女性活躍・両立支援に積極的に取り組む企業の事例集

厚生労働省

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2021年度

ユニオンソーシャルシステム株式会社 (製造業)

人材の多様性を活かせる職場環境で女性従業員が活躍しています

認定マーク

企業プロフィール

設立
1984年
本社所在地
山形県新庄市
事業内容
硬式野球ボール製造・販売業、障がい福祉サービス事業
従業員数
380名(うち女性190名)
企業認定・表彰等
えるぼし(認定段階3)

取組内容

女性活躍推進女性職域拡大女性管理職登用仕事と育児の両立支援

特徴的な制度・取組など

  • 性別、年齢、障がいの有無にかかわらず、従業員が働きやすい職場環境を目指す。
  • ワーク・ライフ・バランスの充実を後押ししながら、女性従業員の長期就業を積極的に支援する。

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インタビュー

  • 取締役 事業調整係
    加藤 葵さん

取組のきっかけ・経緯
人材の多様性を最大限に活かせる職場環境づくりを目指して

 当社は、正社員に占める女性従業員比率が70%以上であり、女性や65歳以上の従業員が多いことに加えて、従業員の約半数が障がい者の短時間労働者で、人材の多様性が豊かです。そのため、従業員が各自の得意分野を活かし不得意分野を補完し合いながら、多様性を最大限に活かせる職場環境づくりを心掛けています。
 例えば、当社が運営するグループホームでは、100名を超える利用者が23の住居で共同生活をしており、各グループホームで世話人を務める女性従業員は、利用者が安心して生活できるアットホームな雰囲気を作るうえで大変貴重な役割を担っています。また、世話人として従事する女性従業員のうち、65歳を過ぎて就業している従業員も多く、勤務形態は希望に応じて、朝と夕方の短時間勤務、夜間勤務など、さまざまです。
 当社では、グループホームだけでなく、当社が運営する事業所、就労支援事業所ピース(就労継続支援A型又はB型、就労移行支援事業所など12事業所)において、多くの女性従業員が支援員や管理職として、障がい者の就労支援という責任の大きな仕事を担っています。
 育児休業の取得はもちろんのこと、有給休暇を取得しやすい環境を整え、ワーク・ライフ・バランスを保ちながら女性従業員が働きやすい職場環境づくりを進めることは、当社が人材を確保し、女性従業員の長期就業を実現するために必要不可欠だと考えています。多様な人材が、さまざまなライフステージを経ても長く働き続けることができるよう、今後も男女ともに働きやすい会社を目指したいと思います。

具体的な取組の内容
定時退社や有給休暇取得を積極的に促し、従業員のワーク・ライフ・バランスの充実を後押し

 当社では、社外での個人の時間や家族と過ごす時間を大切にしてほしいという考えから、定時に退社するということは、納品日の厳守と同じくらい重視してほしいと経営層が従業員に伝えています。残業せずに毎日退社できるよう、各事業所では従業員が業務効率の改善に取り組んでいます。
 従業員のワーク・ライフ・バランスを実現するためには、有給休暇取得率を向上させることも大事だと考えています。そのため、経営層から従業員に対して、有給休暇を取得する権利があることを伝え、積極的な取得を呼びかけているほか、管理職に就く従業員に対しても積極的に有給休暇を取得してほしいと話しています。
 また、当社では結婚、出産、介護などのライフイベントを経ても働き続けてほしいことを女性従業員に対して明確に伝えることはもちろん、実際に働きやすい環境を整備するため、時間単位の有給休暇制度やフレックス制度、退職後の再就職が可能な再雇用制度などを取り入れています。

取組の成果・取組を進めたことによる効果等
女性管理職比率が80%に増加

 以前は、管理職に就くことをちゅうちょする女性従業員も少なくありませんでしたが、会社が女性従業員のワーク・ライフ・バランスやキャリアアップを積極的に支援する姿勢を示し、実際に管理職に占める女性比率が約80%まで増えたことで、管理職へのキャリアアップを前向きに考える女性従業員が以前よりも増えているように感じます。さらに、女性管理職が増えたことにより、同僚間や上司部下の間などで女性同士が仕事の悩みや課題を今まで以上に相談しやすい環境になったと思います。

取組を進めるにあたっての工夫・苦労
従業員の得意分野を意識した人材配置を心掛け、女性従業員の長期就業を実現する

 女性従業員の長期就業を実現するためにも、当社ではできる限り従業員の保有資格、経験、個性などを考慮し、従業員自身が得意だと感じている分野を伸ばせるような人材配置を心掛けています。
 また、当社は男女ともに従業員に対して資格取得を促し、従業員のキャリア形成やキャリアアップを積極的に支援したいと考えています。会社は、従業員が仕事に対するモチベーションを向上させることができるように工夫することも必要だと思います。例えば、当社では資格取得のために必要な費用の一部を会社が負担することに加え、送迎業務の手当を増額したところ、送迎業務で必要となる大型自動車免許を取得する女性従業員の数が増えました。

今後の課題・展望
女性が就業を継続し、活躍できる職場環境の整備をより一層進める

 当社では現在、産前産後休業又は育児休業を取得している女性従業員が5名いますが、全員が復職する予定です。これまで女性が働きやすい職場環境の整備を進めてきたことにより、最近では出産や育児を機に離職した女性が当社に興味を持ち、当社に見学に訪れたり、応募してくれることが増えました。
 今後は、引き続き女性従業員の長期就業を目指し、管理職や専門職に女性従業員を積極的に登用するとともに、正社員一人当たりの有給休暇取得率を70%以上にしたいと考えています。そのため、必要に応じて業務内容の見直しや業務効率の改善を進めていく予定です。

従業員の声 制度利用者の声画像

障がい者も健常者も働きやすい職場環境を目指す

ピース東山事業所 管理者
三浦 美紀さん

コミュニケーションを大切にし、従業員との信頼関係を築く

 私は短大を卒業後金融機関へ就職した後に福祉の仕事に興味を持ち、専門学校に通って介護福祉士の資格を取得し、2010年に当社へ入社しました。入社2年後に会社から管理者になってほしいと言われた際、自分にはまだ早いと感じて最初は断りましたが、2013年から管理者として働いています。以前は先輩や上司についていく立場でしたが、管理者になってからは自分が従業員をまとめる役割を担うようになり、責任の大きさを感じるとともに仕事のやりがいを実感しています。
 仕事をするうえでは、今なにをすべきかを日々考えながら、従業員とのコミュニケーションを一番大切にしています。ピース東山事業所では、18歳から65歳まで23名の障がい者が就労していて、中にはコミュニケーションが苦手な従業員もいますが、普段から仕事以外の話題で会話を楽しんだり、表情や態度の違いを感じたら「何かあった?」と声をかけたりして、信頼関係を築くことを心掛けています。また、業務の中では従業員のやる気や努力をしっかりと認めるように努めています。
 キャリア形成においては、自分の得意なことと苦手なことを見極め、苦手なことでも何が足りないかを考えて努力することが大事だと思います。当社では、女性がさまざまなライフステージを経ても働き続けられる環境が整っていて、資格を活かして働くことができるため、女性にとって働きやすい会社だと思います。女性従業員には、何を目標に仕事に取り組んでいくかを主体的に考えながら活躍してほしいです。
 今後も引き続き、コミュニケーションを大切にしながら仕事を行い、障がいのある従業員も、就労支援に携わる従業員も、困った時には何でも相談できるような雰囲気を率先して作っていきたいと思います。

(データの取材時点:2021年11月)

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