女性活躍・両立支援に積極的に取り組む企業の事例集

厚生労働省

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2017年度

AGS株式会社 (情報通信業)

在宅勤務制度をはじめとする柔軟な働き方の導入により仕事と家庭の両立を支援しています

認定マーク

企業プロフィール

設立
1971年
本社所在地
埼玉県さいたま市
事業内容
情報通信業(ソフトウェア開発、その他情報サービス)
従業員数
1,057人(うち女性282人)
企業認定・表彰等
くるみん認定、均等・両立推進企業表彰

取組内容

仕事と育児の両立支援テレワークフレックスタイム制

特徴的な制度・取組など

  • 在宅勤務制度とフレックスタイム制により従業員のライフスタイルに合わせた柔軟な働き方をサポート
  • 長時間労働を防止するため、終業時間から翌日の始業時間まで11時間間隔を確保するインターバル制度を導入

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インタビュー

  • 人事部
    真玉橋 香織さん

    企画部
    橋本 瑞季さん

取組のきっかけ・経緯

 当社の仕事と育児の両立支援の取組は、高い専門性を身につけたシステムエンジニア職の女性従業員が出産や育児等で退職することなく、当社で長く働き続けて欲しいという思いからスタートしました。当初は、女性従業員が育児と両立しながら働き続けることができる職場環境づくりを進めてきましたが、近年は、従業員それぞれのライフスタイルに合わせて柔軟に働くことができる会社を目指し、人事部働き方改革推進グループ主導の元で働きやすい環境の整備や、生産性向上のための業務改善等の働き方改革に注力しています。

具体的な取組の内容

 当社では、多様な働き方が可能な職場環境を目指し、2011年に在宅勤務制度を導入しました。導入当初は週2回まで利用可能、育児や介護事由の利用が中心でしたが、2014年に改定を行い、週1回以上出社すれば事由を問わず利用できるようになりました。また、在宅勤務中心の働き方も認めています。ビデオ会議や音声通話、チャットを利用しながら、オフィスのメンバーとリアルタイムでのコミュニケーションを図っています。在宅勤務制度とフレックスタイム制を組み合わせて日中の中抜けを可能としたり、移動時間のロスを削減するために半日有給休暇や外出先への直行直帰と組み合わせての利用を認めることとしました。在宅勤務可能な時間は7時から22時まで、終業時間から翌日の始業時間まで11時間以上間隔を開けるインターバル勤務制度を在宅勤務にも適用し、長時間労働にならないよう対策をしています。2022年度の働き方改革の目標としては、長時間労働の削減に向けて全社共通目標「1.深夜残業ゼロ、2.3カ月連続60時間超過者ゼロ、3.所定時間外20時間以内」を掲げています。

 営業部門では仮想デスクトップを利用したモバイルワークを実践しています。さらに、複数店舗のシェアオフィスが利用できるように契約し、移動時間の合間でも事務的作業に集中できる環境を整えて業務の効率化に努めています。

 その他の両立支援制度として、フレックスタイム制(全部署で利用可能)、育児短時間勤務制度(子どもが小学校3年生まで利用可能)、社会福祉活動休暇(PTA活動を含む社会福祉活動に理由を限定し、年5日まで半日単位で利用可能。有給)など、従業員の事情に合わせて柔軟な働き方が可能な制度を導入しています。また、在宅勤務で使用する自宅用パソコンの購入費用を上限2万円まで補助する制度も整備しています。

 これらの取組が評価され、2020年に総務省主催の「テレワーク先駆者百選」に認定されました。

制度導入による効果等

 育児や介護に直面した時にも、在宅勤務制度等を利用しながら仕事を続ける従業員が増えており、継続就業の面で効果があったと考えています。在宅勤務制度を導入した当初は、女性従業員が育児や介護のために利用するケースがほとんどでしたが、近年は男性従業員の利用や、育児や介護以外の理由での利用も増えています。在宅・シェアオフィス・出社のいずれかの中から、従業員みずから働く場所を選択できる勤務体制を整えることで、従業員のワーク・ライフ・バランスの改善に寄与していると感じています。様々な取組から波及して、新たに不妊治療を受ける従業員向けに「出生支援制度」を開始することとなりました。治療のための休暇取得や休業が可能で、休暇制度は男性も利用できます。

 また、採用活動においてのメリットも感じています。近年は、男女ともに「働きやすさ」を重視する学生が多く、当社の在宅勤務制度やフレックスタイム制及びその利用実績は、働きやすい職場であることのアピールになっていると考えています。 

今後の課題・展望

 女性従業員の育児休業取得率は、ほぼ100%となり、育児休業から復帰後、在宅勤務制度や育児短時間勤務制度を利用しながら仕事と育児の両立を図る従業員が増えてきました。一方、長期にわたり育児短時間勤務制度を利用し続けることにより、キャリアが停滞してしまうという課題が見えてきたことから、現在は両立支援から一歩前進して、キャリアビジョン研修会&交流会を開催し、キャリアアップ支援をしています。2020年に策定した一般事業主行動計画に「女性チーフ以上比率12%以上、新卒採用者に占める女性比率30%以上の維持」といった目標と取組内容を盛り込みました。女性の働きやすい環境は実際に整ってきましたが、役職を担ってくれる女性候補者の育成やキャリアデザインの構築支援といった取組を行うことで、従業員の意識の底上げを図っていきたいと考えています。

 今後も、「社員が最も働きやすく働きがいのある会社」を目指し、職場環境の整備や諸制度の活用推進に取組んでいきたいと思います。

制度利用者の声 制度利用者の声画像

在宅勤務制度を利用して、
仕事を続けることができました

公共システム第二部
高垣 明子さん〈2017年取材〉

通勤時間をなくし、子どもとの時間にあてることができます

 私が在宅勤務制度を利用したきっかけは、子どもが小学校4年生になり、それまで通っていた学童保育を利用できなくなったことです。子どもが一人で留守番する時間をできるだけ短くしたいと思い、通勤にあてている時間を子どもと一緒に過ごせるよう、在宅勤務制度を利用することにしました。その後、家族が長期入院することになり、子どもとの時間に加えて看護の時間を確保するために、在宅勤務制度を週1~2回のペースで継続的に利用しています。また、家族の看護において通院も必要なため、フレックスタイム制も利用し、柔軟な働き方をしています。私は社内システムの構築を担当しており、業務は自分の裁量で進められる部分も多いのですが、必要な時には、社内メールやチャットなどを利用して、社内のメンバーとコミュニケーションをとることができるので不便を感じることはありません。

 また、PTAの役員となり、学校にも頻繁に行く必要が生じたため、在宅勤務制度とフレックスタイム制を組み合わせて時間をやりくりしました。PTAの会議は13時から15時の時間帯が多く、会議の日は午前中を在宅勤務とし、フレックスタイム制や時間単位の休暇により中抜けをしてPTAの会議に出席し、その後再び在宅勤務制度を利用していました。これらの制度のおかげで、業務を滞らせず進めることができ、とても助かりました。

一人で抱え込まずに相談することが大切

 仕事と家庭を両立するために大切なことは、家庭の事情で大変な時でも一人で抱え込まずに、周囲の方々に相談することだと思います。私も育児と家族の看護が重なった時は、退職を考えたこともありました。しかし、職場のメンバーに状況を伝えたところ、職場の皆さんが理解して支えてくださったほか、在宅勤務制度やフレックスタイム制など働き方の柔軟性を高める多様な制度が利用できたことで、仕事を続けることができています。職場の方々には、事情を理解し温かく見守っていただき、いつも感謝しています。また、子どもと接する時間ができたことで子どもにも笑顔が増え、しっかりとコミュニケーションが取れるようになったことも嬉しく感じています。仕事をあきらめることなく、職場や周囲の方々に相談して良かったと思っています。

掲載年度:2017年度(2023年2月更新)

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