私がいることで、誰かの夢や目標のきっかけになれたら(以後さん)
2016年から施設長を務め、現在は職員約90人を取りまとめています。施設長への昇格の打診は、当時の施設長で上司であった濱﨑理事長から受けました。当法人はもともと女性の多い職場ではありましたが、管理職は男性がなるものというイメージがあったため、打診を受けた際は自分に務まるのだろうかと不安が大きかったです。ただ、濱﨑理事長と約2年間一緒に仕事をしたことで、女性の施設長のイメージがわき、自分もやってみようと思うことができました。
私は入職以来、介護を専門としてきたため、経営や運営側の視点を持つためには当法人の階層別研修が役立っています。自身のキャリアのため、外部研修を受講することもあります。当法人では、施設長など社会福祉士等の有資格者が持ち回りで厚生労働省の介護労働安定センターの講師を務めており、私も講師として当法人内外の次の世代の育成に力を入れています。介護は大変な仕事ではありますが、知識や技術だけでなく心持ちも伝えることで、私が感じているやりがいを知ってもらい、一人でも多くの方が介護の世界に入って長く続けてほしいと思っています。
女性職員の中には、管理職になる自信がない、打診を受けても一歩踏み出せずにいるという方もいるかもしれませんが、女性の施設長である私がいることで、私の仕事や働き方が彼女たちの夢や目標のきっかけになるように今後も仕事を続けていきたいです。
次は私が誰かの頼もしい存在になりたい(井殿さん)
以後さんとは同期で入職し、以来お互いに支えあってきました。私は2021年に施設長になりましたが、その際も施設長の先輩として以後さんは一番身近で頼りになる存在でした。主任介護士に昇格して後輩をまとめていく立場になり、その後次長として施設長の近くで仕事をしてきましたが、打診があった際は自身がこんなに早く施設長になるとは考えていませんでした。これまで男性施設長のもとで仕事をしてきたので不安ではあったものの、女性の施設長の先輩が身近にいたこと、また、生活相談員は男性が多い中、私が現在施設長を務めている河原あすなろの生活相談員は入所施設で唯一の女性であったことから、「女性でも頑張ればできる」と前向きに考え、引き受けました。
施設長になったばかりのため、当法人の推薦で全国社会福祉協議会の福祉施設長講座を受講させてもらい、施設の運営や経営について学んでいます。全国の特別養護老人ホームや保育所、障がい児施設などの施設長が参加しており、グループワークもあるので、介護以外の仕事を知ることができてとても勉強になっています。今は地域連携について学んでいるので、当法人や施設でどのようなことができるか考えていきたいと思います。
以後さんが施設長になったとき、「私たち女性が施設長になれるように私が道を作るから」と言ってくれたことをよく覚えています。私も後に続く後輩のために、私のように頑張りたいと思ってもらえる、頼もしい存在になりたいと思います。