女性活躍・両立支援に積極的に取り組む企業の事例集

厚生労働省

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2021年度

レンドリース・ジャパン株式会社 (建設業)

チャレンジを応援し意見を尊重する企業風土のもと、女性従業員が活躍しています

認定マーク

企業プロフィール

設立
1996年
本社所在地
東京都港区
事業内容
建設プロジェクト・マネジメント業
従業員数
550名(うち女性170名)
企業認定・表彰等
えるぼし(認定段階3)

取組内容

女性活躍推進女性職域拡大女性管理職登用女性採用拡大

特徴的な制度・取組など

  • 社長が強くメッセージを打ち出し、ダイバーシティ&インクルーションの推進に取り組む。
  • 女性新入社員にも機会に応じて現場を経験してもらい、幅広い業務領域での活躍を促す。

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インタビュー

  • 人事部
    玉山 優子さん

取組のきっかけ・経緯
ダイバーシティ&インクルージョンを実現し、従業員のチャレンジを応援する職場環境づくりを目指して

 当社では、2013年からダイバーシティ&インクルージョンを実現するための活動を始め、国籍、年齢、性別などの多様性を認める風土づくりに取り組んでいます。具体的には、ダイバーシティ&インクルージョンをテーマとした社内アンケートを年に1回実施しているほか、多様性に関連した制度の見直し、情報発信やイベントの企画・運営を行っています。例えば、これまでにはアドミニストレーター職からエンジニア職への転換を支援するガイドラインを作成したり、男性の育児休業取得促進を目的としたイベントなどを開催しました。
 もともと当社では、男女を問わず、部門や業務内容の変更を伴う自発的な異動を応援しているほか、派遣社員や有期雇用契約から正社員への登用を積極的に行っており、従業員のチャレンジを積極的に支援する企業文化がありました。ダイバーシティ&インクルージョンの活動により、そうした企業文化がより一層醸成され、現在は多様性の一環として女性の活躍を推進する風土が根付いていると考えます。
 例えば、建設業は一般的に男性比率が高い業種ですが、当社では「Women Engineer」という社内情報共有サイトを立ち上げ、女性従業員同士が情報交換できる環境を作っています。また、当社では職位や性別を問わずに個人の意見を尊重する文化がありますが、会社としては、男女ともにさまざまなライフステージにおいて、意欲的にキャリアを築き、働き続けられる職場環境づくりに取り組んでいます。その結果、2017年には初めての申請で、えるぼし認定の3段階目を取得することができました。

具体的な取組の内容
スーパー・フレックス制度により、柔軟な働き方の実現を積極的に支援

 当社は、2017年からスーパー・フレックス制度を導入しています。当社の所定労働時間は1日7.5時間ですが、本制度により1日1時間以上業務を行えば勤務日と見なされ、従業員は月所定労働時間(7.5時間×所定労働日数)を柔軟に配分することが可能です。例えば、子育て中の従業員は、子どもの発熱などによる急な呼び出しがあった場合、年次有給休暇を取得するのではなく、スーパー・フレックス制度を活用することで労働時間を調整することができます。
 また、スーパー・フレックス制度のほかにも、テレワークの推進やパートタイム制度などにより、従業員がライフステージに応じて柔軟な働き方を実現できるよう会社として支援しています。結婚や出産を経てもキャリアアップを目指す先輩従業員の姿を実際に見て、自分も将来的に管理職を目指したいと考える女性従業員の数は以前よりも増えていると感じています。

取組の成果・取組を進めたことによる効果等
現場での仕事をポジティブに捉える女性従業員が増加

 業界全体として、今までは女性にとって現場の仕事は大変という雰囲気がありましたが、最近は現場で仕事をする女性の数が以前よりも増えています。当社でも、新卒社員の採用数を男女半々にする目標を立てているほか、男女問わず積極的に現場の仕事を経験してもらい、従業員がより幅広い視野で主体的にキャリア形成をできるよう支援しています。その結果、現在は、現場での仕事をポジティブに捉えている女性従業員が以前よりも増えているように感じます。

取組を進めるにあたっての工夫・苦労
従業員を巻き込み、主体的なキャリア形成を促す

 当社では、女性の活躍、アンコンシャス・バイアス、男性の育児参加といったテーマについて社長が自ら強いメッセージを打ち出し、ダイバーシティ&インクルージョンが重要な経営課題であると考えています。一方、ダイバーシティ&インクルージョンの活動を進めるうえで、会社が強制するような形ではなく、各種の取組を推進してくれる従業員を巻き込むことが大事だと思います。例えば、男性の育児休業取得促進を目的としたイベントでは、実際に育児休業を取得した男性従業員に参加してもらい、体験談や意識の変化などを他の従業員に共有できるようにしています。
 また、当社にはメンター制度がありますが、特徴の一つとして、他部署の従業員同士がコンビを組むようにしています。そうすることで、部門や業務の枠を超えた従業員のコミュニケーションが活性化することはもちろん、キャリア形成においても従業員が所属部署にとらわれず、会社全体の仕事に目を向けられるように促しています。

今後の課題・展望
全従業員が働き続けたいと思える職場環境づくりを

 今後も引き続き、多様な従業員が、ライフステージの変化にかかわらず働き続けたいと思える職場環境づくりを目指したいと考えています。そのためには、会社が柔軟な働き方の実現を支援し、従業員のチャレンジを後押しすることが必要です。
 現時点での課題としては女性管理職比率の向上が挙げられますが、女性従業員に対して任意で行ったキャリア形成に関するアンケートでは、「ワーク・ライフ・バランスを保ちながら女性も平等に活躍できる機会が与えられている」、「管理職を目指してスキルアップしたい」、「新たな業務を立ち上げたい」といったポジティブで意欲的な意見が多数寄せられました。会社としても、こうした女性従業員の声に応えられるよう、年齢や性別を問わず従業員が活躍できる環境の整備を進めていきたいと考えています。

従業員の声 制度利用者の声画像

年齢・職位・性別にかかわらず個人のチャレンジや意見を尊重する社風

建設部プロジェクト・マネジャー兼サステナビリティリード
宮本 順子さん

チャレンジする機会が与えられ、能力を男女平等に評価される職場

 英語を活かせる仕事に就きたいと考え、最初は派遣社員として入社しましたが、数年後に直接雇用となり、その後、勤務地と業務内容の変更を伴う異動を会社から打診され、個人的にも興味のある業務内容だったこともありチャレンジしてみようと思いました。現在は、主にサステナビリティ関連業務やグリーン・ビルディング評価システムのコンサルティング業務を行っています。
 現在の部署に異動してからは、新しい業務にチャレンジする機会が増えたため、任せられる仕事の幅が大きく広がり、営業活動など社外との関わりも一段と増えて、男女を問わず活躍の機会が与えられていることを実感しています。
 キャリア形成に関しては、常に積極的に学ぶことを心掛けており、業務に活かすことができるグリーン・ビルディング認証に関する資格などを取得しました。また、分からないことがある場合は、恥ずかしがらず同僚に助けを求めるようにしています。当社では、男女平等の考え方が根付いているため、仕事をするうえで性差を意識することは特にありませんし、年齢や職位や性別にかかわらず、個人の能力が重視されています。
 今後は、後任の育成にも取り組みながら、新しい部署を立ち上げつつ、売上拡大にも貢献したいと考えています。また、自分と同じように、今は経験がなくても将来的に業務を担当できる人材を増やせるような組織づくりにも注力したいと思います。

従業員の声 制度利用者の声画像

建設部プロジェクト・エンジニア
段 玥静さん

建設業界で女性が活躍できるという考え方を社内外に広めたい

 日本の建築に興味があったため、中国の高校を卒業してから日本に留学し、大学と大学院を卒業しました。最初に就職した設計会社でプロジェクト・マネジメントの仕事に興味を持ったことがきっかけで転職し、現在は建設プロジェクトのスケジュール、コスト、調達、設計、施工など一連のマネジメント業務を行っています。
 まだ入社2年目ですが、日常的に上司や同僚と接する中で自分の意見が尊重されているため、自信を持って意見を伝えることができ、自分の成長を実感することもできます。当社には年齢、職位、性別、国籍にかかわらずチャレンジを応援する文化があり、その点が非常に魅力的だと感じています。
 当社では女性従業員が活躍しているものの、建設業界全体的にみるとまだ男性社会というイメージがありますが、仕事をするうえでは自分が100%のパフォーマンスを発揮することにより、建設業界で女性が活躍できることを社外に積極的に伝えたいと考えています。そして、建設業界や社会全体に向けて、男女問わず仕事で活躍し夢を叶えることが可能だという考え方を広められたら良いと思っています。
 今後は、さまざまな建設プロジェクトに関わって業務経験を積んでいきたいと考えています。また、当社は働く時間の自由度が高く、結婚・出産した方でも働き続けて活躍し、自分が目標にしたいと思う女性が多くいるので、ワーク・ライフ・バランスを保ちながら効率よく仕事を続け、ゆくゆくは管理職にも挑戦したいです。

(データの取材時点:2021年10月)

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