員の声 制度利用者の声画像

「WSP」の活動を通じて成長できたと感じています。

総務部
三宅 成美さん

仕事と家庭を両立するロールモデルを目指したい

 2015年に入社後、総務業務をはじめ、製造管理、営業開発等の業務に携わっています。製造工程における作業を標準化するための作業指示書の作成を担当していますが、私の作成した指示書が、工場での作業に役立った時はやりがいを感じます。2019年に「WSP」発足時のプロジェクトリーダーに任命されました。リーダーを任された時には本当に驚き、私にできるのだろうかと不安もありました。しかし、プロジェクト活動を通じて、自分以外の業務内容について新しいことを知ることができたり、女性が働くことに関して深く考える機会を多く得たことで、物事に対する視野が広がったと思っています。2020年には係長になったこともあり、仕事への責任を感じています。
 当社の女性従業員は若い人が多く、これから出産や育児を迎える人が増えると思います。将来的な目標としては、「WSP」の活動で得た経験を活かし、仕事と家庭を両立するロールモデルになりたいと考えています。

(データの取材時点:2021年11月)

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